当記事では、FXと株の違いを、取引対象・取引時間・レバレッジ・売りから入れるか・コスト・税金・リスクの7つの視点から比較して解説します。あわせて、株に興味がある方がFXも選択肢に入れるときの考え方も整理します。
FXと株は、どちらも値動きを利用して利益を狙う取引ですが、売買するものも、取引できる時間も、税金の扱いも異なります。違いを知ったうえで選ぶと、自分の生活リズムや資金に合う方法を判断しやすくなるでしょう。
FXと株の違いとは?比較表でひと目で整理
FXと株の一番大きな違いは、FXは「通貨」を売買し、株は「企業の株式」を売買するという点です。まずは主な違いを表にまとめました。
| 項目 | FX | 株(現物取引) |
|---|---|---|
| 取引対象 | 米ドル/円などの通貨ペア | 証券取引所に上場している企業の株式 |
| 取引時間 | 平日はほぼ24時間(FX会社ごとに異なる) | 東京証券取引所の立会時間は平日9:00〜11:30、12:30〜15:30 |
| レバレッジ | 個人は最大25倍(取引額の4%以上の証拠金) | 現物取引はなし(信用取引は委託保証金が約定価額の30%以上) |
| 売りから入れるか | 通常の取引で売りから入れる | 現物取引ではできない(信用取引の売りで可能) |
| 主なコスト | スプレッド(取引手数料が無料のFX会社もある) | 売買手数料(証券会社・料金プランで異なる) |
| 税金 | 「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税 | 「上場株式等に係る譲渡所得等」として申告分離課税 |
| 主なリスク | 為替の変動、レバレッジによる証拠金を上回る損失 | 株価の変動、企業の業績悪化や経営破綻 |
※2026年10月13日時点・国税庁、金融庁、金融先物取引業協会、日本取引所グループの公表情報をもとに作成
FXは「通貨の値動き」を取引する
FX(外国為替証拠金取引)は、証拠金を担保に、通貨を売買する取引です。国税庁は「外国為替(外国通貨)の売買を、一定の証拠金(保証金)を担保にして、その証拠金の何十倍もの取引単位(金額)で行う取引」と説明しています。円安・円高といった為替レートの変動で損益が決まります。
株は「企業の株価」を取引する
株式投資は、上場企業の株式を買い、値上がりや配当を期待する取引です。株価は企業の業績や景気、市場全体の動きなどで変わります。1つの企業を選んで投資するため、銘柄選びには企業の事業内容や業績を調べる手間がかかります。
FXの基本的な仕組みをもう少し知りたい方は、FXとは?初心者向けに仕組みをやさしく解説もあわせて読んでみてください。
FXと株の取引対象・取引時間の違い
ここでは、何を売買するのか、いつ売買できるのかの2点を分かりやすく解説します。生活リズムとの相性に直結するため、始める前に確認しておきましょう。
取引対象:FXは通貨ペア、株は個別企業
FXでは「米ドル/円」「ユーロ/円」のように、2つの通貨の組み合わせ(通貨ペア)で取引します。取り扱う通貨ペアはFX会社ごとに異なり、例えばDMM FXでは通常通貨ペア23、ミニ通貨ペア4、ラージ通貨ペア4を取り扱っています(2026年10月13日時点・公式サイトより)。DMM FXの特徴はDMM FXの評判の記事でまとめています。
株は上場している企業の数だけ選択肢があり、選ぶ対象がとても多いのが特徴です。一方のFXは、選ぶ対象が通貨ペアに絞られるため、主要な通貨ペアから始めれば調べる範囲を絞りやすいでしょう。
取引時間:FXは平日ほぼ24時間、株は平日の日中
東京証券取引所の株の売買は、午前立会が9時から11時30分まで、午後立会が12時30分から15時30分までです(土日・祝日と12月31日〜1月3日は休業日)。会社員の方は、勤務時間と重なりやすい点に注意が必要です。
FXは、為替相場が24時間動き続けていることから、平日はほぼ24時間取引できるのが特徴です。ただし、取引時間はFX会社ごとに決まっています。DMM FXの例を表にまとめました。
| 期間 | DMM FXの取引時間 |
|---|---|
| 米国夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜) | 月曜07時00分〜土曜05時50分 |
| 米国冬時間(11月第1日曜〜3月第2日曜) | 月曜07時00分〜土曜06時50分 |
| システムメンテナンス | 土曜日12時00分〜18時00分(取引ツールにログイン不可) |
※2026年10月13日時点・DMM FX公式サイトより。2026年11月2日(月)07時00分から米国冬時間が適用されます
なお、元旦やクリスマスなど市場が休場となる日は取引できません。土日は取引時間外になるため、週末をまたいで保有する場合は、月曜の取引開始時にレートが大きく動く可能性も考えておきましょう。
FXと株のレバレッジ・売りから入れるかの違い
FXと株の違いの中でも、損益の大きさに関わるのがレバレッジと「売り」の扱いです。それぞれの仕組みを見ていきましょう。
レバレッジ:FXは最大25倍、株は信用取引で約3.3倍まで
FXでは、預けた証拠金より大きな金額の取引ができます。金融庁によると、個人がFX取引を行う際は取引金額に対して4%以上の証拠金を差し入れ、維持する必要があり、レバレッジに換算すると25倍以下になります。
株は、自分のお金の範囲で売買する現物取引が基本です。証券会社にお金や株を借りて取引する信用取引では、委託保証金が約定価額の30%以上(30万円に満たない場合は30万円)と定められています。30%を逆算すると、委託保証金のおよそ3.3倍までの取引になります(日本取引所グループの資料でも「自己資金の3.3倍」と図示されています)。
レバレッジを高くすると、少ない資金で大きな取引ができる反面、損失も同じ倍率で大きくなります。FXは最大25倍まで使えますが、必ずしも上限まで使う必要はありません。
売りから入れるか:FXは通常の取引で、株は信用取引で可能
FXでは、「売り」から取引を始めて、値下がりしたところで買い戻すことが通常の取引でできます。円高(ドル安)を予想するときは、米ドル/円を売りから入るといった形です。
株の現物取引は、持っている株しか売れないため、値上がりを待つ「買い」からしか始められません。株を持たずに売る「空売り」は信用取引で行う取引で、信用取引口座の開設や委託保証金が必要です。
FXと株の取引コストの違い
取引コストの考え方も異なります。FXの主なコストはスプレッド、株の主なコストは売買手数料です。
| 項目 | FX | 株 |
|---|---|---|
| 売買のたびにかかるもの | スプレッド(買値と売値の差) | 売買手数料(証券会社・プランにより異なる) |
| 取引手数料 | 無料のFX会社もある(例:DMM FXは無料) | 証券会社やプランによって有料・無料がある |
| 保有中に発生するもの | スワップポイント(受け取りだけでなく支払いになる場合もある) | 現物は配当金を受け取れる場合がある(信用取引は金利などの費用がかかる) |
※2026年10月13日時点。DMM FXは公式サイトより(「取引手数料(売買手数料)は無料です。スプレッドのみが、取引にあたって負担いただく実質的なコストとなります。」)
FXのスプレッドは通貨ペアや時間帯によって異なり、経済指標の発表時や早朝などには広がることがあります。取引回数が多くなるほどコストも積み重なるため、取引前にスプレッドを確認する習慣をつけましょう。
FXと株の税金の違い(国税庁の情報をもとに整理)
税金は、FXも株も他の所得と分けて計算する「申告分離課税」です。ただし、所得の区分や申告の手間に違いがあります。
| 項目 | FX | 上場株式 |
|---|---|---|
| 所得の区分 | 先物取引に係る雑所得等 | 上場株式等に係る譲渡所得等 |
| 税率 | 所得税15%+地方税5%(+復興特別所得税) | 所得税15%+住民税5%(+復興特別所得税) |
| 合計税率の目安 | 20.315% | 20.315% |
| 申告不要にできる仕組み | 特定口座の対象外(特定口座は上場株式等が対象) | 特定口座の源泉徴収口座を選ぶと、口座内の譲渡所得を申告不要にできる |
| 損失の繰越 | 翌年以後3年内(一定の要件あり) | 上場株式等の譲渡損失は繰越控除の特例あり(要確定申告) |
※国税庁タックスアンサー No.1521・No.1522・No.1463・No.1474・No.1476(令和8年4月1日現在法令等)より作成。20.315%は、所得税15%に復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)を加えた15.315%と地方税(住民税)5%の合計です
FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」
国税庁によると、FXの差金等決済で利益が出た場合は、他の所得と区分し、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15パーセント(他に地方税5パーセント)の税率で課税されます(申告分離課税)。平成25年から令和29年までは、所得税とあわせて復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)も申告・納付します。
損失が出た場合は、他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算できますが、給与などそれ以外の所得とは損益通算できません。引ききれない損失は、一定の要件のもと翌年以後3年内の「先物取引に係る雑所得等」から控除できます。
株の利益は「上場株式等に係る譲渡所得等」
上場株式の売却益は、「上場株式等に係る譲渡所得等」として20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税で、別途復興特別所得税がかかります。特定口座で源泉徴収を選ぶと、売却のたびに15.315%(他に住民税5%)が源泉徴収され、確定申告を不要にすることもできます。FXがNISAの対象になるかどうかはFXはNISAでできる?で解説しています。
FXと株の損益は相殺できない
FXと株を両方取引する場合に注意したいのが、FXの損失と株の利益(またはその逆)は損益通算できない点です。FXの損失は「先物取引に係る雑所得等」以外の所得と損益通算できないと国税庁は説明しています。上場株式等の譲渡損失も、確定申告で損益通算できるのは上場株式等の配当所得等に限られます。
なお、令和9年分以後は、復興特別所得税が基準所得税額の1.1%に引き下げられ、新たに防衛特別所得税(基準所得税額の1%)を所得税・復興特別所得税と併せて申告・納付することになります(国税庁 No.1522)。具体的な申告方法は、最新の国税庁の情報や税務署で確認しましょう。FXの申告の流れはFXの確定申告のやり方で解説しています。
>>No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係(国税庁)
>>No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例(国税庁)
>>No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(国税庁)
>>No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(国税庁)
FXと株のリスクの違い
FXも株も元本は保証されず、損失が出る可能性があります。そのうえで、リスクの出方には違いがあります。
FXのリスク:レバレッジで損失が膨らむ可能性がある
金融庁は、FXについて証拠金以上の損失が生じるおそれがあり、元本も利益も保証されない取引だと注意を呼びかけています。為替相場が想定と逆に動けば損失が出て、相場が急激に変動したときは、ロスカットルールが適用されても証拠金の額を上回る損失が生じることがあります。
また、金融先物取引業協会は、為替相場は24時間動き続けており、年末年始など流動性が下がる時期には短時間に急変する事象(フラッシュ・クラッシュ)が起こることもあると説明しています。寝ている間や仕事中にも相場は動くため、損失を限定する注文の使い方を覚えておくことが大切です。
株のリスク:株価の下落や企業の経営破綻
株の現物取引は、レバレッジがかからないため、損失は原則として投資した金額の範囲にとどまります。ただし、業績の悪化や不祥事で株価が大きく下がることがあり、企業が経営破綻すると株式の価値が失われる可能性もあります。
信用取引を使う場合は、株価の変動によって委託保証金が不足し、追加の差し入れを求められることがあります。信用取引にもFXと同じく、預けた金額を上回る損失が出る可能性がある点に注意しましょう。
FXと株はどっちから始める?向いている人の考え方
FXと株のどちらが優れているということはなく、自分の生活リズム・資金・興味に合う方を選ぶのが基本です。判断の目安を表にまとめました。
| こんな方は | 検討しやすいのは |
|---|---|
| 平日の日中は仕事で、夜に取引したい | FX(平日はほぼ24時間取引できる) |
| 企業を調べて長く応援したい・配当や株主優待に興味がある | 株 |
| 値下がりの局面でも取引したい | FX(売りから入れる)/株なら信用取引 |
| 少ない資金から試したい | FX(1通貨や1,000通貨から取引できるFX会社がある) |
| レバレッジによる損失の拡大が心配 | 株の現物取引、またはFXを低いレバレッジで |
株に興味がある方がFXも検討するなら、取引時間とレバレッジの違いが自分の生活や資金に合うかを先に考えておくと判断しやすくなります。いきなりお金をかけるのが不安な方は、仮想のお金で取引できるFXのデモ口座で、FXの値動きやレバレッジの感覚を試してみるとよいでしょう。
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FXに必要な資金の目安を知りたい方は、FXはいくらから始められる?必要な資金の目安も参考にしてみてください。
【まとめ】FXと株の違いを確認して自分に合う方を選ぼう
当記事では、FXと株の違いを、取引対象・取引時間・レバレッジ・売りから入れるか・コスト・税金・リスクの観点からご紹介しました。FXは通貨ペアを平日ほぼ24時間取引でき、売りからも入れる一方、レバレッジで損失が膨らむ可能性があります。株は企業を選んで投資でき、現物取引なら損失は投資額の範囲にとどまるのが特徴です。
どちらも元本は保証されないため、まずは少額やデモで仕組みに慣れることから始めてみましょう。FXを始めるならどの口座がよいか迷う方は、FXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
口座開設から最初の取引までの流れは、FXの始め方|口座開設から最初の取引までの手順で解説しています。口座を開ける年齢の条件はFXは何歳から始められる?で整理しています。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
