当記事では、FXを始める前に覚えておきたい基本用語を、基本・コスト・お金・注文・その他の5つに分けて解説します。あわせて、用語を覚えるときの注意点も整理します。
FXの取引画面や説明書には、カタカナや略語の用語が多く出てきます。とくに証拠金やロスカットの意味を知らないまま取引すると、思わぬ損失につながる可能性があるため、取引の前に意味を確認しておきましょう。
FX用語集の使い方|最初に覚えるのは5分野の基本用語
FXの用語はたくさんありますが、初心者の方が最初に覚えるのは、取引画面と取引説明書を読むために必要な基本用語で十分です。当記事では、次の5つの分野に分けて紹介します。
| 分野 | 主な用語 | 分かること |
|---|---|---|
| 基本 | 通貨ペア・為替レート・pips・ロット | 何をいくらで売買するのか |
| コスト | スプレッド・スワップポイント | 取引でかかるお金・受け取るお金 |
| お金 | 証拠金・レバレッジ・証拠金維持率・ロスカット・追証 | 預けるお金と損失の仕組み |
| 注文 | 成行・指値・逆指値・IFD・OCO | 売買の注文の出し方 |
| その他 | ポジション・決済・スリッページ・信託保全など | 取引中・取引後によく見る言葉 |
用語の意味は、金融先物取引業協会(FFAJ)が公開している学習サイト「FFAJの学ぼう!FX」の解説をもとにまとめています。ロスカットの水準など、FX会社によって数字が違うものは、会社名と時点を添えて紹介します。用語を本で学びたい方は、FX初心者向けのおすすめ本も参考にしてみてください。
そもそもFXがどのような取引なのかを先に知りたい方は、FXとは?仕組みをやさしく解説から読むと理解しやすいでしょう。
FX(外国為替証拠金取引)の意味
FXは「外国為替証拠金取引」のことで、FX会社に証拠金を預けて、証拠金以上の額の外国為替取引ができるデリバティブ取引の一種です。通貨を実際に受け渡すのではなく、売買の差額だけをやり取りする「差金決済」で取引します。
売りと買いのどちらからでも取引を始められる一方で、レバレッジによって預けたお金以上の損失が出る可能性もある取引です。
基本のFX用語(通貨ペア・為替レート・pips・ロット)
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 通貨ペア | 売買する2つの通貨の組み合わせ。「米ドル/円」のように「/」で区切って表す |
| 為替レート | 異なる通貨を交換するときの交換比率。「1ドル=150円」など |
| 円高・円安 | 外貨と比べて円の価値が上がること(円高)・下がること(円安) |
| pips(ピップス) | 為替レートの値動きを表す単位 |
| ロット(Lot) | 取引数量の単位。1ロットが何通貨かはFX会社で異なる |
通貨ペア:売買する通貨の組み合わせ
通貨ペアは、実際の取引で売買する通貨の組み合わせです。「米ドル/円を買う」は米ドルを買って円を売ること、「米ドル/円を売る」は米ドルを売って円を買うことを意味します。
米ドル・ユーロ・ポンド・円のように取引量が多い通貨はメジャー通貨、トルコリラや南アフリカランドのように取引量が少ない通貨はマイナー通貨と呼ばれます。
為替レート:通貨の交換比率(売値と買値がある)
為替レートは、外国為替市場で異なる通貨が交換されるときの交換比率です。たとえば1ドル=100円が101円になれば「1円の円安ドル高」、99円になれば「1円の円高ドル安」といいます。
FXの画面では、レートが売るときの値段(Bid・ビッド)と買うときの値段(Offer・オファー。Askとも呼ぶ)の2つ並んで表示されます。買うときは高いほうの値段、売るときは安いほうの値段で取引される点を覚えておきましょう。
pips:値動きの幅を表す単位
pips(ピップス)は、為替レートの値動きの幅を表す単位です。単位の決め方はFX会社の表記で確認するのが確実で、たとえばインヴァスト証券は「対円通貨ペア:1銭=0.01円、対外貨通貨ペア:1pips=0.0001外貨」と表示しています。
対円の通貨ペアはスプレッドを「銭」で表示する会社が多い一方で、同じ会社でも資料によって対円を「pips」で表記している場合があります。数字を見るときは、単位が銭なのかpipsなのかを確認しましょう。
ロット:取引数量の単位(1ロットの大きさは会社ごとに違う)
ロット(Lot)は取引数量の単位で、1ロットが何通貨なのかはFX会社や通貨ペアによって違います。たとえばDMM FXは1Lot=10,000通貨で、米ドル/円ミニなど4つのミニ通貨ペアだけ1Lot=1,000通貨です(2026年10月13日時点)。最小の取引単位が小さい会社は少額で始められるFX口座で比べています。
取引コストに関するFX用語(スプレッド・スワップポイント)
スプレッド:売値と買値の差(実質的な取引コスト)
スプレッドは、買うときの値段と売るときの値段の差です。FFAJの例では、買値107円15銭・売値107円10銭のとき、スプレッドは5銭で、1万通貨を買ってすぐ売ると5銭×1万通貨=500円のコストになります。
スプレッドは常に一定ではなく、早朝や年末年始、重要な経済指標の発表前後などは広がる場合があります。広告で見る「原則固定」の数字も、例外があることを前提に見ておきましょう。
スワップポイント:2つの通貨の金利差に相当する金額
スワップポイントは、売買する2つの通貨の金利差に相当する金額です。金利の高い通貨を買って低い通貨を売るポジションでは受け取り、反対のポジションでは支払いになるのが基本です。
金利が変われば金額も変わり、受け払いの方向が逆転することもあります。同じ通貨ペアでもFX会社によって金額が違うため、最新の金額は各社の公式サイトで確認しましょう。
証拠金・レバレッジ・ロスカットなどお金に関するFX用語
この分野は、損失の大きさに直結するため、取引の前に必ず理解しておきたい用語です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 証拠金 | 取引のためにFX会社に預けるお金。個人は取引額の4%以上が必要 |
| レバレッジ | 取引額が証拠金の何倍かを示す数字。個人は最大25倍 |
| 証拠金維持率 | 必要な証拠金に対して、口座のお金がどれだけあるかを示す割合 |
| ロスカット | 損失が一定の水準に達したとき、ポジションを自動で決済する仕組み |
| 追証(追加証拠金) | 判定時刻に証拠金が不足したとき、追加で入金などを求められるもの |
※金融先物取引業協会「FFAJの学ぼう!FX」・DMM FX公式サイトより作成。
証拠金とレバレッジ:少ないお金で大きな額を取引できる仕組み
個人がFXをするときは、取引額(想定元本)の4%以上の証拠金をFX会社に預ける必要があります。1ドル100円で1万ドルを買うなら取引額は100万円で、証拠金は4万円以上です。計算方法はFXの証拠金とはで詳しく解説しています。
レバレッジは「取引額が証拠金の何倍か」を示す数字で、個人の上限は25倍です。FFAJの例では、100万円の証拠金で1円動いたとき、レバレッジ1倍なら損益は1万円、5倍なら5万円になります。レバレッジを上げると、利益だけでなく損失も大きくなります。
証拠金維持率:ロスカットや追証の判定に使う割合
証拠金維持率は、必要な証拠金に対して口座にどれだけお金が残っているかを示す割合です。計算式は会社ごとに決まっており、DMM FXでは「(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」と示されています。
含み損が増えると証拠金維持率は下がり、一定の水準を下回るとロスカットや追証の対象になります。取引中はこの数字をこまめに確認しましょう。
ロスカット:損失の拡大を防ぐための自動決済
ロスカットは、損失が一定の水準に達したときに、ポジションを自動的に決済する仕組みです。個人のFX取引では、法令でFX会社に義務付けられています。各社の水準の違いはFXのロスカットとはで解説しています。
ロスカットの水準は会社ごとに異なり、たとえばDMM FXは「証拠金維持率が50%以下となった場合」です(2026年10月13日時点・DMM FX公式「ロスカットとは?」)。ただし、相場の急変時などには、預けた証拠金以上の損失が出る場合があります。ロスカットがあるから損失が必ず一定に収まる、というわけではありません。
追証:証拠金が足りないときの追加入金
追証(追加証拠金)は、決められた判定時刻に、口座のお金が必要な証拠金に足りないときに求められる追加の証拠金です。不足分を入金するか、ポジションを決済して解消する必要があります。
DMM FXでは、判定時刻に証拠金維持率が100%を下回ると追証が発生し、期限までに解消しないとポジションが強制的に決済されます(マージンカット)。追証の有無や判定時刻も会社によって違うため、取引説明書で確認しましょう。
注文方法のFX用語(成行・指値・逆指値・IFD・OCO)
注文方法の名前は、「いつ」「いくらで」売買するかを指定する方法の違いです。主な5つを表にまとめました。
| 注文 | 読み方 | 内容 |
|---|---|---|
| 成行注文 | なりゆき | 値段を指定せず、その時のレートで注文する |
| 指値注文 | さしね | 今より有利な値段を指定して注文する(買いなら安く、売りなら高く) |
| 逆指値注文 | ぎゃくさしね | 今より不利な値段を指定して注文する。損失を限定する(損切り)ときなどに使う |
| IFD注文 | イフダン | 新規の注文と、それが成立したあとの決済注文を同時に出す |
| OCO注文 | オーシーオー | 2つの注文を同時に出し、片方が成立したらもう片方は自動で取り消す |
※金融先物取引業協会「FFAJの学ぼう!FX(取引スキーム)」より作成。
指値と逆指値:利益確定と損切りに使い分ける
指値注文は今より有利な値段、逆指値注文は今より不利な値段を指定する注文です。買いポジションを持っているなら、上の値段の売り指値で利益確定、下の値段の売り逆指値で損切りを予約できます。
逆指値は「ストップ注文」と呼ぶ会社もあります。名前が違っても仕組みは同じなので、会社の注文画面の説明で確認しましょう。アプリでの注文の出し方の一例は、DMM FXアプリでの注文のやり方で紹介しています。
IFDとOCO:相場を見続けられないときの注文
IFD注文は「この値段で買えたら、次はこの値段で売る」という新規と決済の2段階の注文をまとめて出す方法です。OCO注文は、利益確定と損切りのように2つの決済注文を同時に出し、どちらかが成立するともう一方が取り消されます。
IFDとOCOを組み合わせた「IFO(IFDOCO)注文」もあります。注文方法の詳しい解説は、FFAJの学ぼう!FX「取引スキーム」でも確認できます。
その他のよく見るFX用語
最後に、取引中や取引後の画面、取引説明書でよく見る用語をまとめます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ポジション(建玉) | 売買したあと、まだ決済していない取引。買いはロング、売りはショートとも呼ぶ |
| 決済(反対売買) | 持っているポジションと反対の売買をして取引を終えること |
| 差金決済 | 通貨そのものは受け渡さず、売買の差額だけをやり取りする決済方法 |
| 約定(やくじょう) | 注文が成立すること |
| スリッページ | 注文したときのレートと、実際に成立したレートのずれ |
| 両建て | 同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に持つこと |
| ロールオーバー | ポジションを翌日に持ち越すこと。このときスワップポイントが発生する |
| 信託保全 | 顧客から預かった証拠金を、FX会社の財産と分けて信託銀行等に信託して管理すること |
| 契約締結前交付書面 | 取引のルールやリスクを説明した書面。取引説明書とも呼ばれる |
※金融先物取引業協会「FFAJの学ぼう!FX」・各社の取引説明書より作成。
両建ては「損益が相殺されて安全」とは限らない
両建ては、買いと売りを同時に持つため損益が打ち消し合うように見えます。しかし、スプレッドが急に広がるとロスカットされる可能性があるとFFAJは説明しています。
DMM FXも、買いと売りの両方に証拠金が必要でスプレッドも二重にかかるとして、両建てを推奨していません。初心者のうちは使わないほうがよいでしょう。
信託保全は元本を守る仕組みではない
信託保全は、FX会社が破綻した場合に備えて預けた証拠金をFX会社の財産と分けて管理する仕組みで、2010年2月から法令で義務付けられています。
ただし、信託保全は取引の損失を補うものではありません。DMM FXも「信託保全は、お取引の元本を保証するものではありません。」と明記しています。
FX用語を覚えるときの注意点
注意点の1つ目は「数字や呼び方は会社ごとに違う」ことです
注意点の1つ目は「数字や呼び方は会社ごとに違う」ことです。1ロットの大きさ、ロスカットの水準、追証の有無、注文の呼び方は、FX会社ごとに決まっています。
用語の意味を覚えたら、利用する会社の取引説明書(契約締結前交付書面)で、具体的な数字を確認しましょう。
注意点の2つ目は「銭とpipsの単位をそろえて見る」ことです
注意点の2つ目は「銭とpipsの単位をそろえて見る」ことです。スプレッドや値動きを比べるときに単位が違うと、数字の大きさを読み違える可能性があります。
表や広告の数字を見るときは、単位と、その数字が何月何日時点のものかをあわせて確認しましょう。
注意点の3つ目は「デモ取引で画面と照らし合わせる」ことです
注意点の3つ目は「デモ取引で画面と照らし合わせる」ことです。用語は、実際の画面で証拠金維持率や注文の種類を見ながら確認すると覚えやすくなります。
仮想のお金で練習できるデモ取引は、FXデモトレードおすすめアプリで各社の違いを比べています。勉強の順番はFXの勉強方法の記事でも解説しています。
【まとめ】FX用語を押さえて取引の仕組みを確認しよう
当記事では、FXを始める前に覚えておきたい基本用語を、基本・コスト・お金・注文・その他の5つに分けてご紹介しました。とくに証拠金・レバレッジ・ロスカット・追証は、損失の大きさに直結する大切な用語です。
用語を覚えたら、デモ取引や少額の取引で実際の画面と照らし合わせてみましょう。いくら用意すればよいかはFXはいくらから始められる?で、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
