最終更新:2026年10月13日
為替介入とは、為替相場の急激な変動を抑えるために、通貨当局が外国為替市場で通貨を売買することです。当記事では、財務省が公表している最新の介入実績(2026年7月30日〜8月26日の15兆3,993億円)と過去の実績、介入の仕組み、実績の確認方法を中心に解説します。あわせて、FX取引で気をつけたい点も整理します。
日本では、為替介入は財務大臣の権限で行われ、日本銀行が代理人として実務を担います。円相場が大きく動いた局面では「介入があったのか」がニュースになるため、公式の数字の見方を知っておくと落ち着いて判断しやすくなります。
為替介入の最新の実施状況(2026年10月13日時点)
財務省の公表によると、最新の為替介入は2026年7月30日〜8月26日の期間に行われた15兆3,993億円です(月次ベース・2026年8月28日発表)。ただし、この介入の実施日・日ごとの金額・売買通貨は、2026年10月13日時点ではまだ公表されていません。
実施日まで公表されている介入としては、2026年4月30日・5月4日・5月6日の3日間(合計11兆7,349億円・米ドル売り日本円買い)が最も新しいものです。
最新:2026年7月30日〜8月26日に15兆3,993億円(実施日は未公表)
月ごとの合計額は次のとおりです。2026年7月30日〜8月26日の外国為替平衡操作額は15兆3,993億円で、その後の8月27日〜9月28日は0円でした。
| 集計期間(発表日) | 外国為替平衡操作額 |
|---|---|
| 2026年8月27日〜9月28日(9月30日発表) | 0円 |
| 2026年7月30日〜8月26日(8月28日発表) | 15兆3,993億円 |
| 2026年6月29日〜7月29日(7月31日発表) | 0円 |
| 2026年5月28日〜6月26日(6月30日発表) | 0円 |
| 2026年4月28日〜5月27日(5月29日発表) | 11兆7,349億円 |
※財務省「外国為替平衡操作の実施状況」月次ベースの各回の公表より。2026年10月13日時点。2026年9月29日以降の分は10月30日に公表予定です。
財務省の公表予定では、2026年7月〜9月の日次ベースの実績(実施日・金額・売買通貨)は「令和8年11月2日-9日」に公表されます。公表されしだい、この記事の表に実施日と金額を追記します。
実施日まで公表済み:2026年4月30日〜5月6日に計11兆7,349億円
日次ベースで公表されている最新の四半期(2026年4月〜6月期)では、2026年4月30日・5月4日・5月6日の3日間で、合計11兆7,349億円の米ドル売り・日本円買い介入が行われました。
| 実施日 | 金額 | 売買通貨 |
|---|---|---|
| 2026年4月30日 | 6兆2,787億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年5月4日 | 7,802億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年5月6日 | 4兆6,759億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年4月〜6月期の合計 | 11兆7,349億円 | ― |
※財務省「外国為替平衡操作の実施状況(令和8年4月~令和8年6月)」(2026年8月7日発表)より。2026年10月13日時点。
為替介入とは?誰が決めて誰が行うのか
正式名称は「外国為替平衡操作」
日本銀行は、為替介入を通貨当局が為替相場に影響を与えるために、外国為替市場で通貨間の売買を行うことと説明しています。正式名称は「外国為替平衡操作」で、目的は為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることです。
財務省も、為替相場は基本的に各国経済のファンダメンタルズを反映して市場の需給で決まるものとしたうえで、思惑などでファンダメンタルズから離れたり、短期間に大きく動いたりする不安定な動きは好ましくないため、相場の安定を目的に介入を行うことがある、としています。
財務大臣の権限で実施し、日本銀行が実務を担う
日本では、為替介入は財務大臣の権限において実施され、日本銀行は財務大臣の代理人として、その指示に基づいて実務を遂行しています。日本銀行は、根拠を「特別会計に関する法律」と「日本銀行法」と説明しています。
流れは次のとおりです。日本銀行は為替市場の情報を毎日財務省に報告しています。財務大臣が介入を必要と判断すると、日本銀行はマーケット情報を財務省に報告し、財務省が具体的な指示を出して、日本銀行が介入を実施します。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 介入の決定 | 財務大臣(財務省 国際局為替市場課) |
| 介入の実務(売買の実行) | 日本銀行(財務大臣の代理人) |
| 介入の資金 | 外国為替資金特別会計(外為特会) |
| 実績の公表 | 財務省(月次・四半期) |
出典:為替介入(外国為替市場介入)とは何ですか?(日本銀行)
円買い介入と円売り介入の違い
介入には、急激な円安に対応する「ドル売り・円買い介入」と、急激な円高に対応する「ドル買い・円売り介入」があります。日本銀行によると、円買い介入では外為特会が持つドル資金を売って円を買い、円売り介入では政府短期証券を発行して調達した円でドルを買います。円安が進む理由は円安の理由で整理しています。
このほか、日本銀行が海外の通貨当局に介入を委ねる「委託介入」や、複数の通貨当局が協議して同時・連続的に行う「協調介入」もあります。円安・円高の基本は円安・円高とは、レートの見方は為替レートとはもあわせて参考にしてください。
出典:日本銀行における外国為替市場介入事務の概要(日本銀行)
為替介入の過去の実績(2022年以降の一覧)
財務省の全データ(1991年4月以降)によると、実施日まで公表されている2022年以降の為替介入はすべて「米ドル売り・日本円買い」です(2026年7月30日〜8月26日の分は売買通貨も未公表)。円買い介入は1998年6月17日以来、2022年9月22日まで行われていませんでした。
| 実施日 | 金額 | 売買通貨 |
|---|---|---|
| 2022年9月22日 | 2兆8,382億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2022年10月21日 | 5兆6,202億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2022年10月24日 | 7,296億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2024年4月29日 | 5兆9,185億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2024年5月1日 | 3兆8,700億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2024年7月11日 | 3兆1,678億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2024年7月12日 | 2兆3,670億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年4月30日 | 6兆2,787億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年5月4日 | 7,802億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年5月6日 | 4兆6,759億円 | 米ドル売り・日本円買い |
| 2026年7月30日〜8月26日のいずれか(実施日は未公表) | 15兆3,993億円(期間の合計) | 未公表 |
※2026年5月6日までは財務省「外国為替平衡操作の実施状況」過去の介入実績全データ(平成3年4月~令和8年6月期)より。最終行は月次ベースの公表(2026年8月28日発表)で、実施日・日ごとの金額・売買通貨は2026年11月2日〜9日に公表予定です(2026年10月13日時点)。
年ごとの合計額
年ごとに合計すると、2022年は9兆1,881億円、2024年は15兆3,233億円でした。2023年と2025年は、四半期の合計がすべて0円で、介入は行われていません。
| 年 | 実施日数 | 合計額 |
|---|---|---|
| 2022年 | 3日 | 9兆1,881億円 |
| 2023年 | 0日 | 0円 |
| 2024年 | 4日 | 15兆3,233億円 |
| 2025年 | 0日 | 0円 |
| 2026年(10月13日時点の公表分) | 3日+7月30日〜8月26日の期間 | 11兆7,349億円+15兆3,993億円 |
※財務省の四半期合計を年ごとに足した数字です(各日の数値は四捨五入のため、合計が総額と一致しないことがあると財務省は注記しています)。
2011年までは円売り介入もあった
全データをさかのぼると、円高が進んだ時期には「米ドル買い・日本円売り」の介入も行われています。直近の円売り介入は2011年10月31日〜11月4日で、10月31日だけで8兆722億円でした。
出典:外国為替平衡操作の実施状況 全データ(CSV・財務省)
為替介入があったかを確認する方法(財務省の公表)
為替介入があったかどうかは、財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」で確認できます。日本銀行も、実施日と金額は財務省のホームページを見るよう案内しています。
手順1:月次ベースで合計額を確認する
財務省は、介入した実績の総額を1か月ごとに公表しています。集計期間はカレンダーの月とは少しずれており、たとえば2026年9月30日の発表は「8月27日〜9月28日」の分でした。0円なら、その期間に介入はなかったことになります。
手順2:四半期ごとの日次ベースで実施日を確認する
実施日・介入額・売買通貨の詳細は、四半期ごとに公表されます。月次で金額が出ていても、どの日に行われたかは四半期の公表まで分かりません。2026年10月13日時点の公表予定は次のとおりです。
| 公表予定日時 | 内容 |
|---|---|
| 2026年10月30日(金)午後7時 | 月次ベース(2026年9月29日〜10月28日) |
| 2026年11月2日〜9日 | 日次ベース(2026年7月〜9月) |
| 2026年11月30日(月)午後7時 | 月次ベース(2026年10月29日〜11月26日) |
※財務省「外国為替平衡操作の実施状況」の公表予定より(2026年10月13日時点)。財務省は「現時点での予定をお知らせするものであり、変更される場合があります」としています。
手順3:全データで過去と比べる
財務省は、1991年4月以降のすべての介入実績をCSVで公開しています。金額の単位は億円です。日本円を対価としない介入は、実施日の日本銀行発表の円の対ドル中心相場を用いて円に換算されています。
為替介入があるときのFX取引の注意点
為替介入は相場を大きく動かすことを目的に行われるため、FXで円を含む通貨ペアを持っていると影響を受けます。介入があるかどうか、いつあるかを当てにいくのではなく、急な値動きに備えることが大切です。
相場が急変し、スプレッドが広がることがある
GMOクリック証券は、スプレッドが拡大する例として「各国中央銀行の市場介入」を挙げています。DMM FXや松井証券も、突発的な事象や相場の急変時にはスプレッドが広がることがあると注記しています。各社のサービスの特徴はDMM FXの評判や松井証券FXの評判でまとめています。
| FX会社 | 公式の注記(要約) |
|---|---|
| GMOクリック証券(FXネオ) | 市場の急変時(震災などの天変地異、各国中央銀行の市場介入、その他外部要因)などにスプレッドが拡大する場合がある |
| DMM FX | 突発的な事象が発生した場合などにスプレッドが拡大する場合があり、その上限は一定値に限定されない |
| 松井証券 | 相場の急変時、経済指標の発表時、著しい流動性の低下時等にスプレッドが拡大する場合がある |
※2026年10月時点・各社公式サイトより。
スプレッドの仕組みはFXのスプレッドとはで解説しています。
注文が不利な価格で成立し、損失が証拠金を上回ることもある
相場が急に動くと、注文した価格より不利な価格で約定する「スリッページ」が起こることがあります。金融先物取引業協会は、相場急変時にはロスカット機能が十分に働かず、預けた証拠金以上の損失が出ることがあると説明しています。
ロスカットの仕組みはFXのロスカットとは、証拠金の不足についてはFXの追証とはで解説しています。
レバレッジを抑え、損切りの注文を入れておく
介入の有無やタイミングは事前に分かるものではないため、実質レバレッジを低めに抑え、逆指値(損切り)の注文を入れておくのが基本の備えです。逆指値も急変時は指定した価格より不利に約定することがある点は覚えておきましょう。
具体的な設定はFXの損切りのやり方、レバレッジの考え方はレバレッジとはを参考にしてみてください。
急な値動きに備えて、逆指値注文の入れ方や決済の操作はFXデモトレードができるアプリで実際の資金を使わずに確認しておくこともできます。
【まとめ】為替介入は財務省の公表値で確認しよう
当記事では、為替介入の最新の実施状況、介入の仕組み、2022年以降の実績、財務省の公表での確認方法、FX取引での注意点をご紹介しました。2026年10月13日時点で公表されている最新の介入は、2026年7月30日〜8月26日の15兆3,993億円(実施日は11月2日〜9日に公表予定)です。為替介入は財務大臣の権限で行われ、日本銀行が実務を担います。実績は財務省が月次で総額を、四半期ごとに実施日と金額を公表しています。
介入の噂やニュースに振り回されず、公式の数字を確認しながら、無理のない取引量で備えておきましょう。これからFXを始める方は、FXの始め方で流れを確認し、FXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
