当記事では、松井証券FXのリピート注文(自動売買)の仕組み、設定項目、パソコンとアプリでの設定手順を中心に解説します。あわせて、運用中の変更・停止の方法や、使うときの注意点も整理します。
松井証券の自動売買は、決めた価格の範囲の中で新規注文と決済注文を自動で繰り返す「リピート注文」です。全通貨ペアを1通貨から、手数料無料で使える一方で、相場が範囲の外へ動くと評価損が膨らみ、ロスカットされる可能性もあります。ボタン名は公式FAQの表記を基本にし、案内ページと違うところは両方を書いています。
松井証券FXのリピート注文(自動売買)とは?
まずは、リピート注文がどのような注文で、手動の取引と何が違うのかを確認しておきましょう。
決めた範囲で新規注文と決済注文を繰り返す注文
松井証券の公式FAQでは、自動売買(リピート注文)をあらかじめ設定した注文条件に基づいて、新規注文(リピート1次注文)と決済注文(リピート2次注文)をシステムが自動的に繰り返す注文機能と説明しています。注文の有効期限は「無期限」で、運用を止めるまで繰り返されます。
1回分の注文の形は、利益確定の値幅(益出し幅)だけを設定した場合はIFD注文、損切りの価格(運用停止ライン)も設定した場合はIFO注文と同じです。IFD・IFOの意味はFXの注文方法の記事で解説しています。
松井証券のリピート注文の基本条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 自動売買(リピート注文) |
| 取引単位 | 全通貨ペア1通貨から |
| 手数料 | 取引手数料・利用料ともに無料 |
| 対象通貨 | 全通貨ペア(32通貨ペア) |
| 利用条件 | FX口座の開設と、FX口座へのメールアドレスの登録 |
| 設定できる画面 | FXお客様サイト(パソコン)、FXアプリ、FXスマホサイト |
| 1グループの注文件数 | 100件まで |
| 注文の有効期限 | すべて「無期限」 |
※2026年10月14日時点・松井証券公式サイト「FX 取引ルール」「12.自動売買(リピート注文)」、よくあるご質問「FXの自動売買(リピート注文)とは何ですか。」より。
松井証券のFX全体の特徴やメリット・デメリットは、松井証券FXの評判の記事にまとめています。
リピート注文で設定する6つの項目と注文の流れ
リピート注文では、売買・注文レンジ・注文数量・注文値幅・益出し幅・運用停止ラインの6つを決めます。運用停止ラインは任意です(ほかにメモも任意で入力できます)。
6つの設定項目の意味
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 売買 | 新規注文を「買」と「売」のどちらで出すか |
| 注文レンジ | 新規注文と決済注文を出す価格の範囲(上限と下限) |
| 注文数量(通貨) | 1注文あたりの数量 |
| 注文値幅(pips) | 新規注文と新規注文の間隔 |
| 益出し幅(pips) | 新規注文の約定価格から、どれだけ離れた価格で決済注文を出すか |
| 運用停止ライン(任意) | 損切りの価格。到達するとそのグループの注文を取り消し、建玉を一括決済して運用を止める |
※2026年10月14日時点・松井証券 よくあるご質問「FXの自動売買(リピート注文)の発注方法(運用開始方法)を教えてください。」より。対円の通貨ペアは1.0pips=1銭です。
pipsは値動きの単位で、松井証券では対円の通貨ペアの1.0pipsは1銭です(pipsの意味と計算)。たとえば注文値幅200pipsは2円、益出し幅100pipsは1円の間隔になります。
公式FAQの例で注文の流れを確認
公式FAQでは、次の条件を例に説明しています。米ドル/円・買・注文レンジ130.00円〜135.00円・数量1万通貨・注文値幅200pips・益出し幅100pips・運用停止ラインなしという設定です。
- 設定すると、注文レンジの中に新規の買い注文(リピート1次注文)が3本出される
- 新規の買い注文が約定すると、その約定価格に益出し幅を加えた価格で決済の売り注文(リピート2次注文)が出される
- 決済注文が約定したあとも、運用を止めるまで新規注文と決済注文が自動的に繰り返される
決済注文の価格は、買いの場合は「新規注文の約定価格+益出し幅」、売りの場合は「新規注文の約定価格-益出し幅」で計算されます。新規注文と決済注文は、注文レンジの範囲内で出されます。
リピート注文を始める前の準備
設定の前に、口座・メールアドレス・資金の3つを準備しておきましょう。
FX口座の開設とメールアドレスの登録
リピート注文を使うには、FX口座の開設と、FX口座へのメールアドレスの登録が必要です。メールアドレスは、FXお客様サイトの【ホーム】-【通知設定】-「メール通知」、またはFXアプリから登録します。口座がまだない方は、松井証券FXの口座開設のやり方を参考に、先に口座を開設しておきましょう。
FX口座へは直接入金できないため、総合口座に入金してからFX口座へ振り替えます。振替の操作は松井証券FXアプリの使い方で解説しています。
必要な資金は「必要証拠金+評価損に備える証拠金」
松井証券は、自動売買に必要な資金を①必要証拠金と②ロスカットに備えた証拠金の合計と説明しています。反対方向に価格が動いても新規注文が約定していき、評価損が膨らむことがあるためです。
公式ページの例(レバレッジ25倍・米ドル/円・101円・100円・99円で100通貨ずつ買った場合)を、当サイトで計算し直すと次のとおりです。
| 買った価格 | 必要証拠金(価格×100通貨×4%) | 99円まで下がったときの評価損 |
|---|---|---|
| 101円 | 404円 | -200円 |
| 100円 | 400円 | -100円 |
| 99円 | 396円 | 0円 |
| 合計 | 1,200円 | -300円 |
※松井証券公式サイト「自動売買に必要な資金」の例1より(取引内容を簡略化した例で、スプレッドやスワップポイントは含みません)。
この例では、公式ページは最低限の必要資金を1,500円(必要証拠金1,200円+評価損300円)としています。99円より下がると、3つの買いの建玉の評価損は1円下がるごとに300円ずつ増えるため、1,500円ちょうどでは余裕がありません。公式ページは、レンジ内の値動きでも、評価損やスワップの支払いなどによってロスカットが執行される場合があるとしています。
リピート注文の設定のやり方(パソコン・アプリ)
リピート注文は、FXお客様サイト(パソコン)、FXアプリ、FXスマホサイトから設定できます。以下はパソコンとアプリの流れです。
手順1:自動売買注文の画面を開いて通貨ペアを選ぶ
パソコンの場合は、FXお客様サイトの【注文】-「自動売買注文」を開き、プルダウンメニュー(▼)で取引する通貨ペアを選びます。FXアプリの場合は、ログイン後に画面下の「注文」→「自動売買注文」をタップします。
手順2:6つの項目を入力する
売買、注文レンジ、注文数量(通貨)、注文値幅(pips)、益出し幅(pips)、運用停止ライン(任意)を入力します。注文値幅と益出し幅には通貨ペアごとに下限があり、ハンガリー/円は0.1pips、ランド/円・トルコ/円・メキシコペソ/円は3pips、ポーランド/円・ノルウェー/円・スウェーデン/円・人民元/円は5pips、そのほかの通貨は10pipsです。
パソコンの画面では、注文レンジと運用停止ラインが右側のチャートに表示されますが、チャート上で設定することはできません。入力が終わったら、パソコンは「確認画面へ」(公式の案内ページでは「注文確認」ボタン)、アプリは「注文確認」を押します。
手順3:確認画面で必要証拠金の目安を確認する
確認画面では、レンジ内で出される新規注文の合計件数・合計数量・平均価格・必要証拠金目安・発注後口座維持率目安と、各注文の内容が表示されます(パソコンの場合)。新規注文は最大100件までです。必要証拠金の目安と発注後の維持率を見て、資金に余裕があるかを確かめましょう。
手順4:「注文する」を押して運用を始める
内容に問題がなければ「注文する」(パソコン向けの公式の案内ページでは「注文」ボタン)を押すと、運用が始まります。新規注文は、発注した時点のレートとの位置関係で、自動的に指値注文か逆指値注文として出されます。逆指値注文にはスリッページの設定がされていますが、その幅は変更できません。
※2026年10月14日時点・松井証券 よくあるご質問「FXの自動売買(リピート注文)の発注方法(運用開始方法)を教えてください。」、公式サイト「自動売買の注文方法(PCをご利用の方)」「同(スマートフォンをご利用の方)」より。パソコンのボタン名は、よくあるご質問では「確認画面へ」「注文する」、案内ページでは「注文確認」「注文」と表記が分かれています。アプリは案内ページで「注文確認」→「注文する」、運用中の変更・停止は「設定照会」の「個別設定」と案内しています。画面が違うときは、口座をお持ちの方向けのFXサポート(0120-937-252・月〜金7:00〜24:00)で確認できます。
運用中の確認・変更・停止・再開の方法
運用を始めたあとは、「自動売買設定照会」で状況を確認し、必要に応じて設定を変えたり止めたりします。パソコンはFXお客様サイトの【決済・照会】-【自動売買設定照会】、アプリは画面下の「注文」→「自動売買注文」または「マイページ」→「自動売買設定照会」から開きます。
変更できる項目・できない項目
| 項目 | 変更 | 変更したときの扱い |
|---|---|---|
| 注文レンジ・注文値幅 | できない | — |
| 注文数量 | できる | 未約定の新規注文の数量が変わる(発注済みの決済注文は変わらない)。増やす場合は証拠金の余力が必要 |
| 益出し幅 | できる | 変更後に出される決済注文から適用 |
| 運用停止ライン | できる | 発注済みも含め、グループのすべての決済注文の損切り価格が変わる |
※2026年10月14日時点・松井証券「FX 取引ルール」の「自動売買注文の変更・取消」、よくあるご質問(益出し幅・運用停止ライン・数量の変更方法)より。
自動売買で出された個別の注文は取り消せません。すでに出ている決済注文(指値)は価格の変更や成行決済への変更ができ、新規注文と決済注文(逆指値)は個別に価格を変えられません。
運用を止める3つの方法
運用は注文グループごとに止められます。パソコンでは【自動売買設定照会】で「編集」→「運用停止する」を押し、次の3つから選んで「確認する」→「停止する」と進みます。アプリでは「自動売買設定照会」の「個別設定」から「運用停止」を選びます。
- 建玉・決済注文を残す:未約定の新規注文だけを取り消し、決済注文と建玉は残す
- 建玉は残し、全ての注文を取り消す:新規注文と決済注文を取り消し、建玉は残す
- 建玉を決済し、全ての注文を取り消す:注文を取り消したうえで、グループの建玉を一括決済する
建玉を残した場合、その建玉は自動売買ではない通常注文の建玉として残ります。決済は【建玉一覧】などから自分で行います。
自動で止まったときは「再開」の操作が必要
次の場合は、運用が自動的に止まります。松井証券が自動売買を再開することはないため、続けるには自分で「再開」の操作が必要です。
- リアルタイム維持率が設定しているロスカット率を下回った場合
- 追証が発生した場合(建玉・決済注文は残して運用終了)
- レートが運用停止ラインに到達し、損切りが確定した場合
- 異常レートによる約定取消などで、有効な自動売買注文がなくなった場合
パソコンでは、【自動売買設定照会】で「稼働状況」の「運用停止」にチェックを入れて検索し、「編集」→「運用を再開する」を押して、以前の運用実績を引き継ぐか、同じ設定値で新しく始めるかを選びます。証拠金の余力不足で個別の新規注文が出されなかった場合も、余力不足を解消してから「注文詳細」欄で個別注文の「再開」を押します。
松井証券のリピート注文を使うときの注意点
リピート注文は自動で注文を繰り返しますが、利益が出ることを保証する仕組みではありません。始める前に次の点を確認しておきましょう。
価格が反対方向へ動くと評価損が膨らみ、ロスカットの可能性がある
買いのリピート注文で価格が下がり続けると、新規の買い注文が次々に約定し、評価損が積み上がります。証拠金維持率が設定したロスカット率を下回ると、自動売買の建玉も含めてすべての建玉が強制決済されます。相場の急変時には、証拠金を上回る損失が出る可能性もあります。仕組みはロスカットの解説で確認しておきましょう。
縮小スプレッドは適用されない
リピート注文はすべて指値・逆指値(運用停止にともなう決済は一括決済)で出されるため、通常スプレッドが適用されます。成行注文などで一定の数量以内(米ドル/円は1,000通貨以内)に適用される縮小スプレッドの対象外です。自動売買のスプレッドは「各営業日AM9:00〜翌日3:00」の値(米ドル/円0.2pips、2026年10月5日広告掲載)で、それ以外の時間帯は広がる場合があります。
運用停止ラインはスリッページの判定がない
運用停止ラインに到達したときの決済は、スリッページの判定を行わないため、設定した価格から離れたレートで約定する可能性があります。週明けや経済指標の発表時に注意しましょう。
また、FXお客様サイトやFXアプリのスピード注文から行う「一括決済」「買建玉一括決済」「売建玉一括決済」の対象には、自動売買の建玉は含まれません。
レバレッジコースの変更には制限がある
アプリ向けの公式FAQは、自動売買の建玉も含めて建玉があるとロスカット率とレバレッジコースを変更できないとし、パソコン向けのFAQは余力が足りない場合は変更できないとしており、案内が分かれています(2026年10月14日時点)。コースは始める前に決めておくと安心です。
松井証券のリピート注文に関するよくある質問
いくらから始められますか?
全通貨ペアを1通貨から取引できるため、松井証券は「100円から自動売買」と案内しています。ただし、必要な金額は設定で変わり、最低限の金額では少しの値動きでロスカットされる可能性があります。
設定のおすすめや例はありますか?
合う設定は資金や相場の見通しで変わります。松井証券の公式ページ「自動売買の戦略」は、注文値幅を広くすると建玉と必要な証拠金は少なくて済み、狭くすると建玉が増えて証拠金も多く必要になると説明しています。益出し幅は、広くすると1回の利益は大きい一方で決済の機会が来にくく、狭くすると1回の利益は小さくなります。同じページでは「慣れるまで注文値幅は広め、益出し幅は小さめで」という考え方も紹介しています。前述の公式FAQの数字は仕組みを説明するための例で、推奨する設定ではありません。
リピート注文は儲かりますか?
利益が出るかどうかは相場の動きと設定しだいで、利益が出ることは保証されていません。リピート注文は、一定の範囲で上下する相場を前提にした仕組みです。松井証券の公式ページも、決済と反対の方向に価格が動くと一時的に評価損が増えるのは仕組み上当たり前と説明しています。範囲を外れて一方向に動き続けると評価損が膨らみ、ロスカットされる可能性があります。ほかの会社の自動売買は国内のFX自動売買の比較で比べています。
【まとめ】松井証券のリピート注文は仕組みと資金を確認しておこう
当記事では、松井証券FXのリピート注文(自動売買)の仕組みと、設定・変更・停止の手順をご紹介しました。決めた範囲で新規注文と決済注文を繰り返す注文で、全通貨ペアを1通貨から手数料無料で設定できます(2026年10月14日時点)。一方で、相場がレンジの外へ動くと評価損が膨らみ、ロスカットや追証で運用が止まることもあるため、必要証拠金と評価損に備えた資金を事前に確認しておきましょう。
ほかのFX会社の口座も比べたい方はFXおすすめアプリ・口座の比較を、スマホでの取引のしやすさで選びたい方はDMM FXの評判も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月14日時点のものです。
