スワップポイントとは、FXで売買する2つの通貨の金利差に相当する金額です。当記事では、スワップポイントの意味と金利差で決まる仕組み、付与のタイミング、計算方法を中心に解説します。あわせて、高金利通貨のリスクと税金の扱いも整理します。
ポジションを翌日に持ち越すと、口座にスワップポイントが加わったり、反対に差し引かれたりします。仕組みを知らないまま取引すると、思わぬ支払いに驚くこともあるため、最初に押さえておきましょう。
スワップポイントとは?2つの通貨の金利差に相当する金額
金融先物取引業協会による説明
金融先物取引業協会は、FXでは金利の異なる2つの通貨を売買しているため、買って保有する通貨の金利を受け取る権利がある一方、売った通貨の金利を支払う必要があると説明しています。そのうえで、一般的にはこの金利差に相当する金額をスワップポイントと呼ぶとしています。
たとえば米ドル/円を買うと、米ドルを買って円を売っている状態になります。このとき米ドルの金利を受け取り、円の金利を支払う、という考え方です。
高金利通貨を買えば受け取り、売れば支払いが基本
スワップポイントは、金利の高い通貨を買って低い通貨を売るポジションでは受け取り、反対のポジションでは支払いになるのが基本です。円の金利がほかの通貨より低い場合、「外貨/円」の通貨ペアは次のようになります。
| ポジション | 状態 | スワップポイント |
|---|---|---|
| 外貨/円の買い(ロング) | 高金利の外貨を買い、低金利の円を売る | 受け取り |
| 外貨/円の売り(ショート) | 高金利の外貨を売り、低金利の円を買う | 支払い |
※外貨の金利が円の金利より高い場合の一般的な例です。金利の水準によっては逆になることもあります。
買いと売りの意味はロングとショート(買いと売り)で解説しています。
受け取りと支払いの額は同じとは限らない
同じ通貨ペアでも、受け取るスワップポイントより支払うスワップポイントのほうが大きいことがあります。DMM FXは取引説明書で「支払いのスワップポイントと受取りのスワップポイントには差があり、また、売り建玉、買い建玉ともに支払いとなることもあります」としています(2026年10月時点・公式サイトより)。
一方で、受取額と支払額を同じにする「一本値」を採用している会社もあります。たとえば、みんなのFX・LIGHT FXは売り買いのスワップポイントを同額とし、GMOクリック証券(FXネオ)は「当面の間」全銘柄で一本値としています(2026年10月時点・各社公式サイトより)。
スワップポイントが決まる仕組み|金利差と日々の変動
金利差が大きいほどスワップポイントも大きくなる
金融先物取引業協会は、仮に円金利が1%、米ドル金利が5%のとき、米ドル/円を買って保有すると、差の4%(5%−1%)に相当する金額をスワップポイントとして受け取るという例を示しています。売りの場合は、同じ4%に相当する金額を支払います。
金利は通貨ごとに違うため、通貨ペアによってスワップポイントも変わります。協会は、高金利通貨と低金利通貨を組み合わせると金利差が大きくなり、スワップポイントも大きくなると説明しています。
金利が動けば毎日の金額も変わる・逆転もある
スワップポイントは固定された金額ではなく、金利の変化に応じて毎日変動します。協会は「金利変動リスク」として、市場金利の変化によって受け払いの方向が逆転することもあり、期待していたスワップポイントを受けられない場合もあると注意しています。
また、通貨ペアによっては必ずしも金利差を反映しない場合があり、とくに新興国通貨はインターバンク市場の需給や相場観の影響を受けやすいとされています。同じ通貨ペアでもFX会社ごとに金額が違うため、取引前に各社の公表値を確認しましょう。
出典:#8 スワップポイントについて(金融先物取引業協会)、FX取引に係る主なリスク(金融先物取引業協会)
スワップポイントの付与タイミングと受け取り方
ポジションを翌日に持ち越す「ロールオーバー」で発生する
スワップポイントは、保有するポジションを翌日以降に持ち越すときに発生します。この持ち越しをロールオーバーと呼び、協会によると通常はニューヨーク市場のクローズ時点(米国サマータイムの場合は日本時間で午前6時)の前後に行われます。米国の冬時間(標準時間)には1時間遅くなり、DMM FXの場合、2026年11月2日(月)からは午前7時に付与されます(2026年10月時点・公式サイトより)。
FXは原則として2営業日後を決済日とする取引のため、ロールオーバーする曜日によっては、1回で複数日分のスワップポイントが付くことがあります。たとえばDMM FXは「土曜日・日曜日のスワップポイントは、水曜日から木曜日にロールオーバーした場合、原則として木曜日に付与されます」としています(2026年10月時点・公式サイトより)。外為どっとコムも「水曜から木曜にポジションを保有した場合は、原則、翌月曜が『受渡日』になります」と説明し、ヒロセ通商(LION FX)は木曜日の朝に前もって3日分、SBI FXトレードは土日・祝日の分を事前にまとめて付与するとしています(2026年10月14日確認)。祝日で日数が変わる日もあるため、付与日数は各社のスワップカレンダーで確認しましょう。
反対に、その日のうちに決済したポジションには、スワップポイントは発生しません。
主なFX会社の付与タイミング(2026年10月時点)
| FX会社 | 付与のタイミング(公式の案内) |
|---|---|
| DMM FX | 営業日の切り替え時(夏時間:午前6時、冬時間:午前7時) |
| 松井証券 | 取引終了後のメンテナンス終了時刻(夏時間6:10、冬時間7:10)以降 |
| GMOクリック証券(FXネオ) | ニューヨーククローズを迎えると余力に発生(現金として授受できるのはニューヨーククローズ後1時間程度) |
| 楽天FX | 各営業日の終了時(メンテナンスに入る時間)。実際の受け渡しは発生日の翌営業日 |
| SBI FXトレード | 各営業日の取引終了時点(夏時間:5時30分、冬時間:6時30分)。土日や祝日の分は事前にまとめて付与 |
| LIGHT FX | 毎営業日のマーケットクローズ時(米国夏時間AM5:50、米国標準時間AM6:50) |
※2026年10月13日時点・各社公式サイトより。2026年11月2日(月)から米国冬時間になり、時刻が1時間遅くなります(DMM FXの案内)。
協会も「FX業者によってスワップポイントが付与されるタイミングは異なります」としています。取引時間の夏時間・冬時間はFXの取引時間もあわせて確認しましょう。
受け取りは「決済時」「スワップ振替」「日々の受け渡し」の3通り
付与されたスワップポイントを実際にお金として受け取る方法は、ポジションを決済するときにまとめて受け取るか、決済せずにスワップポイントだけを受け取るかの2つが基本です。後者を、DMM FX・松井証券・外為どっとコムは「スワップ振替」と呼んでいます。
もう1つ、決済を待たずにスワップポイントが日々受け渡される会社もあります。GMOクリック証券(FXネオ)はニューヨーククローズ後の反映処理が終わると現金として授受でき、楽天FXは発生日の翌営業日に受け渡されると案内しています(2026年10月時点・公式サイトより)。受け取り方の違いは、後述する税金の扱いにも関わります。
ただし、SBI FXトレードは「保有中建玉に対する付与スワップポイントのみを指定して出金することはできません」としているなど、対応は会社ごとに違います(2026年10月時点・公式サイトより)。
スワップポイントの計算方法|受取額の計算例
計算式は「1万通貨あたりの額×数量×日数」
各社のスワップカレンダーは、多くが1万通貨(1Lot)あたりの1日分の金額で表示されています。受け取る(支払う)金額は、次の式で計算できます。
- スワップポイント=1万通貨あたりの額×(取引数量÷1万通貨)×日数
ただし、表示の単位は会社や通貨ペアによって違います。たとえばGMOクリック証券やSBI FXトレードは、南アフリカランド/円・メキシコペソ/円などを10万通貨あたりで表示しています。計算の前に、表示が何通貨あたりかを必ず確認しましょう。取引数量の単位はロットとはで解説しています。メキシコペソ/円などのスワップポイントを各社で比べたい方は、スワップポイント比較を参考にしてください。
計算例:米ドル/円を1万通貨買った場合
DMM FXのスワップカレンダーでは、米ドル/円の2026年10月13日受取分は、1Lot(1万通貨)あたり買い「120」円・売り「-123」円でした(付与日数1日)。この金額が続いたと仮定して計算すると、次のようになります。
| 保有期間 | 1万通貨の買い | 1万通貨の売り |
|---|---|---|
| 1日 | +120円 | −123円 |
| 30日 | +3,600円 | −3,690円 |
| 365日 | +43,800円 | −44,895円 |
※DMM FX 米ドル/円・2026年10月13日受取分(1Lot=1万通貨・1日分)をもとにした計算例です。スワップポイントは日々変動するため、実際の受取額・支払額とは異なります。スプレッドや為替差損益は含めていません。
最新の金額は、各社のスワップカレンダーで確認できます。
為替の値動きと比べると金額の大きさが分かる
スワップポイントは、為替レートの値動きによる損益と比べると小さいことがあります。米ドル/円を1万通貨買っている場合、レートが1円動くと損益は1万円です。
上の例の1日120円で考えると、1円の値下がりによる1万円の損失は、約83日分のスワップポイントに相当します(仮に同じ額が続いた場合の計算)。スワップポイントだけを見て取引を決めないことが大切です。
高金利通貨のスワップポイントのリスク
スワップポイントの大きい高金利通貨(新興国通貨など)は魅力的に見えますが、次のようなリスクがあります。
為替差損がスワップポイントを上回ることがある
高金利通貨で最も注意したいのは、受け取ったスワップポイント以上に為替レートが下がり、トータルで損失になることです。金融先物取引業協会は、新興国通貨は高いスワップポイントや値上がりが期待できる一方で、新興国特有のリスクがあると説明しています。
仮の数字で計算してみます。1通貨=10円の高金利通貨を10万通貨(取引額100万円)買い、1日あたり150円のスワップポイントを1年間受け取ったとします。
| 項目 | 金額(仮の数字) |
|---|---|
| 1年間のスワップポイント | 150円×365日=+54,750円 |
| レートが10円→9円に下がった場合の為替差損 | (9円−10円)×10万通貨=−100,000円 |
| 合計 | −45,250円 |
※説明用の仮の数字です。実在の通貨ペア・FX会社の金額ではありません。スワップポイントが1年間同じ額だったと仮定し、スプレッドは含めていません。
この例では、レートが1割下がっただけで、1年分のスワップポイントを上回る損失になります。
スワップポイントが減る・支払いに変わることがある
前述のとおり、スワップポイントは金利の変化によって減ったり、受け取りから支払いに変わったりすることがあります。SBI FXトレードも「金利情勢によってはプラスのスワップポイントがマイナスになったり、マイナスがプラスになる場合があります」と注意しています(2026年10月時点・公式サイトより)。
長く保有するつもりで始めても、前提だった金額が続くとは限りません。保有中も各社のスワップカレンダーを定期的に確認しましょう。
レバレッジを上げるとロスカットのリスクも高まる
スワップポイントを増やそうとして取引量を増やすと、実質レバレッジが上がり、小さな値下がりでもロスカットされやすくなります。協会は、相場の急変時にはロスカットが十分に機能せず、預けた証拠金以上の損失が発生することがあると説明しています。
レバレッジの計算はレバレッジとは、ロスカットの仕組みはFXのロスカットとはで解説しています。
スワップポイントの税金の扱い
国税庁によると、第一種金融商品取引業者などを相手方とする店頭FX取引の差金等決済による所得は、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15パーセント(他に地方税5パーセント)の税率で課税される申告分離課税の対象です。このほかに復興特別所得税がかかり、令和9年分以後は防衛特別所得税もあわせて課されます。
国税庁のタックスアンサー No.1521には、スワップポイントについての直接の記載はありません。国税庁が公開しているさいたま地方裁判所の判決(平成25年12月25日)は、スワップポイントの受け渡しが決済時に行われる取引について、建玉を反対売買で決済した時に「収入の原因となる権利が確定する」と判断しました。この判断は東京高等裁判所(平成26年7月2日)でも維持され、最高裁判所(平成26年12月18日)で確定しています(国税庁 税務訴訟資料264号)。
FX会社の案内も、受け取り方によって分かれています。外為どっとコムはスワップ振替で「振り替えられた金額は、確定益金であり、売買差益と同様に申告分離課税の対象」、SBI FXトレードは「個人口座の場合、決済していないポジションの評価損益やスワップポイントは、課税対象とはなりません」としています。一方、日々受け渡すGMOクリック証券は「FXネオ取引はスワップポイントの受払いが日々発生するため原則、受払いのあったスワップはすべて課税対象となります」としています(2026年10月時点・各社公式サイトより)。決済していなくても課税対象になる場合があるため、取引している会社の案内を確認しましょう。
税率の内訳や確定申告が必要になる条件は、FXの税金はいくら?で詳しく解説しています。
出典:No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係(国税庁)
【まとめ】スワップポイントの仕組みを理解して無理のない取引をしよう
当記事では、スワップポイントの意味と受け取り・支払い、金利差で決まる仕組み、付与のタイミングと受け取り方、計算方法、高金利通貨のリスク、税金の扱いをご紹介しました。スワップポイントは2つの通貨の金利差に相当する金額で、ポジションを翌日に持ち越すと毎日受け取ったり支払ったりします。金額は日々変わり、為替差損がスワップポイントを上回ることもあります。
まずは取引したい通貨ペアのスワップカレンダーを見て、少額で付与のされ方を確かめてみましょう。FX会社選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
