最終更新:2026年10月18日
当記事では、スイスフランの政策金利(SNB政策金利)の最新値と直近の決定、これまでの推移、今後の発表日程と日本時間を中心に解説します。あわせて、SNBの為替介入の姿勢やスイスフラン円との関係、発表前後の注意点も整理します。
スイスの政策金利は、スイスの中央銀行であるSNB(スイス国立銀行)が年4回の金融政策評価(金融政策を決める定例の会合)で決めており、2026年10月18日時点では0%です。スイスは2015年から2022年までマイナス金利を続けた国でもあり、その後の動きも含めて確認していきましょう。
スイスフランの政策金利の最新値は0%【2026年9月24日決定】
ここでは、直近の決定内容をSNBの公表文をもとに整理します。
2026年9月24日は0%で据え置き
SNBは2026年9月24日の金融政策評価で、SNB政策金利を0%で据え置くことを決めました。0%は2025年6月20日から続いている水準で、据え置きは5回連続です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決定日(公表日) | 2026年9月24日(木) |
| 決定内容 | SNB政策金利を据え置き |
| 政策金利 | 0% |
| 最後に変更した日 | 2025年6月19日(0.25%→0%、6月20日から適用) |
| 為替市場について | 必要に応じて為替市場で行動する用意がある |
| 次回の金融政策評価 | 2026年12月10日(木) |
※2026年10月18日時点。
出典:SNB「Monetary policy assessment of 24 September 2026」/SNB「The SNB’s monetary policy decisions」
物価上昇率は0.8%に上がったが、物価安定の範囲内と説明
声明は、6月以降に物価上昇率がさらに上がった主な理由をエネルギー価格の上昇としています。スイスの消費者物価の上昇率は5月の0.6%から8月は0.8%に上がり、モノの価格の上昇率が2024年5月以来初めてプラスになりました。
そのうえで、中期的な物価上昇の圧力はわずかに高まったにとどまり、今の金融政策は適切だと説明しています。
SNBの条件付きインフレ予測(政策金利が0%のまま続くと仮定した見通し)は、2026年0.7%・2027年0.8%・2028年0.8%で、6月の予測(0.6%・0.6%・0.7%)より少し上がりました。2026年のスイスの成長率は1.5〜2%と見込んでいます。
出典:SNB「Monetary policy assessment of 24 September 2026」/SNB「Monetary policy assessment of 18 June 2026」
会見ではスイスフランが約3%下落したことにも触れた
決定後の記者会見で、シュレーゲル議長は、前回の6月以降に、スイスフランが主な貿易相手の通貨に対する平均(貿易加重ベース)で約3%下落したと説明しました。主要な通貨圏との金利差の拡大に沿った動きだとしています。
また、必要であれば金融政策を調整し、為替市場にも必要に応じて介入する用意があると述べています。
出典:SNB「Introductory remarks, news conference」(2026年9月24日)/SNB「Time schedule」
SNB(スイス国立銀行)とは?政策金利を決める仕組み
ここでは、SNBの役割と政策金利の決め方を解説します。
SNBはスイスの中央銀行で、目的は物価の安定
SNB(Swiss National Bank)は、スイスの中央銀行で、日本でいう日本銀行にあたる組織です。法律により、景気の動きに配慮しながら物価の安定を確保することが任務とされています。
SNBは物価の安定を、消費者物価の上昇率が年2%未満であることと定めています。物価が下がり続けるデフレも物価の安定に反するとしています。日本銀行の「2%の物価安定の目標」とは考え方が少し違います。
出典:SNB「The SNB’s monetary policy strategy」/SNB「Introductory remarks, news conference」
政策金利は「SNB政策金利」
スイスの政策金利は「SNB政策金利(SNB policy rate)」と呼ばれ、2019年6月13日に導入されました。それまでは3か月物Libor(銀行間金利)の目標レンジで金融政策を示していました。
銀行がSNBに置いているお金(当座預金)には、一定額までは政策金利が付き、それを超える分は0.25%ポイント低い金利になる仕組みです。
出典:SNB「Monetary policy assessment of 13 June 2019」/SNB data portal「Official interest rates」
年4回の金融政策評価で、理事会が決める
SNBは3月・6月・9月・12月の年4回、金融政策評価を行います。決めるのは理事会(Governing Board)で、2026年10月時点の議長はマルティン・シュレーゲル氏です。必要があれば、定例の日以外に政策を変えることもあるとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決める組織 | 理事会(議長・副議長・理事の3人) |
| 回数 | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
| 結果の公表 | プレスリリースの後に記者会見(時刻は日程の章を参照) |
| あわせて公表 | 今後3年間の条件付きインフレ予測 |
| 議論の要旨 | 決定の4週間後に公表(2025年9月分から) |
※2026年10月18日時点。
出典:SNB「The SNB’s monetary policy decisions」/SNB「The SNB’s monetary policy strategy」/SNB「Time schedule」
スイスフランの政策金利の推移【マイナス金利から0%まで】
ここでは、マイナス金利の導入を決めた2014年12月からの主な決定を一覧にします。
2014年12月〜2026年9月の主な決定一覧
政策金利(2019年6月より前は当座預金の金利)の推移は次のとおりです。2015年1月から2022年9月まで約7年8か月、マイナス金利でした。表は金融政策評価のたびに先頭へ追記していきます。
| 決定日 | 内容 | 政策金利 |
|---|---|---|
| 2026年9月24日 | 据え置き | 0% |
| 2025年9月25日〜2026年6月18日(4回) | 据え置き | 0% |
| 2025年6月19日 | -0.25% | 0% |
| 2025年3月20日 | -0.25% | 0.25% |
| 2024年12月12日 | -0.5% | 0.5% |
| 2024年9月26日 | -0.25% | 1.0% |
| 2024年6月20日 | -0.25% | 1.25% |
| 2024年3月21日 | -0.25% | 1.5% |
| 2023年6月22日 | +0.25% | 1.75% |
| 2023年3月23日 | +0.5% | 1.5% |
| 2022年12月15日 | +0.5% | 1.0% |
| 2022年9月22日 | +0.75%(マイナス金利を終了) | 0.5% |
| 2022年6月16日 | +0.5% | -0.25% |
| 2019年6月13日 | SNB政策金利を導入 | -0.75% |
| 2015年1月15日 | -0.5%(最低為替相場を廃止) | -0.75% |
| 2014年12月18日 | マイナス金利の導入を決定(-0.25%の予定。実施前に-0.75%へ変更) | ― |
※2026年10月18日時点。2022年6月以降の変更は決定の翌日から適用(2015年1月15日の決定は2015年1月22日から適用。2014年12月に決めた-0.25%は実施前に変更されたため適用されていません)。2023年9月・12月は1.75%で据え置き。SNBの公表文とデータポータルをもとに作成。
出典:SNB「The SNB’s monetary policy decisions」/SNB data portal「Official interest rates」
マイナス金利の始まりと終わり、その後の利下げ
SNBは2014年12月18日、当座預金に-0.25%の金利を課すマイナス金利の導入を決めました(2015年1月22日から課す予定でした)。声明は、安全な投資先への需要が高まるなか、フランで資産を持つ魅力を下げる狙いを説明しています。
ところが実施前の2015年1月15日に金利を-0.75%に下げ、同じ日に最低為替相場(1ユーロ=1.20スイスフラン)の維持をやめました。このため、実際のマイナス金利は2015年1月22日に-0.75%で始まり、2022年9月22日の利上げで0.5%になるまで続きました。2025年6月19日の0%への利下げでは、物価上昇の圧力が前の四半期より弱まったことを理由に挙げています。
出典:SNB「Swiss National Bank introduces negative interest rates」(2014年12月18日)/SNB(2015年1月15日)/SNB(2022年9月22日)/SNB(2025年6月19日)
SNBの為替介入の姿勢【声明の文言】
ここでは、SNBが声明で為替市場への介入についてどう書いているかを整理します。SNBは為替レートを、金利とならぶ金融環境(金利や為替レートを合わせた、お金の借りやすさ・使いやすさ)の決め手と位置づけています。
2026年9月は「介入の用意が高まった」の表現がなくなった
SNBは毎回の声明で、為替市場への姿勢を一文で示しています。2026年3月と6月は中東情勢を背景に「介入の用意が高まった」と書いていましたが、9月は、適切な金融環境を確保するために必要に応じて為替市場で行動する用意がある、という表現になっています。直近の文言は次のとおりです。
| 決定日 | 声明の為替市場についての文言(要旨) |
|---|---|
| 2026年9月24日 | 適切な金融環境を確保するため、必要に応じて為替市場で行動する用意がある |
| 2026年6月18日 | 必要なら為替市場に介入する用意が高まっている。急激で過度なフラン高に対抗する |
| 2026年3月19日 | 中東の紛争を受けて介入の用意が高まった。急激で過度なフラン高に対抗する |
| 2025年9月25日・12月11日 | 引き続き必要に応じて為替市場で行動する用意がある |
※各回の声明(英語)を編集部で要約。
この文言は介入の実施を示すものではなく、今後の介入の有無や規模を示すものでもありません。
出典:SNB(2026年9月24日)/SNB(2026年6月18日)/SNB(2026年3月19日)/SNB(2025年12月11日)/SNB(2025年9月25日)
SNBがフラン高に注意を払う理由
SNBは、スイスフランの上昇は物価上昇と景気を抑えると説明しています。物価上昇率がもともと低いスイスでは、急なフラン高が物価の安定を損なうおそれがあるという考え方です。日本の為替介入(財務省が実施)の仕組みは為替介入とはで解説しています。
出典:SNB「The SNB’s monetary policy strategy」
SNBの発表日程と日本時間【2026年〜2027年】
ここでは、SNBの金融政策評価の日程と、日本時間の発表時刻を整理します。
発表は日本時間17時30分(夏時間は16時30分)
SNBは結果をスイス時間9時30分のプレスリリースで公表し、10時から記者会見を開きます。スイスは欧州と同じく3月最終日曜日から10月最終日曜日までが夏時間で、2026年の夏時間は10月25日(日)に終わります。
| 期間 | スイスの時間帯 | 日本との時差 | 発表時刻(日本時間) |
|---|---|---|---|
| 3月最終日曜〜10月最終日曜 | 夏時間(UTC+2) | 日本より7時間遅い | 16時30分 |
| 上記以外 | 標準時(UTC+1) | 日本より8時間遅い | 17時30分 |
出典:SNB「Time schedule」/スイス連邦計量研究所(METAS)「Schweizer Zeit」
2026年の残りは12月10日の1回
2026年の金融政策評価は、12月10日(木)の1回を残すだけです。
| 予定 | 日付 | 日本時間 |
|---|---|---|
| 9月の議論の要旨 | 2026年10月22日(木) | 16時30分 |
| 金融政策評価(次回) | 2026年12月10日(木) | 17時30分(会見は18時) |
| 12月の議論の要旨 | 2027年1月7日(木) | 17時30分 |
※2026年10月18日時点。日本時間はスイス時間9時30分(会見10時)と夏時間の期間から算出。日程は変更される場合があります。
2027年の日程
2027年の日程も公表されています。いずれも木曜日です。
| 金融政策評価 | 発表時刻(日本時間) |
|---|---|
| 2027年3月18日(木) | 17時30分 |
| 2027年6月24日(木) | 16時30分 |
| 2027年9月23日(木) | 16時30分 |
| 2027年12月16日(木) | 17時30分 |
※2027年の夏時間は3月28日〜10月31日(いずれも日曜日)として算出。
日米の政策金利の最新値は政策金利とは、ほかの主な指標の日程は経済指標とはにまとめています。
スイスフラン円と政策金利・スワップポイントの関係
ここでは、政策金利とスイスフラン円・スワップポイントの関係を一般論として解説します。
金利は為替を動かす要因の1つだが、金利だけで方向は決まらない
金融先物取引業協会は、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上昇することが考えられると説明しています。ただし、スイスフラン円は日本側の金融政策や世界の市場心理でも動くため、政策金利だけで方向は決まりません。
また、事前に広く予想された決定では、発表後の反応が小さいこともあります。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」/SNB「Introductory remarks, news conference」
スイスフランは「安全資産」と呼ばれることがある
スイスフランは、世界の先行きが不安なときに買われることがあるとして、「安全資産」と呼ばれることがあります。SNBも解説ページで、過去15年のフラン高の理由の1つに、世界の不確実性が高い時期の「安全な逃避先」としての評判を挙げています。
SNBは同じページで、ほかの理由として、世界金融危機の後に多くの中央銀行が金利を大きく下げ、スイスとの金利差が縮んだことでフランの魅力が増したことも挙げています。ただし、不安が高まった場面でいつもフラン高になるとは限りません。
出典:SNB「What determines the Swiss franc exchange rate?」
2026年10月時点ではスイスの政策金利のほうが日本より低い
2026年10月18日時点で、スイスの政策金利は0%、日本の政策金利は1.25%程度で、日本のほうが1.25%ポイントほど高い状態です。日本銀行は2026年9月18日の会合で政策金利を1.25%程度に引き上げています(9月24日から適用)。
| 国・中央銀行 | 政策金利 | 直近の決定 | 次回の予定 |
|---|---|---|---|
| スイス(SNB) | 0% | 2026年9月24日(据え置き) | 2026年12月10日 |
| 日本(日本銀行) | 1.25%程度 | 2026年9月18日(利上げ) | 2026年10月29日・30日 |
※2026年10月18日時点。
スワップポイントは、買った通貨と売った通貨の金利差に相当する金額です(金融先物取引業協会)。一般に、金利の低い通貨を買って金利の高い通貨を売ると支払いになるため、スイスフラン円の買いでスワップポイントを支払う場合があります。金額は会社ごと・日ごとに異なり、受け払いの向きが変わることもあります。
当記事は値動きの予想や売買の推奨をするものではありません。仕組みはスワップポイントとは、各社の比べ方はスワップポイント比較、円の動きの基本は円安・円高とはで確認できます。
出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)/金融先物取引業協会「学ぼう!FX #8 スワップポイントについて」/金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
SNBの発表前後の取引で注意したいこと
SNBの発表は日本の夕方です。金融先物取引業協会は、重要な経済指標の発表の前後などは、スプレッドが平時より広がっている場合があると説明しています。2015年1月の最低為替相場の廃止のように、定例日以外に大きな決定が出たこともあります。
| 確認しておきたいこと | 理由 |
|---|---|
| 発表時刻(16時30分か17時30分か) | 欧州の夏時間で1時間ずれるため |
| 取引量とロスカットの水準 | 急な値動きで想定より大きな損失につながることがあるため |
また、協会は、レバレッジの効果で預けた証拠金のすべてを失う、あるいはそれを上回る損失が発生する可能性もあると説明しています。スプレッドの仕組みはスプレッドとは、強制決済の仕組みはロスカットとは、レバレッジのリスクはレバレッジとはで解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #7 スプレッド、手数料について」/金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
【まとめ】スイスフランの政策金利とSNBの日程を確認しよう
当記事では、スイスフランの政策金利の最新値と推移、SNBの為替介入の姿勢、発表日程と日本時間をご紹介しました。2026年10月18日時点の政策金利は0%で、次回の決定は12月10日(木)の日本時間17時30分に発表される予定です。
政策金利と声明の文言の変化が分かると、スイスフランのニュースが読みやすくなります。ほかの中央銀行の政策金利はECBの政策金利、ポンドの政策金利や豪ドルの政策金利で確認できます。これからFXを始める方はFXの始め方で全体の流れをつかみ、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月18日時点のものです。

コメント