最終更新:2026年10月13日
政策金利とは、中央銀行が金融政策を運営するうえで誘導の目標にする短期の金利です。当記事では、日本と米国の現在の政策金利、政策金利と為替・スワップポイントの関係、過去の推移を中心に解説します。あわせて、発表前後の取引の注意点も整理します。
日本銀行やFRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を変えると、通貨の金利差が変わり、為替レートやFXのスワップポイントにも影響します。米ドル/円を取引するなら、まず日米の現在の水準と次の会合日を押さえておきましょう。
日米の政策金利の最新値(2026年10月13日時点)
2026年10月13日時点で、日本の政策金利は1.25%程度、米国の政策金利は3.75〜4.00%です。どちらも2026年9月の会合で0.25%ずつ引き上げられました。
| 項目 | 日本(日本銀行) | 米国(FRB・FOMC) |
|---|---|---|
| 政策金利 | 無担保コールレート(オーバーナイト物) | フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 |
| 現在の水準 | 1.25%程度 | 3.75〜4.00% |
| 直近の決定 | 2026年9月18日(0.25%引き上げ) | 2026年9月16日(0.25%引き上げ) |
| 適用・発表 | 2026年9月24日から適用 | 米東部夏時間午後2時発表(日本時間9月17日午前3時) |
| 次回の会合 | 2026年10月29日・30日 | 2026年10月27日・28日 |
※日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)、FRB「Federal Reserve issues FOMC statement」(2026年9月16日)、両者の会合日程より。2026年10月13日時点。
日本:2026年9月18日に1.25%程度へ引き上げ
日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことを決めました(賛成7・反対2)。新しい方針は翌営業日の9月24日から適用されています。
出典:金融市場調節方針の変更について(日本銀行・2026年9月18日)
米国:2026年9月16日に3.75〜4.00%へ引き上げ
FRBのFOMC(連邦公開市場委員会)は2026年9月16日、FF金利の誘導目標を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%にすると発表しました(賛成12・反対0)。2026年1月〜7月の会合では3.50〜3.75%で据え置かれていました。
出典:Federal Reserve issues FOMC statement(FRB・2026年9月16日)
日米の政策金利の差は2.5〜2.75%
2つの数字を単純に比べると、日米の政策金利の差は2.5〜2.75%(米国のほうが高い)です。9月の両会合の前(日本1.0%程度、米国3.50〜3.75%)と同じ幅です(米国の引き上げが日本の適用日より先だったため、2026年9月17日〜23日は一時的に2.75〜3.0%でした)。会合の結果はこの表に追記して更新します。
※米国の誘導目標3.75〜4.00%から日本の1.25%を引いた単純な差です。実際の市場金利やスワップポイントとは一致しません。
政策金利とは?日本銀行とFRBが決める金利
日本の政策金利は「無担保コールレート(オーバーナイト物)」
日本銀行は、2024年3月から政策金利を無担保コールレート(オーバーナイト物)としたうえで、金融市場調節方針でその誘導目標を定めていると説明しています。無担保コールレートは、金融機関同士が担保なしで資金を貸し借りし、翌営業日に返すときの金利です。
政策金利を決めるのは、日本銀行の金融政策決定会合です。会合は年8回、各2日間開かれ、終了後すぐに決定内容が公表されます。
出典:金融市場調節方針の変遷を教えてください(日本銀行)/金融政策決定会合とは何ですか?(日本銀行)
米国の政策金利は「FF金利の誘導目標(レンジ)」
FRBによると、FF金利は預金取扱機関が連銀に持つ資金を、ほかの預金取扱機関に翌日物で貸すときの金利です。FOMCは年8回の定例会合で、この金利の誘導目標を「3.75〜4.00%」のような幅で決めています。
出典:Federal Open Market Committee(FRB)
利上げ・利下げが景気と物価に与える影響
日本銀行は、金利が下がると企業や個人がお金を借りやすくなって景気を上向かせ、金利が上がると景気の過熱が抑えられると説明しています。前者を金融緩和政策、後者を金融引締め政策と呼びます。
物価が上がりすぎているときは利上げ、景気を支えたいときは利下げ、というのが基本的な考え方です。会合の詳しい日程と結果は、日銀会合とFOMCの記事でも追っています。
▶ 関連記事:日銀金融政策決定会合とは/FOMCとは
出典:金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか?(日本銀行)
政策金利と為替レートの関係
FRBも「FF金利の変更は為替レートに影響する」と説明
FRBは、FF金利の変更が、ほかの短期金利や為替レート、長期金利などに連鎖的に影響し、最終的には雇用や物価にも及ぶと説明しています。政策金利は、為替が動く大きな材料のひとつです。
金利が上がった通貨に買いが集まる、という考え方
金融先物取引業協会は、物価が上がると金利を引き上げようとし、その結果、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上昇することが考えられると説明しています。たとえば米国の金利が日本より高ければ、金利の高い米ドルを持ちたい人が増える、という考え方です。
為替は金利だけでは決まらない
ただし協会は、為替相場を動かす要因としてファンダメンタルズ・政治・市場心理・地政学の4つを挙げています。金利差が広がっても、ほかの要因で逆に動くことは珍しくありません。政策金利だけを見て売買を決めないことが大切です。
円安が進む理由は円安の理由で整理しています。
日米の金利差とスワップポイントの関係
スワップポイントは2つの通貨の金利差に相当する金額
金融先物取引業協会は、FXでは買って保有する通貨の金利を受け取り、売った通貨の金利を支払うため、この金利差に相当する金額をスワップポイントと呼ぶと説明しています。円金利1%・米ドル金利5%なら、米ドル/円の買いで差の4%に相当する額を受け取る、という例です。
| ポジション(米ドル/円) | 米国の金利が日本より高い場合 |
|---|---|
| 買い(米ドルを買って円を売る) | スワップポイントを受け取るのが基本 |
| 売り(米ドルを売って円を買う) | スワップポイントを支払うのが基本 |
※協会の説明にもとづく一般的な例です。実際の金額はFX会社ごとに異なり、日々変動します。
政策金利が変わるとスワップポイントも変わる
協会は「金利変動リスク」として、金利の変動要因には政策金利の変更があり、スワップポイントは市場金利に応じて変動し、受け払いの方向が逆転することもあると説明しています。日本の利上げで日米の差が縮めば、米ドル/円の買いで受け取るスワップポイントは小さくなる方向に働きます。
具体的な計算や各社の付与タイミングはスワップポイントとはで解説しています。
日米の政策金利の推移(公式の表・公表文より)
日本の政策金利の推移(2024年以降)
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を含む金融政策の枠組みを見直し、2024年3月の0〜0.1%程度から、2026年9月の1.25%程度まで段階的に引き上げています。
| 決定日 | 無担保コールレート(O/N)の誘導目標 | 適用日 |
|---|---|---|
| 2024年3月19日 | 0〜0.1%程度 | 2024年3月21日 |
| 2024年7月31日 | 0.25%程度 | 2024年8月1日 |
| 2025年1月24日 | 0.5%程度 | 2025年1月27日 |
| 2025年12月19日 | 0.75%程度 | 2025年12月22日 |
| 2026年6月16日 | 1.0%程度 | 2026年6月17日 |
| 2026年9月18日 | 1.25%程度 | 2026年9月24日 |
※日本銀行の各回の公表文(金融市場調節方針に関する公表文 2024〜2026年)より、水準を変更した会合のみ掲載。2026年10月13日時点。
米国の政策金利の推移(2022年以降)
FRBの表によると、2022年3月から2023年7月にかけて5.25〜5.50%まで引き上げ、2024年9月から2025年12月にかけて3.50〜3.75%まで引き下げました。その後、2026年9月に3.75〜4.00%へ引き上げています。
| FRBの表の日付 | 変更幅 | 誘導目標 |
|---|---|---|
| 2022年3月17日 | +0.25% | 0.25〜0.50% |
| 2022年5月5日 | +0.50% | 0.75〜1.00% |
| 2022年6月16日 | +0.75% | 1.50〜1.75% |
| 2022年7月28日 | +0.75% | 2.25〜2.50% |
| 2022年9月22日 | +0.75% | 3.00〜3.25% |
| 2022年11月3日 | +0.75% | 3.75〜4.00% |
| 2022年12月15日 | +0.50% | 4.25〜4.50% |
| 2023年2月2日 | +0.25% | 4.50〜4.75% |
| 2023年3月23日 | +0.25% | 4.75〜5.00% |
| 2023年5月4日 | +0.25% | 5.00〜5.25% |
| 2023年7月27日 | +0.25% | 5.25〜5.50% |
| 2024年9月19日 | −0.50% | 4.75〜5.00% |
| 2024年11月8日 | −0.25% | 4.50〜4.75% |
| 2024年12月19日 | −0.25% | 4.25〜4.50% |
| 2025年9月18日 | −0.25% | 4.00〜4.25% |
| 2025年10月30日 | −0.25% | 3.75〜4.00% |
| 2025年12月11日 | −0.25% | 3.50〜3.75% |
| 2026年9月17日 | +0.25% | 3.75〜4.00% |
※FRB「Open Market Operations」の表(FOMC’s target federal funds rate or range)より。日付はFRBの表の記載どおりで、会合の決定日とは1日ずれることがあります(例:2026年9月16日の決定は表では9月17日)。2026年10月13日時点。
出典:Open Market Operations(FRB)
政策金利の発表前後のFX取引の注意点
発表の日時を公式の日程で確認しておく
日本銀行は会合の日程を原則として年央ごろに翌年分まで公表しており、FRBもFOMCの日程を公開しています。FOMCの声明は米東部時間の午後2時に発表されており、2026年9月の会合では日本時間の午前3時でした。寝ている間の値動きにも備えておきましょう。
| 会合 | 2026年の残りの日程 | 2027年の最初の日程 |
|---|---|---|
| 日本銀行 金融政策決定会合 | 10月29日・30日、12月17日・18日 | 1月21日・22日 |
| FOMC | 10月27日・28日、12月8日・9日 | 1月26日・27日 |
※日本銀行「金融政策決定会合の運営」、FRB「Meeting calendars and information」より(2026年10月13日時点)。
出典:金融政策決定会合の運営(日本銀行)/Meeting calendars and information(FRB)
相場の急変時はスプレッドが広がり、不利な価格で約定することも
松井証券は、相場の急変時、経済指標の発表時、著しい流動性の低下時等にスプレッドが拡大する場合があるとしています。GMOクリック証券も、各国中央銀行の市場介入や重要指標の発表時間帯などにスプレッドが広がる場合があると注記しています(2026年10月時点・各社公式サイトより)。各社のサービスの特徴は松井証券FXの評判やGMOクリック証券 FXネオの評判でまとめています。
急変時は注文が不利な価格で成立したり、ロスカットが間に合わず証拠金を上回る損失が出たりする可能性もあります。仕組みはFXのスプレッドとはとFXのロスカットとはで解説しています。
結果を予想して大きく賭けない
政策金利の決定は事前の見方と違うこともあり、同じ結果でも為替がどちらに動くかは決まっていません。発表をまたいでポジションを持つなら、取引量を抑え、損切りの注文を入れておくのが基本です。設定方法はFXの損切りのやり方を参考にしてみてください。逆指値注文の入れ方は、FXデモトレードができるアプリで実際の資金を使わずに確認しておくこともできます。
【まとめ】政策金利は日銀とFRBの公表で確認しよう
当記事では、日米の現在の政策金利と決定日、政策金利の意味、為替レートやスワップポイントとの関係、過去の推移、発表前後の注意点をご紹介しました。2026年10月13日時点で、日本は1.25%程度、米国は3.75〜4.00%で、どちらも9月に引き上げられています。
政策金利は為替とスワップポイントの両方に関わるため、会合の日程と結果は日本銀行とFRBの公表で確認する習慣をつけておきましょう。FX会社選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
