最終更新:2026年10月13日
為替レートとは、異なる通貨を交換するときの交換比率のことです。当記事では、為替レートの意味と見方、銀行のTTS・TTB・TTMとFXのレートの違いを中心に解説します。あわせて、レートを確認できる公式の場所と、レートが動く主な要因も整理します。
ニュースで聞く「1ドル=158円」と、銀行で両替するときのレートは同じではありません。仕組みを知っておくと、旅行の両替や外貨預金、FXを始めるときに、どのくらいのコストがかかるのかを自分で判断しやすくなります。
為替レートとは?異なる通貨を交換するときの比率
為替レートは「1ドルが何円か」を表す交換比率
金融先物取引業協会は、為替相場を外国為替市場において異なる通貨が交換される際の交換比率と説明しています。「1ドル=158円」であれば、1ドルを手に入れるのに158円が必要という意味です。
協会の説明では、1ドル=100円が101円になれば「1円の円安ドル高」、99円になれば「1円の円高ドル安」と言います。日本銀行も、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態を円高、少ない状態を円安と説明しています。円安・円高の詳しい仕組みは円安・円高とはで解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #2 為替相場とは」・日本銀行「円高、円安とは何ですか?」
最新の米ドル/円レート(日本銀行の公表値)
日本銀行は、インターバンク市場の米ドル/円・ユーロ/ドル・ユーロ/円のスポット・レートを毎営業日公表しています。直近の米ドル/円は次のとおりです。
| 日付 | 9:00時点 | 17:00時点 | 中心相場 |
|---|---|---|---|
| 2026年10月13日(火) | 158.52-54円 | 158.21-22円 | 158.49円 |
| 2026年10月9日(金) | 158.04-05円 | 158.33-34円 | 158.10円 |
| 2026年10月8日(木) | 158.09-11円 | 158.18-19円 | 157.87円 |
引用:日本銀行「外国為替市況(日次)」(各日の公表PDFより)。次回以降の更新時に、この表へ追記していきます。
中心相場とは、日本銀行の解説によるとその日に最も取引の多かった出来値(実際に取引が行われたレート)のことです。「158.21-22」のように2つの数字が並ぶ理由は、次の章で解説します。
為替レートの見方(売値と買値・スプレッド)
為替レートは、1つの数字ではなく2つの数字で表示されるのが一般的です。ここでは、その読み方を分かりやすく解説します。
ビッド(売値)とオファー(買値)の2つが並ぶ
金融先物取引業協会によると、為替相場は「1ドル=100.05-100.10」のように買い値と売り値が同時に表示されます。この例では、100.05円がビッドレート、100.10円がオファーレートです。
| 用語 | 協会の説明 | 自分が取引するとき |
|---|---|---|
| ビッド(Bid) | 購入を希望する相手方が提示している価格 | 外貨を売るときの値段(低いほう) |
| オファー(Offer・Ask) | 売却を希望する相手方が提示している価格 | 外貨を買うときの値段(高いほう) |
つまり、外貨を買いたいときはオファー(高いほう)、売りたいときはビッド(安いほう)を見ればよいということです。日本銀行が公表する「158.21-22」も、インターバンク市場のレートに基づくビッドとオファーを示したもので、低いほうの158.21円がビッド、高いほうの158.22円がオファーです。
なお、日本銀行の解説では、レートを提示する側から見てオファーを「売り値」、ビッドを「買い値」と書いています。自分が取引するときの「売値(ビッド)・買値(オファー)」とは呼び方の向きが逆になるため、混同しないようにしましょう。
2つの値段の差が「スプレッド」
オファーとビッドの差はスプレッドと呼ばれます。協会は、市場の流動性が下がったときや、重要な経済指標の発表直後など、レートが急変したときにスプレッドが広がりやすいと注意しています。
FXのアプリでも、同じように2つの値段が並びます。たとえばDMM FXのアプリでは、トレード画面に「Bid(売)」「Ask(買)」のボタンが表示されます。DMM FXの米ドル/円のスプレッドは0.2銭(9:00〜翌5:00・原則固定・例外あり)です(2026年10月13日時点)。指標発表時の注意点は経済指標とは、トレード画面の使い方はDMM FXアプリでの注文のやり方で解説しています。
銀行のTTS・TTB・TTMとは?外貨両替・外貨預金のレート
銀行で外貨預金や海外送金をするときは、TTS・TTB・TTMという言葉が出てきます。ここでは、三菱UFJ銀行の公式な説明をもとに意味を解説します。
TTSは「銀行が売る」、TTBは「銀行が買う」レート
三菱UFJ銀行の用語説明では、TTS(電信売り相場)は仕向送金や外貨預金の作成時など、TTB(電信買い相場)は被仕向送金や外貨預金の出金時などに使うレートとされています。銀行から見て「売る」「買う」なので、お客さまが外貨を買うときがTTS、売るときがTTBです。
| 用語 | 正式名 | 使われる場面(三菱UFJ銀行の説明) |
|---|---|---|
| TTS | Telegraphic Transfer Selling(電信売り相場) | 仕向送金、外貨預金作成時等 |
| TTB | Telegraphic Transfer Buying(電信買い相場) | 被仕向送金、外貨預金出金時等 |
| TTM | 公表仲値 | TTSとTTBの中間の相場 |
| CASH S./CASH B. | 現金売り相場/現金買い相場 | 外貨の現金を買う・売るとき |
引用:三菱UFJ銀行「外国為替相場関連用語」・三菱UFJリサーチ&コンサルティング「本日の為替相場」
TTMは「TTSとTTBのちょうど真ん中」
三菱UFJ銀行の公表相場を掲載している三菱UFJリサーチ&コンサルティングのページでは、公表仲値(TTM)はTTSとTTBの中間の相場で、(TTS+TTB)÷2で算出されると説明しています。2026年10月13日の三菱UFJ銀行の公表相場は次のとおりです。
| 米ドル(2026年10月13日) | レート |
|---|---|
| TTS(外貨を買うとき) | 159.53円 |
| TTM(仲値・計算値) | 158.53円 |
| TTB(外貨を売るとき) | 157.53円 |
※TTMは(159.53+157.53)÷2で計算した値です。銀行の公表相場は、取引時に各銀行の店頭等で確認する必要があります。
TTSとTTMの差は1円です。三菱UFJ銀行の外貨預金の説明では、TTS・TTBは手数料分を含んだ為替レートとされ、米ドルの為替手数料は窓口で片道1円、インターネットバンキングで片道25銭と案内されています(2026年10月13日時点・キャンペーン時などを除く)。
銀行の外貨両替とFXの為替レートの違い
同じ米ドル/円でも、見る場所によってレートが違うのはなぜでしょうか。ここでは、ニュース・銀行・FXのレートの違いを整理します。
日銀・銀行・FXのレートの違い早見表
| 日本銀行の公表レート | 銀行のTTS・TTB | FXのレート | |
|---|---|---|---|
| どんなレートか | インターバンク市場のレート | 銀行がお客さまと取引するレート | FX会社が提示するレート |
| 使う場面 | 相場の水準を確認する | 外貨預金・送金・両替 | FXの取引 |
| 売値と買値の差(米ドル/円の例) | 1〜2銭程度(2026年10月13日の表示) | TTSとTTBで2円(2026年10月13日の公表相場) | 0.2銭(DMM FX・原則固定・例外あり) |
| 外貨を受け取れるか | — | 受け取れる | 原則として受け取らない(差金決済) |
※2026年10月13日時点・日本銀行、三菱UFJ銀行の公表相場、DMM FX公式サイトより。
日銀の公表レートは「個人が窓口で使うレート」ではない
日本銀行は、公表しているスポット・レートについて、インターバンクでの取引に適用されるレートなので、個人が銀行等の窓口で外貨を売買するレートとは異なると明記しています。ニュースの「1ドル=158円」は、あくまで市場の水準の目安です。
FXは通貨そのものを受け取らない「差金決済」
銀行の外貨預金は実際に外貨を持ちますが、FXは通貨の現物売買を伴わず、売買の差額だけをやり取りする差金決済の取引です(金融先物取引業協会の説明)。売値と買値の差は小さい一方で、レバレッジをかけられるため、預けた証拠金を上回る損失が出る可能性もあります。仕組みはFXとはで詳しく解説しています。
為替レートを確認できる公式の場所
為替レートは、目的に合わせて公式の場所で確認するのが確実です。主な確認先は次の3つです。
日本銀行の「外国為替市況」と時系列統計
相場の水準を日付つきで確認したいときは、日本銀行の「外国為替市況(日次)」が便利です。毎営業日の17:50頃に、9:00時点・17:00時点のスポット・レート、レンジ、中心相場が公表され、直近70営業日分が一覧で見られます。
過去の長い期間のデータは、日本銀行の「時系列統計データ検索サイト」で調べられます。このサイトの米ドル/円は、オファーとビッドの中間値で掲載されています。
銀行の公表相場(TTS・TTB)
外貨預金や両替のレートは、利用する銀行の公表相場で確認します。三菱UFJ銀行は、掲載レートについて「このレートでお客さまとお取引することを確約するものではありません」としており、実際の取引時は店頭等での確認が必要です。
また、公表相場は1日の途中で変わることもあります。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの案内では、外国為替市場に大きな変動が生じた場合、銀行は発表した公表相場を一旦停止し、あらためて公表相場を発表する場合があるとされています。
出典:三菱UFJ銀行「外国為替相場一覧表」・三菱UFJリサーチ&コンサルティング「外国為替相場情報のご案内」(PDF)
FX会社の為替レート画面
FXのレートは、取引するFX会社の公式サイトやアプリで確認します。たとえばSBI FXトレードの為替レートページでは、Bid・Ask・スプレッドが2秒ごとに更新されて表示されます(2026年10月13日時点)。FX会社ごとに提示するレートは少しずつ違うため、取引する会社の画面で確認しましょう。実際の画面でレートの見方を確かめたい方は、FXデモトレードができるアプリで試すこともできます。
為替レートが動く主な要因
為替レートは毎日動いています。金融先物取引業協会は、為替相場を動かす主な要因として次の4つを挙げています。
| 要因 | 協会の説明(要約) |
|---|---|
| ファンダメンタルズ | 経済成長率・物価指数・国際収支・雇用統計などの経済指標から読み取れる、経済の基礎的条件 |
| 政治的な要因 | 政権交代、制度変更(規制の強化や緩和)、外交問題(貿易問題)など |
| 市場心理 | 市場参加者の相場の先行きに対する予測、期待や不安など |
| 地政学的な要因 | テロや戦争、自然災害など |
引用:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」
金利の動きと経済指標
協会は、物価が上がると金利を引き上げようとする動きが起き、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上がることが考えられると説明しています。そのため、日米の政策金利や、米雇用統計・米CPIなどの経済指標の発表は、為替レートが動くきっかけになりやすいとされています。
政策金利と為替の関係は政策金利とは、円安が進む背景は円安の理由、為替介入については為替介入とはで解説しています。
レートの先行きは誰にも断定できない
協会のまとめでは、通貨を買いたい投資家が増えれば価値は上がり、売りたい投資家が増えれば下がるとしたうえで、為替相場の変動はFX取引のリスクの1つだと注意しています。当サイトでは、レートの予想や特定の売買の推奨は行いません。要因の知識は、値動きの背景を理解するために使いましょう。
【まとめ】為替レートの見方を知って、両替やFXのコストを確認しよう
当記事では、為替レートの意味と見方、銀行のTTS・TTB・TTMとFXのレートの違い、公式の確認先と動く要因をご紹介しました。為替レートには売値と買値の2つがあり、その差がコストになるという点を押さえておくと、銀行とFXのどちらを使う場合でも判断しやすくなります。
まずは、日本銀行の「外国為替市況」で今日のレートを確認するところから始めてみましょう。FXに興味が出てきた方はFXの始め方を、アプリ選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較の記事も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
