最終更新:2026年10月23日
トルコ中央銀行(TCMB)は2026年10月22日の金融政策委員会で、政策金利(1週間物レポ入札金利)を37%から36%へ1ポイント引き下げることを決めました。利下げは2026年1月以来、9か月ぶりです。翌日物の貸出金利も40%から39%へ、借入金利も35.5%から34.5%へ引き下げています。
声明では、インフレの基調が減速していることと国内の需要が弱いことを挙げる一方で、地政学的な緊張によるエネルギー価格の高さを引き続きインフレの上振れリスクとしています。当記事では、トルコ中銀の公表文をもとに決定の要点を整理し、これまでの流れ、トルコリラとの関係、今後の予定をまとめます。
トルコ中銀の決定の要点(2026年10月22日)
トルコ中央銀行が日本時間20時(トルコ時間14時)に公表した決定は次のとおりです。政策金利と翌日物の2つの金利を、そろって引き下げました。
| 金利 | 前回(2026年9月10日) | 今回(2026年10月22日) |
|---|---|---|
| 政策金利(1週間物レポ入札金利) | 37% | 36%(1ポイント引き下げ) |
| 翌日物貸出金利(上限) | 40% | 39%(1ポイント引き下げ) |
| 翌日物借入金利(下限) | 35.5% | 34.5%(1ポイント引き下げ) |
※トルコ中央銀行「Press Release on Interest Rates(2026-45)」(2026年10月22日)より。同行の金利表では、新しい政策金利の適用日は2026年10月23日です。
出典:トルコ中央銀行「Press Release on Interest Rates(2026-45)」(英語)/同「1 Week Repo」
声明の主な内容
公表文のうち、金融政策の判断に関わる主な内容をまとめると次のとおりです。
| テーマ | 声明の内容(当サイトで要約) |
|---|---|
| インフレの基調 | 月ごとの振れはあるものの、最近のインフレの数字や先行指標は、インフレの基調が減速していることを裏づけている |
| 国内の需要 | 国内の需要は弱い状態が続いている |
| リスク | 地政学的な緊張が続くことによるエネルギー価格の高さが、インフレ見通しの上振れリスクであり続けている |
| 今後の姿勢 | 物価の安定が実現するまで引き締め的な金融政策を続ける。今後の判断は会合ごとに行い、インフレ見通しが大きく、長く悪化する場合は引き締めを強める |
| 金融の状況 | 貸出や預金の市場で想定外の動きがあれば、マクロプルーデンス政策(金融システム全体の安定のための規制)を追加する。流動性(市場の資金の量)の状況も注視する |
| 目標 | 中期的にインフレ率5%の目標を達成することを目指す |
出典:トルコ中央銀行「Press Release on Interest Rates(2026-45)」(2026年10月22日)
表の内容は、英語の公表文を当サイトで日本語にして要約したものです。声明は、今後の追加の利下げを約束していません。
会合の要旨は5営業日以内に公表
会合には、ファティ・カラハン総裁を含む6人の委員が出席しました。議論の要旨は5営業日以内に公表するとしており、トルコ中銀の日程表では10月30日(金)が要旨の公表日です。
出典:トルコ中央銀行「Press Release on Interest Rates(2026-45)」/同「Calendar」
背景:37%で5会合据え置いたあとの利下げ
2026年1月に37%へ下げてから3月〜9月は据え置き
トルコ中銀は2026年1月22日に政策金利を38%から37%へ引き下げたあと、3月・4月・6月・7月・9月の5会合で37%を据え置いてきました。2026年3月初めから8月の再開の発表までは1週間物レポ入札を止めており、3月の会合の要旨では、この間に中銀が銀行へ資金を供給する実際の平均の金利が、政策金利(37%)より高い40%になったと説明しています。
9月10日の声明でも、インフレの基調の減速、国内の需要の弱さ、エネルギー価格の上振れリスクを挙げていました。今回は同じ判断材料のまま、インフレの基調の減速を「示している」から「裏づけている」という表現に強め、据え置きから利下げに踏み切った形です。
出典:トルコ中央銀行「Press Release on Interest Rates(2026-38)」(2026年9月10日)/同「Summary of the Monetary Policy Committee Meeting(2026-14)」/同「1 Week Repo」
インフレ率は9月に29.73%まで鈍化
トルコ統計局(TÜİK)が10月5日に公表した2026年9月の消費者物価指数は、前年同月比29.73%の上昇でした。8月の31.51%から伸びが縮まっています。ただし、トルコ中銀が8月のインフレ報告で示した2026年末のインフレ率の予測は28%で、2026年末の中間目標の24%を上回っています。
出典:トルコ中央銀行「Consumer Prices」(TÜİK公表値の一覧・英語)/同「Inflation Report 2026-III」
2025年からの決定の一覧、インフレ率の推移、会合日程はトルコリラの政策金利(トルコ中銀の最新決定・推移)にまとめています。ほかの高金利通貨はメキシコペソの政策金利・南アフリカランドの政策金利で確認できます。
為替(トルコリラ)との関係
Investing.comの報道によると、事前の調査では24人のエコノミストのうち22人が利下げを予想しており、今回の決定は市場の予想どおりでした。決定後のリラは1ドル=49.6275リラで、前日(10月21日)の終値は49.6025リラだったと伝えられています。同じ報道では、12月の会合でさらに1ポイントの利下げを見込むエコノミストの見方も紹介されています。
出典:Investing.com「Turkey’s central bank cuts key rate to 36% from 37%」(2026年10月22日・英語)
トルコ中銀が10月22日に公表した参考為替レートは、100円あたり31.4763リラ(円の外貨買いレート)でした。1リラあたりに直すと約3.18円で、1週間ほど前の10月16日(約3.21円)と比べると、わずかにリラ安・円高です。
※トルコ中央銀行の参考為替レートを、当編集部で「100÷レート」により1リラあたりの円に換算したもの。FX会社の取引レートとは異なります。
出典:トルコ中央銀行「Indicative Exchange Rates」(英語)
金融先物取引業協会は、スワップポイントは2つの通貨の金利差に相当する金額で、市場金利の変化に応じて変動すると説明しています。2026年10月23日時点で、トルコの政策金利は36%、日本の政策金利は1.25%程度で、利下げの分だけ金利差は縮まりました。ただし、金利差だけで相場が決まるわけではなく、今回の決定を受けてリラ円がどちらに動くかは、当サイトでは予想しません。仕組みはスワップポイントとは、各社の比べ方はスワップポイント比較、金利と為替の関係は政策金利とはで解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #8 スワップポイントについて」/同「FX取引に係る主なリスク」
次の予定(日本時間)
トルコ中銀の次の決定は12月10日(木)20時の予定です。その前に、会合の要旨や10月分の物価、インフレ報告が公表される予定です。
| 日付(日本時間) | イベント | 内容 |
|---|---|---|
| 10月29日(木)3時 | FOMCの結果 | 米国の政策金利の決定(10月27日・28日開催) |
| 10月30日(金) | トルコ中銀の会合の要旨 | 10月22日の会合の議論の要旨 |
| 10月30日(金) | 日銀会合の結果 | 日本の政策金利の決定(10月29日・30日開催) |
| 11月3日(火)16時 | トルコの消費者物価指数(10月分) | TÜİKが公表(トルコ時間10時) |
| 11月12日(木) | トルコ中銀のインフレ報告 | 2026年の4回目の報告 |
| 12月10日(木)20時 | トルコ中銀の金融政策委員会 | 次の政策金利の決定 |
※2026年10月23日時点の各公表元の予定。日時は変わることがあるため、直前に公式サイトで確認してください。11月3日は日本の祝日(文化の日)のため、FXの取引時間もあわせて確認しておきましょう。
出典:トルコ中央銀行「Calendar」/トルコ統計局「Consumer Price Index Methodology Document 2026」(PDF・英語)/FRB「Meeting calendars」/日本銀行「金融政策決定会合の運営」
注意点
中央銀行の決定や物価の発表の前後は、相場が短い時間で大きく動き、スプレッド(買値と売値の差)が広がりやすいことがあります。トルコリラのように値動きの大きい通貨では、急な変動でロスカットが間に合わず、預けた証拠金を上回る損失が出る場合もあるため、取引量を抑える・損切りの注文を入れておくといったリスク管理が一般的です。くわしくはスプレッドとはとロスカットとはで解説しています。
証拠金を上回る損失の可能性についての出典:金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
【まとめ】トルコ中銀は9か月ぶりに利下げし、政策金利は36%に
当記事では、2026年10月22日のトルコ中央銀行の決定をご紹介しました。トルコ中銀は政策金利を37%から36%へ引き下げ、インフレの基調の減速と国内の需要の弱さを挙げる一方で、エネルギー価格を上振れリスクとし、今後の判断は会合ごとに行うとしています。
次の決定は12月10日です。決定の一覧はトルコリラの政策金利(トルコ中銀の最新決定)で更新しています。FXをこれから始める方はFXの始め方から確認し、アプリ選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事は情報提供を目的としたもので、特定の通貨の売買をすすめるものではありません。本記事の情報は2026年10月23日時点のものです。

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