【10月21日】RBA副総裁が物価見通し悪化を指摘|発言の要点と豪ドルへの影響

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【10月21日】RBA副総裁が物価見通し悪化を指摘|発言の要点と豪ドルへの影響

最終更新:2026年10月21日

オーストラリア準備銀行(RBA)のアンドリュー・ハウザー副総裁は2026年10月21日、シドニーで開かれた投資家向けの会議で対談に応じ、インフレの見通しは8月の金融政策報告(RBAが年4回公表する経済・物価の見通し)で示した見通しより大幅に悪化しているとの認識を示しました。インフレ期待(人々が予想する将来の物価上昇率)が目標から離れることは許されないとも述べています。

次のRBAの会合(11月2日・3日)まで2週間を切る中での、総裁に次ぐ立場の副総裁による発言です。当記事では、RBAが公表した対談の記録をもとに発言の要点を整理し、これまでの流れ、豪ドルとの関係、今後の予定をまとめます。

目次

RBAハウザー副総裁の発言の要点(2026年10月21日・シドニー)

RBAによると、ハウザー副総裁はシティ(Citi)主催の「Australia & New Zealand Investment Conference」で、司会者との対談(ファイヤーサイド・チャット)に応じました。RBAのサイトに掲載された対談の記録から、金融政策に関わる主な発言をまとめると次のとおりです。

テーマ発言の内容(当サイトで要約)
インフレの見通し8月の金融政策報告で示した見通しより大幅に悪化しているように見える(原文:materially worse)
原油価格原油価格は8月の見通しで想定した水準より約3分の1高い。値上がりの影響は、まだほとんど物価に表れていない
インフレ期待企業調査では、3〜3.5%の物価上昇を「新しい普通」と考える企業が増えている。インフレ期待が目標から離れることは許されない
7〜9月期のCPI四半期の物価上昇率は、8月の見通しで想定したより高くなる見込み。ただし1つの数字を目標にしているわけではない
労働市場労働市場は緩んできている。失業率がどこまで上がるかは、見通しの作成の中で議論している
11月の会合会合まで1週間半で、見通しはまだ最終調整中。結果は確実には分からない

出典:RBA「Fireside Chat by Andrew Hauser, Deputy Governor at Citi’s Australia & New Zealand Investment Conference, Sydney」(2026年10月21日)

表の内容は、英語の記録を当サイトで日本語にして要約したものです。

インフレ期待の上昇を「中央銀行にとって悪夢」と表現

今回の対談で目立ったのは、インフレ期待についての発言です。ハウザー副総裁は、RBAが関わる企業調査で、3〜3.5%の物価上昇が「新しい普通」になりつつあると考える企業が増えていることを紹介し、それを「中央銀行にとって悪夢」と表現しました。そのうえで「インフレ期待が目標から離れることは許されない」と述べています(原文:We can’t allow expectations to shift away from the target.)。

RBAの物価目標は、消費者物価の上昇率を年2〜3%にすることです。企業が3〜3.5%の物価上昇を「新しい普通」と考えるようになると、値上げや賃上げが続きやすくなり、物価が目標に戻りにくくなると考えられています。

11月の会合の結論は示さなかった

一方で、ハウザー副総裁は11月の会合で何を決めるかは示していません。「政策会合まで1週間半で、見通しはまだ最終調整中」と述べ、難しい判断になるとの考えを示すにとどめています。エネルギー価格の上昇のような供給面のショックについては、影響が大きく長引く場合やインフレ期待を揺るがす場合には、金融政策で対応する必要があるという一般的な考え方を説明しました。

背景:RBAは2026年に4回の利上げ、9月に4.60%へ

9月29日に政策金利を4.60%へ引き上げた

RBAは2026年9月29日、政策金利(キャッシュレート目標)を0.25%引き上げて4.60%にすることを決めました(委員の全員一致)。声明では「インフレは依然として高く、8月に示した上振れリスクの一部が現実になりつつある」と説明し、必要であれば政策金利をさらに引き上げる考えも示していました。2026年の利上げは2月・3月・5月・9月の4回で、6月と8月は据え置いています。

出典:RBA「Statement by the Monetary Policy Board: Monetary Policy Decision」(2026年9月29日)/RBA「Cash Rate Target」

9月の声明からの変化:「一部が現実に」から「大幅に悪化」へ

9月の声明では、8月に示した上振れリスクの「一部」が現実になりつつあるという表現でした。今回、ハウザー副総裁は、8月に挙げた中東情勢・AI関連の需要・供給面の制約という3つのリスクが9月の時点で現実になったと判断した(原文:crystallised)と振り返ったうえで、インフレの見通しそのものが8月より大幅に悪化しているとの認識を示しています。11月の会合では、経済・物価の新しい見通し(金融政策報告)も公表される予定です。

RBAのこれまでの決定の一覧と会合日程は豪ドルの政策金利(RBAの最新決定と会合日程)にまとめています。同じオセアニアのNZドルについてはNZドルの政策金利(RBNZの最新決定)で確認できます。

為替(豪ドル)との関係

報道によると、発言が伝わった10月21日の東京市場では豪ドルが買われ、豪ドル円は午前に一時111円23銭まで上昇しました。米金融大手のゴールドマン・サックスが、RBAの11月の決定について据え置きの予想を利上げの予想に変えたと伝えられ、金利先物市場が示す11月の利上げの確率は一時90%を超えたと報じられています。その後は円買いなどで、午後には110円80銭を付けたと伝えられています。

出典:みんかぶFX「豪ドル急伸、副総裁タカ発言受け利上げ前倒し観測 11月確率90%に急上昇」(2026年10月21日)/みんかぶFX「豪ドルが堅調、豪中銀副総裁の発言で=東京為替前場概況」(2026年10月21日)/みんかぶFX「豪ドルは午前の上昇も下げる=オセアニア為替概況」(2026年10月21日)

金融先物取引業協会は、インフレになった国は金利を引き上げようとし、金利が上がった通貨に買いが集まることが考えられると説明しています。2026年10月21日時点で、オーストラリアの政策金利は4.60%、日本の政策金利は1.25%程度です。ただし、金利差だけで相場が決まるわけではありません。金利と為替の関係は政策金利とはで解説しています。

また、中央銀行の幹部が利上げに前向きと受け取れる発言をしても、その通貨が上がり続けるとは限りません。実際の結果が市場の予想と違えば逆に動くこともあり、豪ドル円は日本側の金融政策や世界の市場心理でも動きます。今回の発言を受けて相場がどちらに動くかは、当サイトでは予想しません。豪ドル円のスワップポイントの仕組みはスワップポイントとはで確認できます。

出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX 為替相場を動かす要因」

次の予定(日本時間)

この先の主な予定は次のとおりです。RBAの次の決定は11月3日(火)12時30分の予定で、その前の10月28日には、7〜9月期の数値を含むオーストラリアの消費者物価指数が公表される予定です。

日付(日本時間)イベント内容
10月28日(水)オーストラリアの消費者物価指数(7〜9月期の数値を含む)ハウザー副総裁が「8月の想定より高くなる見込み」とした四半期の物価
10月28日(水)10時RBNZの結果ニュージーランドの政策金利の決定
10月29日(木)3時FOMCの結果米国の政策金利の決定(10月27日・28日開催)
10月29日(木)22時15分ECB理事会の結果ユーロ圏の政策金利の決定
10月30日(金)日銀会合の結果日本の政策金利の決定(10月29日・30日開催)
11月3日(火)12時30分RBAの結果オーストラリアの政策金利の決定と金融政策報告(11月2日・3日開催)

※2026年10月21日時点の各公表元の予定。日時は変わることがあるため、直前に公式サイトで確認してください。11月3日は日本の祝日(文化の日)のため、FXの取引時間もあわせて確認しておきましょう。

出典:オーストラリア統計局「Future releases」/RBNZ「The Official Cash Rate (OCR)」/RBA「Monetary Policy Board meeting schedules」/FRB「Meeting calendars」/ECB「Meeting calendars」/日本銀行「金融政策決定会合の運営」

注意点

中央銀行の幹部の発言や物価指標の発表の前後は、相場が短い時間で大きく動き、スプレッド(買値と売値の差)が広がりやすいことがあります。急な値動きではロスカットが間に合わず、預けた証拠金を上回る損失が出る場合もあるため、取引量を抑える・損切りの注文を入れておくといったリスク管理が一般的です。くわしくはスプレッドとはとロスカットとはで解説しています。

証拠金を上回る損失の可能性についての出典:金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」

【まとめ】RBA副総裁はインフレ見通しの悪化とインフレ期待への警戒を示した

当記事では、2026年10月21日のRBAハウザー副総裁の発言をご紹介しました。ハウザー副総裁は、インフレの見通しが8月より大幅に悪化しているとの認識を示し、インフレ期待が目標から離れることは許されないと述べました。11月の会合での判断は示していません。

RBAの次の決定は11月3日です。結果が出たら豪ドルの政策金利(RBAの最新決定)を更新します。FXをこれから始める方はFXの始め方から確認し、アプリ選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。

FX取引のリスクについて

FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事は情報提供を目的としたもので、特定の通貨の売買をすすめるものではありません。本記事の情報は2026年10月21日時点のものです。

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この記事を書いた人

株式会社エウレカ編集部が運営するFX情報メディアの編集部です。

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