最終更新:2026年10月17日
日本の消費者物価指数(CPI)とは、総務省統計局が毎月公表する、全国の世帯が買うモノやサービスの価格の平均的な変動を測る指数です。当記事では、最新の結果と推移、コアCPIの見方、発表日、東京都区部の速報との違い、日銀の2%目標や為替との関係を解説します。
物価の動きは日銀の金融政策の判断材料の1つで、円相場のニュースでもよく取り上げられます。まずは最新の数字から確認していきましょう。
日本の消費者物価指数の最新結果【2026年9月18日公表・8月分】
ここでは、2026年9月18日に総務省統計局が公表した、2026年8月分の全国の消費者物価指数の結果を整理します。
8月の全国CPIは総合+1.9%・コア+1.7%
2026年8月分の全国の消費者物価指数は、総合指数が102.2(2025年=100)で前年同月比1.9%の上昇でした。生鮮食品を除く総合指数(コア)は102.0で前年同月比1.7%の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.5で前年同月比1.9%の上昇です。前月比は、季節ごとに毎年決まって起きる値動きを取り除いた「季節調整値」で示されます。
| 指数 | 指数(2025年=100) | 前年同月比 | 前月比(季節調整値) |
|---|---|---|---|
| 総合 | 102.2 | +1.9% | 0.0%(前月と同水準) |
| 生鮮食品を除く総合(コア) | 102.0 | +1.7% | +0.1% |
| 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 | 102.5 | +1.9% | +0.3% |
※2026年10月17日時点。総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)8月分」(2026年9月18日公表)より。
出典:総務省統計局「消費者物価指数(CPI) 全国(最新の結果の概要)」
2026年3月〜8月の推移
直近6か月の前年同月比は次のとおりです。生鮮食品を除く総合(コア)は、2026年3月から8月まで1%台で推移しています。表は毎月の公表後に追記していきます。
| 対象月 | 公表日 | 総合 | コア(生鮮食品を除く総合) | 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年8月 | 2026年9月18日(金) | +1.9% | +1.7% | +1.9% |
| 2026年7月 | 2026年8月21日(金) | +1.9% | +1.8% | +1.9% |
| 2026年6月 | 2026年7月24日(金) | +1.6% | +1.6% | +1.7% |
| 2026年5月 | 2026年6月19日(金) | +1.5% | +1.4% | +1.8% |
| 2026年4月 | 2026年5月22日(金) | +1.4% | +1.4% | +1.9% |
| 2026年3月 | 2026年4月24日(金) | +1.5% | +1.7% | +2.4% |
※2026年8月に2025年基準へ切り替えたため、6月分以前は当初の公表値と異なる場合があります。
出典:総務省統計局「消費者物価指数 全国(最新月)」(PDF)/総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」
8月はエネルギーが前年比マイナスに転じた
統計局の資料によると、8月は電気代やガソリンの下落幅が広がり、エネルギーの前年同月比は-0.7%と、7月の+0.6%からマイナスに転じました。前年同月比は電気代が-0.1%(7月)→-2.4%(8月)、ガソリンが-1.8%→-2.6%です。一方、生鮮食品を除く食料は+2.7%で、総合指数の上昇への寄与が大きい項目でした。
なお、統計局は、ガソリン税に上乗せされていた暫定税率の廃止などの政策による効果が、エネルギー全体の前年同月比を0.62ポイント押し下げたと試算しています(試算値)。エネルギーの前年同月比がマイナスになっていることが、エネルギーを含むコア(+1.7%)の伸びを抑える方向に働いています。
出典:総務省統計局「消費者物価指数 全国(最新月)」(PDF)表5・表6
消費者物価指数(CPI)とは?物価の動きを測る指標
ここでは、消費者物価指数の意味と、ニュースで出てくる「コア」「コアコア」などの見方を分かりやすく解説します。
CPIは世帯が買うモノ・サービスの価格の変動を測る
総務省統計局は、消費者物価指数を「全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するもの」と説明しています。基準となる年の消費の中身と同じものを買った場合に、必要な費用がどう変わったかを指数で表したものです。
統計局によると、物価は経済活動が活発になると上昇率が高まり、停滞すると低下する傾向があるため、消費者物価指数は「経済の体温計」とも呼ばれています。年金の給付水準の見直しに使われるほか、日本銀行も金融政策の判断材料として使っています。
出典:総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」(A-1・A-4)
「総合」「コア」「コアコア」は除く品目が違う
物価の基調(大きな流れ)をみるために、「生鮮食品を除く総合」や「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が使われます。統計局は、生鮮食品は天候で値動きが激しく、エネルギー(ガソリン・電気代等)は原油価格の影響を直接受けるため、これらを除くことが基調の把握に有用とされていると説明しています。
| 指数 | 除いている品目 | よく使われる呼び方 |
|---|---|---|
| 総合 | なし(すべての品目) | 総合、ヘッドライン |
| 生鮮食品を除く総合 | 生鮮食品 | コア |
| 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 | 生鮮食品、電気代・都市ガス代・プロパンガス・灯油・ガソリン | コアコア(呼び方は報道によって異なる) |
| 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合 | 食料(酒類を除く)、エネルギー | 米国型コア |
※総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」A-5より。統計局は「コアコア」などの名称は指標ごとにさまざまに使われているため、利用する際は定義を確認するよう注意しています。
米国の「コア」とは除く品目が違う
日本で「コアCPI」と言う場合、通常は生鮮食品を除く総合を指します。一方、米国のCPIで「コア」と呼ばれるのは食品とエネルギーを除いた指数です。統計局も、米国などで重視されている指標と同様のものとして「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」を挙げています。
日米のCPIを比べるときは、同じ「コア」でも中身が違う点に注意しましょう。米国のCPIの見方や発表日は米CPI(消費者物価指数)とはで解説しています。
ニュースでは主に「前年同月比」が使われる
統計局は、物価のすう勢(流れ)を表すものとして前年同月比をよく用いていると説明しています。1年前の同じ月と比べるため、季節による決まった値動きの影響を受けにくいからです。
前月比については、季節による変動を取り除いた「季節調整値」も、総合・コア・生鮮食品及びエネルギーを除く総合などの系列で公表されています。「物価上昇率1.9%」のように報じられるときは、多くの場合、前年同月比の数字です。
2026年8月から「2025年=100」の新しい基準になった
消費者物価指数は、西暦の末尾が0と5の年を基準年として、5年ごとに基準改定されます。統計局によると、2026年8月に2025年基準への切り替えが行われ、現在の指数は2025年を100として計算されています。基準改定では、指数に採用する品目やウエイト(支出の割合)も見直されます。
出典:総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」(A-3・A-5・C-2・D-1)
全国CPIの発表日【2026年10月〜2027年3月】
ここでは、総務省統計局が公表している今後の発表日を整理します。
次回(9月分)は2026年10月23日(金)8時30分
統計局の公表予定によると、2026年9月分の全国の消費者物価指数は、2026年10月23日(金)の8時30分に公表される予定です。結果が公表されたら、上の推移表に追記します。
統計局は、全国の前月分の指数を「原則として毎月19日を含む週の金曜日の午前8時30分」に公表するとしています。米CPIとは違い、日本時間の朝に発表される点も覚えておきましょう。
全国と東京都区部の公表予定
今後の公表予定は次のとおりです。時刻はいずれも8時30分です。
| 公表日 | 全国(前月分) | 東京都区部(当月分・中旬速報値) |
|---|---|---|
| 2026年10月23日(金) | 2026年9月分 | ― |
| 2026年10月30日(金) | ― | 2026年10月分 |
| 2026年11月20日(金) | 2026年10月分 | ― |
| 2026年11月27日(金) | ― | 2026年11月分 |
| 2026年12月18日(金) | 2026年11月分 | ― |
| 2026年12月25日(金) | ― | 2026年12月分 |
| 2027年1月22日(金) | 2026年12月分・2026年平均 | ― |
| 2027年1月29日(金) | ― | 2027年1月分 |
| 2027年2月19日(金) | 2027年1月分 | ― |
| 2027年2月26日(金) | ― | 2027年2月分 |
| 2027年3月19日(金) | 2027年2月分 | ― |
| 2027年3月26日(金) | ― | 2027年3月分 |
※2026年10月17日時点・総務省統計局「公表予定(消費者物価指数)」より。日程は変更される場合があります。
出典:総務省統計局「公表予定(消費者物価指数)」/総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」(C-1)
米国や日本のほかの主な指標の発表日は、経済指標とはにまとめています。
東京都区部の速報と全国の違い
消費者物価指数には、全国の結果より先に公表される「東京都区部」の速報があります。ここでは、その違いを解説します。
東京都区部は当月中旬の速報を全国より約3週間早く出す
統計局は、東京都区部について当月分の指数の中旬速報値を、原則として毎月26日を含む週の金曜日の午前8時30分に公表しています。全国の結果に先立ち、先行指標として東京都区部(中旬時点)だけの結果を速報として出すものです。中旬速報値とは、その月の中旬時点の価格をもとに計算した速報の数値で、翌月に確報値へ更新されます。たとえば9月分は、東京都区部が10月2日、全国が10月23日の公表です。
| 項目 | 全国 | 東京都区部(中旬速報値) |
|---|---|---|
| 対象の地域 | 全国 | 東京都区部 |
| 公表のタイミング | 翌月(原則19日を含む週の金曜日) | 当月(原則26日を含む週の金曜日) |
| 公表時刻 | 8時30分 | 8時30分 |
| 速報値の扱い | ― | 翌月の全国の公表と同時に確報値に更新 |
※総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」C-1、「東京都区部 2026年(令和8年)9月分(中旬速報値)」より。
2026年9月分の東京都区部は総合+2.7%
2026年10月2日に公表された東京都区部の9月分(中旬速報値)は、総合指数が前年同月比2.7%の上昇、生鮮食品を除く総合が2.7%の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が3.0%の上昇でした。8月分(総合1.9%・生鮮食品を除く総合1.8%)から伸びが高まっています。
統計局の資料では、伸びが高まった主な要因として、保育所保育料(総合の上昇幅を0.29ポイント拡大)、水道料(同0.24ポイント拡大)、宿泊料(同0.12ポイント拡大)が挙げられています。保育所保育料は前年同月比では引き続き下落していますが、前月より下押しの幅が小さくなりました。東京都区部は地域が限られるため、全国の結果が同じ動きになるとは限りません。全国の9月分は10月23日に公表される予定です。
出典:総務省統計局「消費者物価指数(CPI) 東京都区部(最新の結果の概要)」/総務省統計局「消費者物価指数 東京都区部(最新月)」(PDF)
消費者物価指数と日銀の2%目標・利上げの関係
ここでは、日本銀行(日銀)の金融政策と消費者物価指数の関係を、日銀の公表資料をもとに解説します。
日銀の「物価安定の目標」は消費者物価の前年比2%
日銀は、2013年1月に「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。日本銀行法では、日銀の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。
2026年9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げた
日銀は2026年9月18日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことを決めました(賛成7・反対2、9月24日から適用)。無担保コールレート(オーバーナイト物)は、日銀が誘導目標とする短期金利で、日本の政策金利にあたります。8月分の全国CPIが公表されたのと同じ日です。
公表文では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について「このところプラス幅が緩やかに拡大している」とし、「消費者物価の基調的な上昇率は2%に近づいている」と判断しています。次回の会合は2026年10月29日・30日の予定です。会合の仕組みや過去の決定は日銀会合(金融政策決定会合)とは、日米の金利水準は政策金利とはで解説しています。
出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)/日本銀行「金融政策決定会合の運営」
CPIの数字だけで金融政策が決まるわけではない
8月分のコアCPIは前年同月比1.7%で、2%を下回っています。それでも日銀が利上げを決めたのは、目先の数字だけでなく「基調的な物価上昇率」や経済・物価の見通しを点検して判断しているためです。同じ公表文では、反対した委員の1人が「足もとの消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率が2%を下回るなか」据え置きが望ましいと主張したことも記載されています。
このように、CPIは日銀の判断材料の1つですが、結果が出たら金融政策がすぐ決まるという関係ではありません。CPIの数字は、日銀の公表文や総裁会見とあわせて見ると意味をつかみやすくなります。
日本の物価と円相場の関係(一般論)
ここでは、日本の物価の指標がなぜ円相場のニュースで取り上げられるのかを、一般論として解説します。
物価→日銀の利上げ観測→円という見方がある
金融先物取引業協会は、為替相場に影響する「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)」の1つとして物価指数を挙げ、インフレになった国は金利を引き上げようとし、金利が上がった通貨に買いが集まることが考えられると説明しています。日本に当てはめると、CPIの結果が日銀の利上げに対する市場の見方に影響し、それが円相場の材料の1つになるという流れです。
前述の通り、日銀は消費者物価の前年比2%を「物価安定の目標」としているため、CPIは日銀の今後の判断を考える材料として注目されます。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」
CPIの結果だけで円高・円安は決まらない
ただし、実際の為替は、米国などほかの国の金利や、市場の予想との差でも動くため、CPIの結果だけで円高・円安は決まりません。ドル円であれば、米国の物価や金融政策も同時に影響します。金融先物取引業協会も、為替相場を動かす要因はファンダメンタルズ・政治・市場心理・地政学など様々だと説明しています。
当記事では、CPIの結果から将来の値動きを予想したり、売買を推奨したりはしていません。円安・円高の仕組みは円安・円高とは、2026年の円安の背景は円安の理由の記事もあわせて確認してみてください。
CPIの発表前後の取引で注意したいこと
重要指標の発表前後はスプレッドが広がることがある
金融先物取引業協会は、米国雇用統計などの重要経済指標の発表の前後は、スプレッドが平時より広がっている場合があると説明しています。スプレッドは売値と買値の差で、取引のコストにあたります。
国内のFX会社も、たとえばDMM FXは「経済指標の発表時など」、松井証券は「経済指標の発表時」にスプレッドが拡大する可能性があると公式サイトで注記しています(2026年10月時点)。また、両社とも基準となるスプレッドを示している時間帯(コアタイム)は午前9時からのため、日本のCPIが公表される8時30分はその時間帯の外です。
出典:DMM FX「スプレッド」/松井証券「FXのリスク・手数料等」/松井証券「スプレッド一覧」
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #7 スプレッド、手数料について」
スプレッドの仕組みはスプレッドとはで解説しています。
発表時刻を確認し、取引量を抑える
急な値動きは、想定より大きな損失やロスカット(損失を抑えるための強制決済)につながる可能性があります。レバレッジをかけた取引では、預けた証拠金を上回る損失が出るおそれもあります。
- 公表日と時刻(全国・東京都区部とも8時30分)を前もって確認する
- 同じ時期にある日銀会合や米国の指標の日程もあわせて確認する
- 取引に慣れないうちは、発表の前後に新しく注文しない、取引量を小さくするといった選択肢も考える
強制決済の仕組みはロスカットとは、レバレッジのリスクはレバレッジとはで確認できます。
【まとめ】消費者物価指数の発表日と最新結果を確認しよう
当記事では、日本の消費者物価指数の最新結果と推移、総合・コア・コアコアの違い、発表日、東京都区部の速報との違い、日銀の2%目標や為替との関係、発表前後の注意点をご紹介しました。2026年8月分は総合+1.9%・コア+1.7%で、9月分は10月23日(金)8時30分公表予定です。
物価と金利の関係が分かると、円相場のニュースが読みやすくなります。これからFXを始める方はFXの始め方で全体の流れを確認し、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月17日時点のものです。

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