最終更新:2026年10月18日
日本のGDP(国内総生産)とは、日本の国内で1年間や1四半期に新しく生み出された付加価値の合計で、内閣府が四半期ごとに「四半期別GDP速報(QE)」として公表する、景気の大きさと伸びを表す統計です。当記事では、最新の結果と推移、前期比と年率の読み方、1次速報と2次速報の違い、次回の発表日と時刻を中心に解説します。あわせて、為替や日銀の金融政策との関係も整理します。
日本のGDPは、日本の景気が伸びているか縮んでいるかを確かめる代表的な指標です。最新の2026年4〜6月期は実質で前期比+0.4%(年率+1.4%、9月8日公表の2次速報)、次回の7〜9月期1次速報は11月16日(月)8時50分に公表される予定です。まずは最新の数字から確認していきましょう。
日本のGDPの最新結果【2026年9月8日公表・4〜6月期2次速報】
ここでは、2026年10月18日時点で公表済みの最新の結果として、内閣府経済社会総合研究所が2026年9月8日に公表した2026年4〜6月期の2次速報を整理します。
4〜6月期の実質GDPは前期比+0.4%(年率+1.4%)
2026年4〜6月期の実質GDPは、季節調整済みの前期比で+0.4%(年率+1.4%)でした。名目GDPは前期比+1.3%(年率+5.5%)です。実質・名目とも、8月17日の1次速報(実質+0.3%、名目+1.2%)から上方改定されました。
| 項目 | 2026年4〜6月期(2次速報) |
|---|---|
| 実質GDP(前期比) | +0.4% |
| 実質GDP(年率) | +1.4% |
| 名目GDP(前期比) | +1.3% |
| 名目GDP(年率) | +5.5% |
| 実質GDP(前年同期比・原系列) | +0.9% |
| GDPデフレーター(前年同期比) | +2.6% |
| 名目GDPの金額(季節調整済み・年率) | 約689.2兆円 |
※2026年9月8日公表・内閣府経済社会総合研究所「2026年4-6月期GDP速報(2次速報値)」より。前年同期比以外は季節調整済み(季節ごとの決まった増減をならした数字)。原系列は季節調整をしていない元の数字です。
名目GDPはその時の値段で計算した金額の伸びで、物価が上がるだけでも増えます。実質GDPは物価の変動を取り除いた伸びで、経済成長率として報じられるのは通常こちらです。GDPデフレーターはGDP全体の物価の動きを示す数字で、今回は前年同期比+2.6%でした。名目の伸びが実質を大きく上回っているのは、物価の上昇分が含まれているためです。
日本の名目GDPは年率換算で約689兆円
日本のGDPの金額(規模)も確認しておきましょう。2026年4〜6月期の名目GDPは、季節調整済みの年率換算で約689.2兆円でした。年率換算とは、その四半期の金額が1年間続いたと仮定して1年分に直した金額です。前期(2026年1〜3月期)は約680.1兆円、前年同期(2025年4〜6月期)は約666.8兆円でした。
なお、世界の国と比べたGDPの順位は、ドル建てに換算して比べるため、円相場の動きでも順位が変わります。
内需は小幅マイナス、外需がプラスに寄与した
実質GDPの伸び(+0.4%)を内訳で見ると、国内の需要(内需)の寄与度はマイナス0.1ポイント、輸出から輸入を差し引いた外需の寄与度はプラス0.5ポイントでした。寄与度とは、GDP全体の伸びのうち、その項目が何ポイント分を押し上げた(押し下げた)かを示す数字です。
| 需要項目 | 実質・前期比(2次速報) | 1次速報 |
|---|---|---|
| 民間最終消費支出(個人消費) | 0.0% | ▲0.0% |
| 民間住宅 | ▲0.6% | ▲0.5% |
| 民間企業設備(設備投資) | ▲0.9% | ▲1.2% |
| 政府最終消費支出 | +1.7% | +1.6% |
| 公的固定資本形成(公共投資) | ▲0.5% | ▲0.1% |
| 輸出 | +0.4% | +0.5% |
| 輸入 | ▲1.7% | ▲1.5% |
※▲はマイナス。「▲0.0%」はゼロに近い小さなマイナス。内閣府「2026年4-6月期GDP速報(1次速報値)」「同(2次速報値)ポイント解説」より。
GDPの半分強を占める個人消費は横ばいで、設備投資は減少しました。外需のプラスは、輸出の増加に加えて、GDPの計算で差し引かれる輸入が減ったことによるものです。内閣府は1次速報の解説で、輸入の減少には原油等が寄与したとみられると説明しています。輸入の減少で外需が伸びた形のため、数字の大きさだけでなく中身もあわせて見ておきたいところです。
出典:内閣府経済社会総合研究所「2026年4-6月期GDP速報(2次速報値)ポイント解説」(PDF)/同「2026年4-6月期GDP速報(1次速報値)ポイント解説」(PDF)/同「統計表一覧(2026年4-6月期 2次速報)」
日本の実質GDP成長率の推移(2024年〜2026年)
ここでは、2026年9月8日の2次速報時点の数値で、直近10四半期の成長率を並べて整理します。GDPは公表のたびに過去の数字も見直されるため、どの時点の数字かを確認することが大切です。
直近3四半期は実質でプラス成長が続いている
| 四半期 | 実質(前期比) | 実質(年率) | 名目(前期比) |
|---|---|---|---|
| 2026年4〜6月期 | +0.4% | +1.4% | +1.3% |
| 2026年1〜3月期 | +0.5% | +1.9% | +0.8% |
| 2025年10〜12月期 | +0.3% | +1.1% | +0.9% |
| 2025年7〜9月期 | ▲0.4% | ▲1.5% | +0.3% |
| 2025年4〜6月期 | +0.1% | +0.5% | +1.8% |
| 2025年1〜3月期 | +0.5% | +2.0% | +0.9% |
| 2024年10〜12月期 | +0.4% | +1.6% | +1.1% |
| 2024年7〜9月期 | +0.8% | +3.4% | +1.3% |
| 2024年4〜6月期 | ▲0.1% | ▲0.5% | +1.9% |
| 2024年1〜3月期 | ▲0.1% | ▲0.4% | ▲0.4% |
※季節調整済み。2026年9月8日公表の2次速報時点の値(それ以前の公表値とは異なる場合があります)。内閣府「統計表一覧(2026年4-6月期 2次速報)」の実質・名目季節調整系列(前期比・年率換算)より。
表のとおり、実質GDPは2025年7〜9月期に前期比▲0.4%と落ち込んだあと、2025年10〜12月期から3四半期続けてプラスになっています。一方、名目GDPは物価の上昇を含むため、表の期間では2024年1〜3月期を除いてプラスが続いています。
内閣府は、季節調整は毎回最新のデータまで含めてかけ直すため、季節調整済みの数字は過去にさかのぼって改定されると注意しています。過去の記事やニュースの数字と違って見えるときは、この改定が理由のことが多いです。次の7〜9月期1次速報(11月16日予定)の公表後は、この表を更新していきます。
出典:内閣府経済社会総合研究所「統計表一覧(2026年4-6月期 2次速報)」/同「利用上の注意」
日本のGDPとは?内閣府が公表する経済成長率の指標
ここでは、日本のGDPが何を測る統計なのか、ニュースで見る「前期比」と「年率」の違いを解説します。
GDPは国内で生み出された付加価値の合計
内閣府の国民経済計算の用語解説では、国内総生産を「居住者たる生産者による国内生産活動の結果、生み出された付加価値の総額」と説明しています。付加価値とは、売上から原材料などの仕入れを差し引いた、新しく生み出された価値のことです。国内で生まれた価値を数えるため、日本企業の海外での生産は含まれません。
四半期別GDP速報(QE)は、GDPを個人消費・設備投資・政府支出・輸出入などの「支出の側」から推計し、毎四半期公表されます。内閣府は、景気の判断の基礎資料とすることを目的としていると説明しています。
出典:内閣府経済社会総合研究所「用語の解説(国民経済計算)」(PDF)/同「四半期別GDP速報 統計の目的」
年率は「その伸びが1年続いたら」の数字
日本のGDP速報では、前の四半期と比べた伸び(前期比)と、その伸びが1年間続いたと仮定して換算した「年率」の両方が示されます。内閣府の計算式は「(当期の実数÷前期の実数)の4乗−1」で、単純に4倍するのではなく複利で換算します。
| 前期比(四半期の伸び) | 年率の計算 | 年率 |
|---|---|---|
| +1.0% | 1.01×1.01×1.01×1.01 − 1 | 約+4.1% |
| +0.5% | 1.005×1.005×1.005×1.005 − 1 | 約+2.0% |
| ▲0.4% | 0.996×0.996×0.996×0.996 − 1 | 約▲1.6% |
※編集部による計算例。内閣府は四捨五入する前の実数で計算するため、公表されている前期比(例:4〜6月期の+0.4%)を4乗しても、公表の年率(+1.4%)とは一致しないことがあります。
米国のGDPは前期比年率が見出しの数字として報じられます。日米の成長率を比べるときは、どちらも年率にそろえて見ましょう。米国のGDPの見方は米国のGDPとはで解説しています。
GDPの1次速報と2次速報の違い
ここでは、1つの四半期のGDPが2回に分けて公表される仕組みを解説します。
1次速報は約1か月半後、2次速報はさらに約1か月後
内閣府は、1次速報を四半期終了から1か月と2週間程度後に、2次速報を、1次速報以降に新しく使えるようになった基礎資料を加えて、さらに約1か月後に公表するとしています。1次速報は早く出る分、まだ集まっていないデータを仮の値で置いて推計している部分があります。
| 公表の回 | 公表の時期の目安 | 2026年4〜6月期の例(実質・前期比) |
|---|---|---|
| 1次速報 | 四半期終了から約1か月半後 | 8月17日公表:+0.3%(年率+1.1%) |
| 2次速報 | 1次速報の約1か月後 | 9月8日公表:+0.4%(年率+1.4%) |
※内閣府「四半期別GDP速報 統計の目的」、2026年4-6月期の1次・2次速報ポイント解説より。
2次速報では設備投資が法人企業統計で見直される
4〜6月期の2次速報では、設備投資が1次速報の▲1.2%から▲0.9%へ上方改定されました。内閣府は、1次速報で仮置きしていた値が、財務省の「法人企業統計」(企業の決算をもとにした統計)の反映などで改定されたためと説明しています。2次速報は法人企業統計などを取り込んだ数字と覚えておくとよいでしょう。
なお、速報のあとも、毎年の年次推計や約5年ごとの基準改定で数字は見直されます。ニュースでは1次速報が大きく取り上げられやすいものの、その後の改定もあわせて確認しましょう。
出典:内閣府経済社会総合研究所「四半期別GDP速報 統計の目的」/同「2026年4-6月期GDP速報(2次速報値)ポイント解説」(PDF)/同「用語の解説(国民経済計算)」(PDF)
次回の日本のGDPの発表日と時刻
ここでは、内閣府が公表している今後のGDP速報の予定を整理します。公表時刻はいずれも日本時間の朝8時50分です。
次回は2026年11月16日(月)8時50分に7〜9月期1次速報
次回は2026年11月16日(月)8時50分に、2026年7〜9月期の1次速報が公表される予定です。日本の統計のため、米国の夏時間・冬時間による時刻のずれはありません。
| 公表予定日 | 内容 | 時刻 |
|---|---|---|
| 2026年11月16日(月) | 2026年7〜9月期 1次速報 | 8:50 |
| 2026年12月8日(火) | 2026年7〜9月期 2次速報 | 8:50 |
| 2027年2月15日(月) | 2026年10〜12月期 1次速報 | 8:50 |
| 2027年3月9日(火) | 2026年10〜12月期 2次速報 | 8:50 |
※2026年10月18日時点・内閣府経済社会総合研究所「公表予定」より。予定は変更される場合があり、ホームページへの掲載が公表時刻どおりにならない場合もあると注記されています。
日銀の金融政策決定会合は、10月29日・30日、12月17日・18日に予定されています。10月の会合は7〜9月期の1次速報より前、12月の会合は2次速報のあとに開かれる日程です。会合の内容は日銀会合(金融政策決定会合)とは、同じく四半期ごとの日銀の統計は日銀短観とはで確認できます。
出典:内閣府経済社会総合研究所「公表予定」/日本銀行「金融政策決定会合の運営」(開催日程)
ほかの主な指標の発表日は、経済指標とはにまとめています。
日本のGDPと為替・日銀の関係(一般論)
ここでは、日本のGDPがなぜ円相場のニュースで取り上げられるのかを、一般論として解説します。
景気の強さは日銀の金融政策の判断材料の1つ
金融先物取引業協会は、為替相場に影響する「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)」は、経済成長率、物価指数、国際収支、雇用統計などの経済指標から読み取れると説明しています。日本のGDPは、このうち日本の経済成長率を示す代表的な指標です。
日銀は2026年9月18日の会合で、短期の政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物=金融機関どうしが翌日までお金を貸し借りするときの金利)を1.25%程度に引き上げました。景気の強さは、物価とあわせて日銀が金利を動かすかどうかの判断材料の1つになり、金利の見通しを通じて円の材料になると見られることがあります。日銀の景気や物価の見通しは展望レポートとは、金利と為替の関係は政策金利とはで詳しく解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」/日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日・PDF)
GDPの結果だけで円高・円安は決まらない
ただし、GDPの数字が強くても弱くても、それだけで為替の方向は決まりません。市場は事前の予想との差や、米国の経済指標、日米の金利差など多くの材料をあわせて見ているためです。GDPは数か月前の四半期の結果で、公表時点では短観や物価の統計などで景気の様子がある程度分かっていることもあります。
当記事では、GDPの結果から将来の値動きを予想したり、売買を推奨したりはしていません。物価の指標は消費者物価指数(CPI)とは、日米の金利差は日米金利差とはもあわせて確認してみてください。
GDPの発表前後の取引で注意したいこと
金融先物取引業協会は、重要経済指標の発表の前後は、スプレッド(売値と買値の差で、取引のコスト)が平時より広がっている場合があると説明しています。また相場が急変したときは、ロスカット(損失を抑えるための強制決済)が十分に働かず、預けた証拠金以上の損失が出ることがあるとしています。
| 確認しておきたいこと | 内容 |
|---|---|
| 発表時刻 | 11月16日(月)・12月8日(火)とも8:50(日本時間) |
| 同じ時期の予定 | 日銀会合(10月29日・30日、12月17日・18日) |
| 取引の量 | 慣れないうちは発表前後に新しく注文しない、取引量を小さくするといった選択肢も考える |
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #7 スプレッド、手数料について」/金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
スプレッドの仕組みはスプレッドとは、強制決済の仕組みはロスカットとはで解説しています。
【まとめ】日本のGDPの最新結果と次回の発表日を確認しよう
当記事では、日本のGDPの最新結果と推移、前期比と年率の見方、1次速報と2次速報の違い、次回の発表日と時刻、為替・日銀との関係、発表前後の注意点をご紹介しました。2026年4〜6月期の実質GDPは前期比+0.4%(年率+1.4%)で、7〜9月期の1次速報は11月16日(月)8時50分公表予定です。
数字の意味が分かると、日本の景気や円相場のニュースが読みやすくなります。これからFXを始める方はFXの始め方で全体の流れを確認し、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月18日時点のものです。

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