FXは会社にバレる?住民税の徴収方法(普通徴収)と就業規則の確認ポイント

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FXは会社にバレる?住民税の徴収方法(普通徴収)と就業規則の確認ポイント

当記事では、FXの利益が会社に知られるきっかけになりうる住民税の仕組み、住民税を自分で納付する方法、就業規則で確認したいことを中心に解説します。あわせて、FXの利益が20万円以下の年や損失が出た年の扱いも、国税庁・地方税法・厚生労働省の情報をもとに整理します。

会社員の住民税は、原則として毎月の給与から差し引かれています。FXで利益が出た年は、その利益にかかる住民税の納め方によって会社が把握する住民税額が変わる場合があるため、仕組みを知っておくことで、申告をきちんとしたうえで納め方を自分で選べるようになります。

目次

FXは会社にバレる?きっかけになりうるのは住民税

結論からいうと、FXの利益にかかる住民税を給与からの天引きに合算して納めると、会社に届く住民税額にFXの分が反映される可能性があります。ここでは、その仕組みを地方税法の規定をもとに解説します。

会社員の住民税は給与から差し引かれる(特別徴収)

地方税法第321条の3では、給与の支払を受けている人の住民税(給与所得に係る所得割額と均等割額)は、特別徴収の方法によって徴収すると定めています。特別徴収とは、会社が毎月の給与から住民税を差し引いて、本人に代わって市区町村に納める仕組みです。

市区町村は、会社を特別徴収義務者として指定し、特別徴収する税額を会社と、会社を経由して本人に通知します(地方税法第321条の4)。この通知は、原則としてその年の5月31日までに行うこととされています。

通知書の様式(地方税法施行規則 第三号様式・同別表)では、会社あての「特別徴収義務者用」に載るのは従業員ごとの特別徴収税額と毎月の納付額で、所得の内訳の欄はありません。会社経由で本人に渡る「納税義務者用」には「先物取引」などの所得の内訳が載りますが、東京都中央区・西宮市・鹿児島市は圧着加工や封入などで本人以外が見られないようにしていると案内しています(2026年10月14日確認)。

給与以外の所得の住民税も天引きに加算されることがある

同じ第321条の3第2項では、給与所得者に給与以外の所得がある場合、市区町村は条例の定めにより、給与以外の所得に係る所得割額を、給与から差し引く住民税に加算して特別徴収できるとしています。FXの利益は給与以外の所得にあたるため、この方法で納めると、会社に通知される住民税額にFXの利益の分も含まれることになります。

FXの利益には、所得税15%のほかに地方税(住民税)5%がかかります(国税庁 No.1521)。税率の内訳はFXの税金の解説記事で詳しくまとめています。

申告書で「普通徴収」を希望すると天引きに加算しない定めがある

ただし、第321条の3第2項のただし書では、住民税の申告書に給与以外の所得に係る所得割額を普通徴収の方法によって徴収されたい旨の記載があるときは、この限りでないとしています。普通徴収とは、市区町村から届く納税通知書などで、自分で住民税を納める方法です。

つまり、申告のときに「自分で納付」を選べば、FXの利益にかかる住民税を給与からの天引きと分けて納める方法があります。ただし、「自分で納付」を選んでも特別徴収になる場合があり、取り扱いは市区町村によって異なります(次の章で、複数の市区町村の案内を比べます)。また、普通徴収を選んでも、会社にFXの利益を知られないことが保証されるわけではありません。

>>地方税法(e-Gov法令検索)

住民税を「自分で納付(普通徴収)」にする方法

FXの利益にかかる住民税を自分で納付するには、申告書の住民税の欄で徴収方法を選ぶことがポイントです。確定申告をする年と、しない年で使う申告書が変わります。

確定申告をする年は申告書第二表で「自分で納付」を選ぶ

国税庁の「確定申告の手引き」(令和7年分)では、申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」にある「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」について、次のように案内しています。

  • 給与・公的年金等に係る所得以外(令和8年4月1日において65歳未満の方は給与所得以外)の所得に対する住民税は、徴収方法を選択できる
  • 給与から差し引くことを希望する場合は「特別徴収」欄に○を記入する
  • 給与から差し引かないで、別に窓口等に自分で納付することを希望する場合は「自分で納付」欄に○を記入する

※令和7年分の手引きの記載です。2026年(令和8年)の取引を申告するときは、その年分の手引きで記載を確認しましょう

確定申告書を税務署に提出すると、税務署から地方公共団体に確定申告書等のデータが送信されるため、改めて住民税の申告書を出す必要はありません(国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」Q9)。確定申告書の作り方はFXの確定申告のやり方で解説しています。

>>手順6 住民税、事業税に関する事項を記入する(国税庁)

確定申告をしない年は住民税の申告書で徴収方法を記載する

所得税の確定申告をしない年は、市区町村に出す住民税の申告書が徴収方法を伝える書類になります。前述の第321条の3第2項のただし書は、住民税の申告書(地方税法第317条の2第1項の申告書)に普通徴収を希望する旨の記載がある場合を定めたものです。

地方税法施行規則で定める住民税の申告書の様式には、「給与から差引き(特別徴収)」「自分で納付(普通徴収)」を選ぶ欄があります。提出期限は原則3月15日です(横浜市は窓口のほか郵送・eLTAXの電子申告も受付)。実際の申告書は市区町村が配布しているため、お住まいの市区町村の申告書で確認しましょう。

通知書の内容と市区町村の取り扱いを確認する

普通徴収を選べるのは、給与以外の所得に係る所得割額の部分です。給与所得に係る住民税は、これまでどおり給与から差し引かれます(国税庁 確定申告の手引き)。

「自分で納付」を選んだときの扱いを、複数の市区町村の公式案内で比べると次のとおりです(2026年10月14日確認)。

項目市区町村の案内
「自分で納付」を選んだ場合給与以外の所得の分は普通徴収にできる(文京区・西宮市・中央区・鹿児島市で共通)
何も選ばなかった場合鹿児島市は「すべての税額を特別徴収」、静岡市は「すべて特別徴収となる場合があります」
「自分で納付」でも特別徴収になる例申告した所得がマイナス、追加した控除が所得より大きい、ふるさと納税などの税額控除が大きい場合(中央区・鹿児島市)。文京区は、所得がマイナスの場合や、源泉徴収票の内容で計算した住民税額の方が大きい場合と案内
申告の時期文京区は確定申告期限内の提出を案内

普通徴収の納期は、地方税法第320条で6月・8月・10月・1月中に市区町村の条例で定めるとされています。届いた特別徴収の通知書と納税通知書の税額を確認し、扱いが分からないときはお住まいの市区町村の住民税の担当課に問い合わせましょう。

FXの利益が20万円以下の年・損失の年はどうなる?

FXの所得の状況によって、住民税の手続きは変わります。ここでは、会社員の方が迷いやすい2つのケースを整理します。

20万円以下で確定申告がいらない年も住民税の申告は必要

給与を1か所から受けている会社員は、FXなど給与以外の所得金額が20万円以下であれば、所得税の確定申告はしなくてよい場合があります(国税庁 No.1900)。ただし、地方税法第317条の2第1項では、前年中に給与所得以外の所得があった人は、原則として3月15日までに住民税の申告書を提出することとされています。

つまり、FXの利益が20万円以下の年でも、住民税の申告は必要になるのが原則です。そのときに徴収方法を記載できるのは、前の章で解説したとおりです。20万円以下の年の扱いはFXの利益が20万円以下の場合の解説記事で詳しくまとめています。

損失の年はFXの利益に対する住民税はかからない

FXの所得が損失になった年は、FXの利益に対する住民税はかかりません。ただし、損失を翌年以後3年間繰り越すには、損失が出た年から確定申告を続ける必要があります(国税庁 No.1523)。繰越控除の手続きはFXの確定申告の解説記事を参考にしてみてください。

会社の就業規則・副業規定で確認したいこと

住民税の納め方を選べるとしても、会社のルールでFXなどの取引が制限されていないかを先に確認することが大切です。ここでは、厚生労働省の資料をもとに確認したい点を整理します。

副業・兼業は原則として認める方向とされている

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)では、裁判例をもとに、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるとしています。企業が制限できるのは、例えば次の場合と解されているとしています。

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 業務上の秘密が漏洩する場合
  3. 競業により自社の利益が害される場合
  4. 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

>>副業・兼業(厚生労働省)

FXが「副業」にあたるかは会社の規定で決まる

モデル就業規則やガイドラインは、主に「他の会社等の業務に従事する」働き方を想定したものです。自分のお金で行うFXの取引が、勤め先の就業規則で副業として扱われるかどうかは、会社ごとの規定によって異なります。

会社員がFXを始める前に確認したい就業規則のポイントは、FXは副業になる?会社員向けの解説記事でも整理しています。

就業規則で確認しておきたいポイント

就業規則や社内規程を読むときは、次の点を確認しましょう。分からないときは、人事・総務の担当部署に確認するのが確実です。

  • 副業・兼業の定義に、投資や資産運用が含まれているか
  • 副業・兼業をするときに、届出や許可が必要か
  • 勤務時間中の私的な取引や、会社の端末の利用についての決まりがあるか
  • 業務で知った情報の扱い(秘密保持)や、本人の取引についての社内規程があるか

公務員・金融機関にお勤めの方は追加の決まりも確認する

内閣人事局・人事院の「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」(令和6年6月)では、単に資産運用の一環として株式を所有したり、売買することは兼業規制に抵触するものではありませんとしています。ただし、府省によっては内規で株取引等を制限している場合があるとしています。このQ&A集にFXについての記載はないため(2026年10月14日時点)、公務員の方は所属先の人事担当部局に確認しましょう。

また、勤務先によっては口座開設の対象外になるFX会社もあります。たとえば、GMOクリック証券はFX専用取引口座の申込基準に「証券会社にお勤めではないこと」を、マネースクエアは「原則、金融先物取引業協会または日本証券業協会の会員会社に勤務していないこと」を挙げています(GMOクリック証券 口座開設申込受付基準・マネースクエア 口座開設基準)。

金融機関にお勤めの方は、法令上の決まりもあります。金融商品取引業等に関する内閣府令 第117条第1項第12号では、銀行など登録金融機関を含む金融商品取引業者等の役員・使用人が、自己の職務上の地位を利用して、職務上知り得た特別の情報に基づいて、または専ら投機的利益の追求を目的として有価証券の売買その他の取引等(デリバティブ取引を含む)をする行為を禁止しています。勤務先の社内規程とあわせて確認しましょう。

>>一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)(内閣人事局・人事院)

会社に知られたくない方が気をつけたい注意点

最後に、FXの利益を会社に知られたくないと考える方が、気をつけたいポイントを解説します。

注意点の1つ目は「申告をしないで済ませない」ことです

注意点の1つ目は「申告をしないで済ませない」ことです。国税庁の確定申告特集では、外国為替証拠金取引(FX)による収入は、先物取引に係る雑所得等として確定申告が必要と案内しています(年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下の方など、確定申告自体が不要な場合もあるとしています)。

確定申告が必要なのに期限までに申告しなかった場合は期限後申告となり、納める税金のほかに無申告加算税や延滞税がかかる場合があります(国税庁 No.2024)。なお、FX会社などの金融商品取引業者等は、店頭デリバティブ取引などの差金等決済について「先物取引に関する支払調書」を翌年1月31日までに税務署長へ提出することとされています(所得税法第225条第1項第13号)。会社に知られたくないからといって申告をしないのではなく、申告したうえで住民税の徴収方法を選びましょう。無申告のペナルティと期限後申告のやり方はFXの無申告はバレる?で解説しています。

注意点の2つ目は「勤務時間中に取引しない」ことです

注意点の2つ目は「勤務時間中に取引しない」ことです。前述の通り、厚生労働省のガイドラインでは、企業が副業・兼業を制限できる例として「労務提供上の支障がある場合」を挙げています。

FXは平日ほぼ24時間取引できるため、値動きが気になって仕事中にアプリを開いてしまうことも考えられます。あらかじめ決めた価格に達したら決済されるよう、損切りや利益確定の注文(指値・逆指値注文)を置いておく方法があります(相場の急変時などは、指定した価格と異なる価格で約定する場合があります)。注文の出し方はDMM FXアプリでの注文のやり方で解説しています。

注意点の3つ目は「生活に影響しない金額で取引する」ことです

注意点の3つ目は「生活に影響しない金額で取引する」ことです。FXは元本が保証されない取引で、レバレッジをかけると預けた証拠金を上回る損失が出る可能性もあります。

はじめての方は、少額で始められるFX口座で取引額を小さくするか、FXデモトレードができるアプリで練習してから始める方法もあります。

FXと会社・住民税に関するよくある質問

FXの利益は会社の年末調整で処理される?

国税庁 No.1900では、給与所得者は給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定する一方で、給与以外の所得金額の合計額が20万円を超える人などは確定申告をしなければならないとしています。FXの利益は給与ではないため、条件に当てはまる場合は、年末調整とは別にご自身で確定申告をします。

確定申告をしたら、住民税の申告も別に必要?

国税庁のQ&Aでは、確定申告書を税務署に提出した方は、改めて住民税の申告書を提出する必要はないとしています。ただし、住民税で所得税と異なる控除等を受けたい場合は、別途住民税の申告が必要になることがあるため、お住まいの市区町村に確認しましょう。

家族の扶養に入っている場合は?

会社員の配偶者や学生などで家族の扶養に入っている方は、FXの利益によって扶養の判定に影響が出る場合があります。扶養の基準はFXの利益と扶養の解説記事で整理しています。

【まとめ】FXが会社にバレるか不安なら住民税の徴収方法と就業規則を確認しよう

当記事では、FXが会社に知られるきっかけになりうる住民税の仕組み、普通徴収を選ぶ方法、20万円以下の年・損失の年の扱い、就業規則で確認したいこと、注意点をご紹介しました。FXの利益にかかる住民税は、申告書で「自分で納付」を選ぶと、給与からの天引きと分けて納める方法があります(実際の取り扱いは市区町村で確認が必要で、会社に知られないことを保証するものではありません)。一方で、必要な申告をしないで済ませることはできないため、利益が出た年は正しく申告することが大切です。

就業規則を確認して問題がなければ、少額から無理のない範囲で始めてみましょう。FX会社やアプリ選びに迷ったら、FXおすすめアプリ・口座の比較も参考にしてみてください。

FX取引のリスクについて

FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月14日時点のものです。

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この記事を書いた人

株式会社エウレカ編集部が運営するFX情報メディアの編集部です。

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