FXの無申告はバレる?支払調書の仕組みと無申告加算税・延滞税、期限後申告のやり方

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FXの無申告はバレる?支払調書の仕組みと無申告加算税・延滞税、期限後申告のやり方

当記事では、FXの無申告が税務署に把握される仕組み、無申告加算税・延滞税などのペナルティ、期限後申告・修正申告のやり方を中心に解説します。あわせて、損失が出た年や利益が20万円以下の年など、無申告と混同しやすいケースも国税庁の情報をもとに整理します。

FXの利益は、確定申告が必要な人が申告しないままにすると、本来の税金に加えて加算税や延滞税を納めることになる場合があります。一方で、期限を過ぎていても自分から早めに申告すれば、加算税の割合が低くなる仕組みもあります。

目次

FXの無申告とは?確定申告が必要なのに期限までに申告しないこと

FXの無申告とは、FXの利益があって確定申告が必要な人が、期限までに確定申告をしていない状態のことです。期限を過ぎてから提出する申告は「期限後申告」として扱われます(国税庁 No.2024)。

FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告が必要

国税庁の確定申告特集では、外国為替証拠金取引(FX)による収入は、先物取引に係る雑所得等として確定申告が必要と案内しています。税率は所得税15%(ほかに復興特別所得税、地方税5%)で、給与などとは分けて計算します(国税庁 No.1521)。税率の内訳はFXの税金の解説記事で詳しくまとめています。

ただし、全員が申告しなければならないわけではありません。たとえば給与を1か所から受けて年末調整を受けている会社員は、FXなど給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告をしなくてよい場合があります(国税庁 No.1900)。この基準の細かい条件はFXの利益が20万円以下の場合の解説記事で整理しています。

令和8年分(2026年の取引)の申告期限は令和9年3月15日

所得税の確定申告は、1年間(1月1日〜12月31日)の所得について翌年2月16日から3月15日までの間に行います(国税庁 No.2024)。国税庁の「主な国税の納期限」では、令和8年分の確定申告の納期限は令和9年3月15日(月)、令和7年分は令和8年3月16日(月)と掲載しています(2026年10月14日確認)。

申告が必要な2025年(令和7年)分を申告していない方は、2026年10月14日時点ですでに期限後申告の扱いです。

年分(取引した年)確定申告の納期限
令和7年分(2025年)令和8年3月16日(月)
令和8年分(2026年)令和9年3月15日(月)

※国税庁「主な国税の納期限」より(2026年10月14日確認)

>>主な国税の納期限(国税庁)

FXの無申告は税務署に分かる?支払調書と「決定」の仕組み

「FXの利益は申告しなければ分からないのでは」と考える方もいますが、国内のFX会社と税務署の間には、取引の内容を伝える仕組みが法律で定められています。

FX会社は「先物取引に関する支払調書」を税務署に提出する

所得税法第225条第1項第13号にもとづき、金融商品取引業者等は「先物取引に関する支払調書」を翌年1月31日まで(特例あり)に税務署長へ提出することとされています(国税庁 F1-41)。国税庁の記載要領では、この調書は店頭デリバティブ取引の差金等決済をした場合にも使い、「決済損益の額」の欄に差金等決済で確定した利益または損失の額を記載するとしています。

調書は差金等決済をした人ごとに作成され(所得税法施行規則第90条の5)、提出を省略できる金額の下限は同条に定められていません(2026年10月1日施行版で確認)。つまり、本人が申告するかどうかとは別に、FX会社から税務署へ調書を提出する仕組みです。

>>F1-41 先物取引に関する支払調書(同合計表)(国税庁)

FX会社にはマイナンバーの告知が必要

所得税法第224条の5では、FXなどの先物取引の差金等決済をする人は、差金等決済をする日までに、氏名・住所・個人番号(マイナンバー)をFX会社などに告知しなければならないと定めています。国税庁の記載要領では、支払調書の「個人番号」の欄に個人番号を記載するとしています。口座開設の段階でマイナンバーの提出を求めるFX会社もあります。口座開設の流れはDMM FXの口座開設のやり方で具体的に紹介しています。本人確認や登録情報が原因で取引が止まるケースはFXの口座凍結の解説記事で整理しています。

申告しないと税務署が税額を「決定」することがある

国税通則法第25条では、申告書を提出する義務があると認められる人が提出しなかった場合、税務署長は調査により税額等を決定すると定めています。期限後申告は、この決定があるまでは提出できます(同法第18条第1項)。

また、税務署が更正や決定をできる期間は、原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為により税額を免れた場合は7年とされています(同法第70条第1項・第5項)。数年前の年分でも、この期間内であれば決定の対象になります。

>>国税通則法(e-Gov法令検索)

FXの無申告のペナルティ|無申告加算税・重加算税・延滞税

期限後申告をしたり、税務署から決定を受けたりすると、納める税金のほかに次のような負担が生じる場合があります。

無申告加算税は「自主的な期限後申告」なら5%

国税庁 No.2024によると、無申告加算税の割合は、税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合は5%です。事前通知の後や調査の後になるほど割合が上がります。

期限後申告のタイミング納付すべき税金50万円まで50万円超300万円まで300万円超
調査の事前通知の前(自主的)5%5%5%
事前通知の後・調査による決定を予知する前10%15%25%
調査を受けた後・税務署の決定を受けた場合15%20%30%

※国税庁 No.2024(令和8年4月1日現在法令等)より。令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)の割合(令和4年分以前は300万円超の区分がなく、50万円を超える部分はそれぞれ15%・20%)。前年・前々年に無申告加算税等を課された場合や、調査で帳簿を提示しなかった場合などは、さらに10%等が加算されることがあります

たとえば、納める税金が60万円で、調査を受けた後に期限後申告をした場合は、50万円×15%+10万円×20%=9万5,000円の無申告加算税がかかる計算です。自主的に期限後申告をしていれば、60万円×5%=3万円になります。

※当サイトによる仮の前提での単純計算。加算税の端数処理や加重措置は考慮していません

期限から1か月以内の自主的な申告は無申告加算税がかからない場合がある

期限後申告でも、次の要件をすべて満たす場合は無申告加算税はかかりません(国税庁 No.2024)。

  • 期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること
  • 期限後申告で納める税金の全額を、法定納期限(口座振替の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること
  • 期限後申告書を提出した日の前日から5年前までの間に、無申告加算税・重加算税を課されたことがなく、この不適用も受けていないこと

1か月を過ぎていても、調査の事前通知の前に自主的に申告すれば割合は5%にとどまります。気づいた時点でできるだけ早く申告することが、負担を抑えるうえで大切です。

事実を隠蔽・仮装した場合は重加算税40%

国税通則法第68条第2項では、無申告加算税が課される場合に、税額の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装し、それにもとづいて申告しなかった場合などは、無申告加算税に代えて40%の重加算税を課すと定めています(調査による決定等を予知する前の自主的な申告の場合を除きます)。また、過去5年以内に無申告加算税(調査後のもの)や重加算税を課されたことがある場合などは、さらに10%が加算されます(同条第4項)。

延滞税は令和8年中の期間は年2.8%・年9.1%(割合は年ごとに異なる)

期限後申告で納める税金は、申告書を提出した日が納期限となり、納付の日までの延滞税をあわせて納付する必要があります(国税庁 No.2024)。延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じてかかります(国税庁 No.9205)。

期間令和8年1月1日〜12月31日令和4年1月1日〜令和7年12月31日
納期限までの期間と、納期限の翌日から2か月を経過する日まで年2.8%年2.4%
納期限の翌日から2か月を経過した日以後年9.1%年8.7%

※国税庁 No.9205(令和8年4月1日現在法令等)より。期限後申告の場合の「納期限」は申告書を提出した日。延滞税は本税だけが対象で、加算税には課されません

延滞税の割合は年ごとに定められているため、令和5年分(2023年の取引分)など過去の年分をまとめて期限後申告する場合は、延滞税がかかる期間ごとにその期間の割合で計算されます(国税庁 No.9205)。

>>No.9205 延滞税について(国税庁)

悪質な無申告には刑事罰の規定もある

所得税法には罰則の規定もあります。正当な理由なく確定申告書を期限までに提出しなかった者は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第241条、情状により刑の免除あり)、申告書を提出しないことにより所得税を免れた者は、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科(第238条第3項)とされています。

FXの無申告に気づいたときの対応|期限後申告・修正申告のやり方

無申告に気づいたときは、申告していなかったのか、申告したがFXの所得を入れ忘れたのかによって手続きが異なります。

手順1:申告が必要だった年分とFXの損益を確認する

まず、どの年分の申告が必要だったかを確認します。利用しているFX会社の取引報告書などで、年分ごとの決済損益やスワップポイントを確認しましょう。給与以外の所得の合計が20万円以下で申告が不要だった年分もあるため、年ごとに判定します。

複数のFX会社で取引していた場合は、すべての口座の損益を合計します。口座を複数持つときの注意点はFX口座を複数持つときの使い分けと注意点でも解説しています。

手順2:申告していない年分は期限後申告をする

申告していなかった年分は、期限後申告をします。国税庁は、期限内に確定申告を忘れた場合でも、その事実を把握した際には、できるだけ早く申告するよう案内しています(No.2024)。

  • 作成:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って金額を入力すると税額が自動計算される
  • 提出:作成したデータをe-Taxで送信するか、印刷して所轄の税務署に郵送等で提出する
  • 納付:申告書を提出した日が納期限になるため、その日に税金を納め、延滞税もあわせて納付する

確定申告書の作成手順や必要書類は、FXの確定申告のやり方で詳しく解説しています。

>>No.2024 確定申告を忘れたとき(国税庁)

手順3:申告済みでFXを入れ忘れた年分は修正申告をする

医療費控除などで確定申告をしたのにFXの所得を入れていなかった場合は、無申告ではなく「申告内容の誤り」として修正申告で訂正します(国税庁 No.2026)。国税庁は、確定申告をする場合は原則として全ての収入を申告する必要があると案内しています。

修正申告のタイミング過少申告加算税
調査の事前通知の前(自主的)かからない
事前通知の後・調査による更正を予知する前5%(当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)
調査を受けた後・税務署の更正を受けた場合10%(同じく超える部分は15%)

※国税庁 No.2026(令和8年4月1日現在法令等)より。修正申告で新たに納める税金は修正申告書を提出する日が納期限となり、延滞税もあわせて納付します。当初の確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります

>>No.2026 確定申告を間違えたとき(国税庁)

FXの無申告と混同しやすいケース|損失の年・20万円以下・住民税

「申告していない」状態でも、すべてが無申告の問題になるわけではありません。ここでは、よく混同されるケースを整理します。

損失の年はFXの税金はかからないが、損失を繰り越すには申告が必要

FXで損失が出た年は、FXの所得について納める税金はありません。ただし、損失を翌年以後3年間繰り越して利益と相殺するには、損失が生じた年分から付表を添付して確定申告をし、その後も連続して申告する必要があります(国税庁 No.1523)。損失の年の申告方法や、損失の年の申告を忘れた場合の扱いはFXで損失が出た年の確定申告で解説しています。

20万円以下で申告不要の年は無申告にあたらない

給与を1か所から受けている会社員で、FXなど給与以外の所得の合計が20万円以下の年は、所得税の確定申告をしなくてよい場合があります(国税庁 No.1900)。ただし、医療費控除やふるさと納税で確定申告をする年は、20万円以下のFXの所得もあわせて申告します(No.1900 Q&A)。

所得税の申告が不要でも住民税の申告は別に必要

所得税の確定申告が不要な年でも、地方税法第317条の2第1項では、前年中に給与所得以外の所得があった人は、原則として住民税の申告書を3月15日までに市区町村長に提出することとされています。正当な理由なく提出しなかった場合、市町村は条例で10万円以下の過料を科す旨を定めることができます(同法第317条の5)。住民税の申告と徴収方法はFXは会社にバレる?住民税の徴収方法の解説記事で整理しています。

FXの無申告に関するよくある質問

利益が少額なら申告しなくても分からない?

申告が必要かどうかは、金額や「分かるかどうか」ではなく、法律の基準で決まります。会社員の20万円の基準など申告が不要になる条件に当てはまらない限り、利益が少額でも期限までに申告が必要です。前述の通り、国内のFX会社は差金等決済の損益を記載した支払調書を税務署に提出することとされています。

無申告は何年でバレる?何年前の分までさかのぼる?

法律に「何年でバレる」という定めはありません。定めがあるのは税務署が決定などをできる期間(いわゆる除斥期間)で、国税通則法第70条は原則として法定申告期限から5年(偽りその他不正の行為がある場合は7年)としています。延滞税は納付が遅れた日数に応じて増え、税務署の調査の事前通知の後になると無申告加算税の割合も上がるため、申告が必要だった年分がある場合は、期間が過ぎるのを待つのではなく、気づいた時点で年分ごとに期限後申告をしましょう。迷う場合は所轄の税務署に相談できます。

これからFXを始める場合、税金で気をつけることは?

年間の損益を把握できるよう、取引する口座を整理しておくと申告の準備がしやすくなります。口座選びに迷ったら、FXおすすめアプリ・口座の比較で各社の特徴を確認してみてください。FX会社を選ぶときの確認点は危ないFX会社の見分け方で解説しています。

【まとめ】FXの無申告に気づいたら早めに期限後申告をしよう

当記事では、FXの無申告とは何か、税務署に把握される仕組み、無申告加算税・重加算税・延滞税、期限後申告・修正申告のやり方、混同しやすいケースをご紹介しました。国内のFX会社は支払調書を税務署に提出することとされており、申告が必要な人が申告しないままにすると、本来の税金に加えて加算税や延滞税を納めることになる場合があります。

無申告に気づいたら、調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をすることで、無申告加算税の割合は5%にとどまり、1か月以内などの要件を満たせばかからない場合もあります。FXは損失が出る可能性もある取引のため、少額から無理のない範囲で始め、年間の損益を記録しておきましょう。少ない資金で始められる口座は少額で始められるFX口座で紹介しています。

DMM FXの取引の流れを確認したい方は、DMM FXの評判も参考にしてみてください。

FX取引のリスクについて

FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月14日時点のものです。

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この記事を書いた人

株式会社エウレカ編集部が運営するFX情報メディアの編集部です。

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