最終更新:2026年10月29日
当記事では、カナダドルの政策金利(カナダ銀行の翌日物金利の誘導目標)の最新値と直近の決定、2024年からの推移、今後の発表日程と日本時間を中心に解説します。あわせて、カナダドル円と金利・原油価格の関係や、発表前後の注意点も整理します。
カナダの政策金利は、中央銀行であるカナダ銀行(Bank of Canada、BOC)が年8回発表しています。カナダドル円のニュースを読む土台になる数字のため、まずは最新の決定から確認していきましょう。
カナダドルの政策金利の最新値は2.50%【2026年10月28日決定】
2026年10月28日は0.25%引き上げて2.50%に
カナダ銀行は2026年10月28日、翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げて2.50%にすると発表しました。翌日物金利とは、金融機関どうしが1日だけお金を貸し借りするときの金利です。2025年12月から7回続いた据え置きの後の利上げで、マックレム総裁は会見の冒頭陳述で、2023年7月以来の利上げだと説明しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年10月28日(水)・金融政策報告も同時公表 |
| 決定内容 | 翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げ |
| 政策金利 | 2.50%(前回の2.25%から引き上げ) |
| 次回の発表 | 2026年12月9日(水) |
※2026年10月29日時点。
出典:Bank of Canada「Bank of Canada raises the policy rate by 25 basis points to 2½%」(2026年10月28日)/Bank of Canada「Monetary Policy Report press conference opening statement」(2026年10月28日)/Bank of Canada「Policy interest rate」
声明では「エネルギー高が物価全体に広がるリスク」を抑えるためと説明
声明文は、物価の上昇率が7月の見通しより高く長引く一方、景気は持ち直し、今後も回復が続く見込みだとしています。そのうえで、エネルギー価格の高止まりが他の財・サービスに幅広く広がるリスクを抑えるために利上げしたと説明しています。今後については、追加の利上げが必要になる可能性があるものの、不確実性を踏まえて慎重に進める(原文:proceed carefully)としています。
物価については、消費者物価指数(CPI)の上昇率が4月以降3%前後で推移し、年末には約3½%になる見込みです。ガソリンを除くと9月は2.2%で、基調的なインフレ率(コアインフレ)の指標は2%近くです。CPI上昇率は2027年の平均で3%(7月の見通しより1%ポイント高い)とし、2%に戻るのは2028年半ばとしています。
景気は持ち直す一方、米国の新たな関税で10〜12月期は減速の見込み
景気については、2026年4〜6月期のGDPが3.3%増と持ち直し、7〜9月期は約2%増と7月の想定より強い見込みだと説明しています。失業率は数か月にわたって6½%前後です。一方で、米国の新たな関税で10〜12月期の成長は鈍り、2027年に持ち直すとしています。成長率の見通しは2026年が1%、2027年と2028年が2%です。
カナダ銀行(BOC)とは?政策金利を決める仕組み
カナダ銀行はカナダの中央銀行
カナダ銀行(Bank of Canada)は、カナダの中央銀行で、日本でいう日本銀行にあたる組織です。金融政策は、政府から独立した「政策理事会(Governing Council)」が担っています。
カナダ銀行は、物価上昇率を「1〜3%の目標レンジの中心である2%」に保つことを目指しています。目標は消費者物価指数(総合)の前年比で測ります。
出典:Bank of Canada「Monetary policy」/Bank of Canada「Inflation」
政策金利は「翌日物金利の誘導目標」
カナダの金融機関は、毎日の支払いの過不足を埋めるために、1日だけお金を貸し借りしています。カナダ銀行は、この翌日物の貸し借りの金利の目標(target for the overnight rate)を決めることで金融政策を行っています。
目標金利の上下には、カナダ銀行が金融機関に1日お金を貸すときの金利(Bank Rate)と、預かるときの金利(預金金利)が置かれています。2026年10月28日の決定後は、預金金利が政策金利より0.05%低い2.45%、Bank Rateが0.25%高い2.75%です。なお、2021年以降、変更は発表の翌日から適用されます。
出典:Bank of Canada「Understanding our policy interest rate」/Bank of Canada「Policy interest rate」/Bank of Canada(2026年10月28日)
年8回の決められた日に発表する
カナダ銀行は、年8回の決められた日(fixed announcement dates)に政策金利を発表しています。2020年3月の新型コロナ対応のように、特別な状況では決められた日以外に変更することもあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決める組織 | 政策理事会(Governing Council) |
| 発表の回数 | 年8回(あらかじめ日程を公表) |
| 発表時刻 | 午前9時45分(カナダ東部時間) |
| 経済見通し(金融政策報告) | 年4回(1月・4月・7月・10月の発表と同時) |
| 議論の要旨 | 決定の2週間後に公表 |
※2026年10月29日時点。
出典:Bank of Canada「Understanding our policy interest rate」/Bank of Canada「Upcoming events」
カナダドルの政策金利の推移【2024年〜2026年】
2024年6月〜2026年10月の決定一覧
2024年6月以降の政策金利の推移は次のとおりです。2025年10月29日に2.25%へ下げた後は7回連続で据え置き、2026年10月28日に2.50%へ引き上げました。表は発表のたびに先頭へ追記していきます。
| 発表日 | 変更幅 | 政策金利 |
|---|---|---|
| 2026年10月28日 | +0.25% | 2.50% |
| 2026年9月2日 | 据え置き | 2.25% |
| 2026年7月15日 | 据え置き | 2.25% |
| 2026年6月10日 | 据え置き | 2.25% |
| 2026年4月29日 | 据え置き | 2.25% |
| 2026年3月18日 | 据え置き | 2.25% |
| 2026年1月28日 | 据え置き | 2.25% |
| 2025年12月10日 | 据え置き | 2.25% |
| 2025年10月29日 | -0.25% | 2.25% |
| 2025年9月17日 | -0.25% | 2.50% |
| 2025年7月30日 | 据え置き | 2.75% |
| 2025年6月4日 | 据え置き | 2.75% |
| 2025年4月16日 | 据え置き | 2.75% |
| 2025年3月12日 | -0.25% | 2.75% |
| 2025年1月29日 | -0.25% | 3.00% |
| 2024年12月11日 | -0.50% | 3.25% |
| 2024年10月23日 | -0.50% | 3.75% |
| 2024年9月4日 | -0.25% | 4.25% |
| 2024年7月24日 | -0.25% | 4.50% |
| 2024年6月5日 | -0.25% | 4.75% |
※2026年10月29日時点。2025年3月以前の発表日は、同行の時系列データ(適用日の前日)から算出。2023年7月から2024年6月の利下げまでは5.00%でした。
出典:Bank of Canada「Policy interest rate」/Bank of Canada「Target for the overnight rate(V39079)」
2024年〜2025年は利下げを続けて2.25%に
カナダ銀行は、2024年6月に利下げを始め、5.00%から2.25%まで、合計2.75%引き下げました。2025年9月の声明では、米国の関税で輸出が落ち込み、失業率が7.1%まで上がったことなどを背景に挙げ、10月の声明では自動車・鉄鋼・アルミニウム・木材などの分野が大きな打撃を受けていると説明していました。
出典:Bank of Canada「Bank of Canada lowers policy rate to 2½%」(2025年9月17日)/Bank of Canada「Bank of Canada lowers policy rate to 2¼%」(2025年10月29日)
2026年は据え置きが続いた後、10月に利上げへ
2026年1月の声明は、2026年の成長率見通しを1.1%とし、米国の保護主義への適応が続くと説明していました。7月の声明では、中東の紛争によるガソリン価格の上昇でCPI上昇率が5月に3.2%まで上がったとしつつ、2027年の初めには2%前後に戻るという見通しを示しています。
10月の声明では、中東の紛争が8か月目に入ってエネルギー価格が高止まりし、物価の見通しが7月より高く長引くとして、2.25%から2.50%へ引き上げました。2.50%は、利下げ前の5.00%の半分の水準です。
出典:Bank of Canada「Bank of Canada maintains policy rate at 2¼%」(2026年1月28日)/Bank of Canada「Bank of Canada maintains the policy rate at 2¼%」(2026年7月15日)/Bank of Canada(2026年10月28日)
カナダ銀行の発表日程と日本時間の発表時刻【2026年〜2027年】
発表は日本時間22時45分(冬時間は23時45分)
カナダ銀行の政策金利は、カナダ東部時間の午前9時45分に発表されます。首都オタワのあるオンタリオ州は、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで夏時間で、2026年は11月1日(日)に冬時間(標準時)へ戻ります。
| 期間 | カナダ東部の時間帯 | 日本との時差 | 発表時刻(日本時間) |
|---|---|---|---|
| 夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜) | 東部夏時間(EDT) | 日本より13時間遅い | 22時45分 |
| 冬時間(上記以外) | 東部標準時(EST) | 日本より14時間遅い | 23時45分 |
※夏時間の切り替えは日曜日の午前2時(現地時間)。米国と同じ日程です。
出典:Bank of Canada「Upcoming events」/カナダ国立研究機構(NRC)「Time zones and daylight saving time」
2026年の残りの発表は12月9日の1回
10月28日の発表が終わり、2026年の残りの発表は1回です。次回は2026年12月9日(水)の日本時間23時45分で、11月1日に冬時間へ切り替わるため、10月より1時間遅くなります。10月28日の決定についての議論の要旨は、11月10日(日本時間11月11日3時30分)に公表される予定です。
| 発表日(現地) | 発表時刻(日本時間) | 同時に公表されるもの |
|---|---|---|
| 2026年10月28日(水) | 10月28日 22時45分(発表済み) | 金融政策報告 |
| 2026年12月9日(水) | 12月9日 23時45分 | ― |
※2026年10月29日時点。日程は変更される場合があります。
2027年の発表日程
カナダ銀行は2027年の発表日程も公表しています。日本時間は、2027年の夏時間(3月14日〜11月7日の見込み)をもとに算出しています。
| 発表日(現地) | 発表時刻(日本時間) | 同時に公表されるもの |
|---|---|---|
| 2027年1月27日(水) | 23時45分 | 金融政策報告 |
| 2027年3月3日(水) | 23時45分 | ― |
| 2027年4月28日(水) | 22時45分 | 金融政策報告 |
| 2027年6月2日(水) | 22時45分 | ― |
| 2027年7月21日(水) | 22時45分 | 金融政策報告 |
| 2027年9月8日(水) | 22時45分 | ― |
| 2027年10月27日(水) | 22時45分 | 金融政策報告 |
| 2027年12月8日(水) | 23時45分 | ― |
出典:Bank of Canada「Policy interest rate(Schedule for 2026・2027)」
日米の政策金利の最新値は「政策金利とは」、ほかの主な指標の日程は「経済指標とは」の記事にまとめています。
カナダドル円と政策金利・原油価格の関係
ここでは、カナダの政策金利や原油価格がカナダドル円とどう関係するのかを、一般論として解説します。当記事では、カナダドル円の値動きを予想したり、売買を推奨したりはしていません。
カナダドルは日本だけでなく米国の金利・米ドルの影響も受ける
金融先物取引業協会は、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上昇することが考えられると説明しています。ただし、カナダドル円は日本の金融政策や市場の予想との差、米国の動きでも動くため、政策金利だけで方向は決まりません。
カナダ銀行自身も、2026年7月の声明で、米国の国債の金利が上がりカナダとの差が開いたことがカナダドル安の一因になったと説明しています。9月の声明では、米ドル安を受けてカナダドルがやや上昇したとしています。このように、カナダドルは米国の金利や米ドルの動きの影響も受けることがあります。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」/Bank of Canada(2026年7月15日)/Bank of Canada(2026年9月2日)
カナダは原油の輸出国で、原油価格も注目される
カナダエネルギー規制機関(CER)によると、2023年のカナダの原油輸出は輸出総額の16%を占めました。米国向けの比率は2023年に約97%、トランス・マウンテン・パイプラインの拡張で米国以外への輸出が増えた2024年も約93%(数量ベース)で、輸出先の大半は米国です。このため、原油価格はカナダの輸出額に影響しやすく、カナダドルの値動きを見るうえで材料の1つとして注目されることがあります。
ただし、原油価格とカナダドルが常に同じ方向に動くわけではありません。2026年は中東の紛争で原油価格が高い状態が続いていますが、カナダ銀行は同時に、ガソリン高による物価の上振れや米国の関税を景気のリスクとして挙げています。原油高だけでカナダドル高になるとは限らない点に注意しましょう。
出典:Canada Energy Regulator「Market Snapshot: Almost all Canadian crude oil exports went to the United States in 2023」/Canada Energy Regulator「Market Snapshot: Annual Trade Summary – Crude Oil」(2025年6月11日)
日本とカナダの政策金利の差は約1.25%
2026年10月29日時点で、カナダの政策金利は2.50%、日本の政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標)は1.25%程度で、単純に差し引くと両国の政策金利の差は約1.25%です。日本銀行が2026年9月18日に利上げして差がいったん約1.00%に縮んだ後、カナダ銀行の10月28日の利上げで再び広がりました。なお、この数値は日本銀行の10月30日の会合の結果が出る前のものです。
| 国・中央銀行 | 政策金利 | 直近の決定 | 次回の発表 |
|---|---|---|---|
| カナダ(カナダ銀行) | 2.50% | 2026年10月28日(利上げ) | 2026年12月9日 |
| 日本(日本銀行) | 1.25%程度 | 2026年9月18日(利上げ) | 2026年10月30日(会合は29日・30日) |
※2026年10月29日時点(日本銀行の10月30日の会合の結果が出る前)。
出典:Bank of Canada「Policy interest rate」/Bank of Canada(2026年10月28日)/日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)
スワップポイントは金利差に相当するが、政策金利の差とは一致しない
スワップポイントは、買った通貨と売った通貨の金利差に相当する金額です(金融先物取引業協会)。ただし、政策金利の差がそのままスワップポイントになるわけではなく、実際の金額は会社ごと・日ごとに異なり、受け払いが逆転することもあります。仕組みは「スワップポイントとは」、各社の比べ方は「スワップポイント比較」で解説しています。
円安・円高の基本は「円安・円高とは」、ほかの資源国通貨の金利は「豪ドルの政策金利」「NZドルの政策金利」、日米の金利差は「日米金利差」で確認できます。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #8 スワップポイントについて」/金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
カナダ銀行の発表前後の取引で注意したいこと
金融先物取引業協会は、重要経済指標の発表の前後などは、スプレッドが平時より広がっている場合があると説明しています。発表は日本の夜にあたるため、次の点を確認しておきましょう。
| 確認しておきたいこと | 理由 |
|---|---|
| 発表時刻(22時45分か23時45分か) | 11月1日に冬時間へ切り替わり、1時間ずれるため |
| 近い日の米国・日本の予定 | FOMCや日銀会合と日程が近いと、カナダドル円が続けて大きく動くことがあるため |
| 取引量とロスカットの水準 | 急な値動きで想定より大きな損失やロスカット(強制決済)につながることがあるため |
レバレッジをかけた取引では、預けた証拠金を上回る損失が出る可能性もあります(金融先物取引業協会)。スプレッドの仕組みは「スプレッドとは」、強制決済の仕組みは「ロスカットとは」、レバレッジのリスクは「レバレッジとは」で解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #7 スプレッド、手数料について」/金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
【まとめ】カナダドルの政策金利と発表日程を確認しよう
当記事では、カナダドルの政策金利の最新値と推移、カナダ銀行の仕組み、発表日程と日本時間、カナダドル円と金利・原油価格の関係をご紹介しました。カナダ銀行は2026年10月28日に政策金利を0.25%引き上げ、2026年10月29日時点の政策金利は2.50%です。次回は12月9日(水)の日本時間23時45分に発表される予定です。
政策金利の動きが分かると、カナダドル円のニュースやスワップポイントの変化が読みやすくなります。これからFXを始める方はFXの始め方で全体の流れを確認し、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月29日時点のものです。

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