最終更新:2026年10月17日
米国のGDP(国内総生産)とは、米国内で生み出されたモノやサービスの価値の合計で、米商務省の経済分析局(BEA)が四半期ごとに公表する、経済の規模を表す統計です。当記事では、最新の結果と推移、「前期比年率」という数字の読み方、速報値・改定値・確定値の違い、発表日と日本時間を中心に解説します。あわせて、日本のGDPとの見方の違いや為替との関係も整理します。
米国のGDPは、米国の景気が伸びているか縮んでいるかを示す代表的な指標で、ドル円のニュースでもよく取り上げられます。最新の2026年4〜6月期は実質で前期比年率+2.2%(9月30日公表の確定値)、次回の7〜9月期速報値は10月29日(木)21時30分(日本時間)に公表される予定です。まずは最新の数字から確認していきましょう。
米国GDPの最新結果【2026年9月30日公表・4〜6月期確定値】
ここでは、2026年10月17日時点で公表済みの最新の結果として、BEAが2026年9月30日に公表した2026年4〜6月期の確定値(Third Estimate)を整理します。
4〜6月期の実質GDPは前期比年率+2.2%
2026年4〜6月期の米国の実質GDPは、前期比年率で2.2%の増加でした。前期の1〜3月期は2.5%の増加(改定後)です。BEAは、増加に寄与した項目として個人消費・投資・輸出を挙げています。なお、GDPの計算では差し引かれる輸入も増加しました。
| 項目 | 2026年4〜6月期(確定値) |
|---|---|
| 実質GDP(前期比年率) | +2.2% |
| 実質GDP(前期比) | +0.6% |
| 名目GDP(前期比年率) | +8.5% |
| 実質GDI(国内総所得・前期比年率) | +2.6% |
| PCE価格指数(前期比年率) | +5.0% |
| PCE価格指数(食品・エネルギーを除く) | +3.3% |
※2026年9月30日公表・BEA「GDP (Third Estimate)…2nd Quarter 2026」より。数値は季節調整済み(季節ごとの決まった増減をならした数字)。
PCE価格指数(個人消費支出価格指数)は個人消費の物価の動きを示す指標で、GDPと同じ発表の中で公表されます。FOMC(FRBの金融政策を決める会合)は、PCE価格指数の前年比2%の上昇を長い目で見た物価の目標としています。GDI(国内総所得)は、生産の側から測るGDPを、所得の側から測り直した数字です。本来は同じ値になりますが、使う統計が違うため差が出ます。名目GDPは物価の変動を含んだ金額の伸びで、実質GDPは物価の変動を取り除いた伸びです。
速報値の+1.5%から0.7ポイント上方改定された
4〜6月期の実質GDPは、7月30日の速報値と8月26日の改定値がともに1.5%でしたが、9月30日の確定値で2.2%へ0.7ポイント上方修正されました。BEAは、主に投資・個人消費・政府支出が上方改定されたことによると説明しています。
同じ9月30日の公表では、毎年9月ごろに行う「年次改定」の結果も反映されました。2021年1〜3月期から2026年1〜3月期までの数値が見直され、1〜3月期の実質GDPは2.1%から2.5%へ改定されています。
出典:BEA「GDP (Third Estimate), Industries, Corporate Profits, State GDP, and State Personal Income, 2nd Quarter 2026」(2026年9月30日)/BEA「Gross Domestic Product」/FRB「Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy」(PDF)
米国の実質GDP成長率の推移(2025年〜2026年)
ここでは、直近6四半期の実質GDP成長率(前期比年率)を、最初の公表値から最新の値まで並べて整理します。GDPは一度公表されたあとも何度も修正されるため、どの時点の数字かをあわせて見ることが大切です。
年次改定後の最新値では直近6四半期すべてプラス成長
| 四半期 | 速報値 | 改定値 | 確定値 | 最新値(2026年9月30日時点) |
|---|---|---|---|---|
| 2026年4〜6月期 | +1.5%(7/30) | +1.5%(8/26) | +2.2%(9/30) | +2.2% |
| 2026年1〜3月期 | +2.0%(4/30) | +1.6%(5/28) | +2.1%(6/25) | +2.5% |
| 2025年10〜12月期 | +1.4%(2026/2/20) | +0.7%(3/13) | +0.5%(4/9) | +0.2% |
| 2025年7〜9月期 | +4.3%(2025/12/23・Initial) | +4.4%(2026/1/22・Updated) | ―(※) | +3.9% |
| 2025年4〜6月期 | +3.0%(2025/7/30) | +3.3%(8/28) | +3.8%(9/25) | +4.0% |
| 2025年1〜3月期 | -0.3%(2025/4/30) | -0.2%(5/29) | -0.5%(6/26) | +0.1% |
※前期比年率・季節調整済み。カッコ内は公表日。最新値は2026年9月30日の年次改定後の値。BEA「Vintage History of Quarterly GDP and GDI Estimates」(2026年9月30日更新)より。※2025年7〜9月期は通常と異なり2回の公表でした(下記)。
2025年7〜9月期は、通常の3回の公表とは異なり、2025年12月23日に最初の推計(Initial、+4.3%)、2026年1月22日に更新値(Updated、+4.4%)が公表されました。表のとおり、2025年1〜3月期は確定値のマイナス0.5%が、その後の年次改定を経て2026年9月30日時点ではプラス0.1%に変わっています。
次の新しい四半期として、2026年7〜9月期の速報値が10月29日に公表される予定です。公表後は、この表の先頭に追記していきます。
米国のGDPとは?BEAが公表する経済成長率の指標
ここでは、米国のGDPが何を測る統計なのか、ニュースでよく見る「前期比年率」とはどういう数字なのかを解説します。
GDPは米国内で生み出された最終的なモノ・サービスの価値
BEAは、GDPを米国内で生産された最終的な財(モノ)とサービスの価値と説明しています。「最終的な」とは、部品や原材料のように別の製品を作るために使われるものを二重に数えないという意味です。
GDPには「名目」と「実質」があります。名目GDPはその期間の市場価格で計算した金額で、物価が上がるだけでも増えます。実質GDPは物価の変動の影響を取り除いたもので、経済成長率として報じられるのは通常、実質GDPの伸びです。
出典:BEA「What to Know about GDP」
前期比年率は「その伸びが1年続いたら」の数字
米国のGDPの伸び率は、前の四半期と比べた伸び(前期比)を、その伸びが4四半期(1年)続いたと仮定して年率に換算した「前期比年率」で発表されます。BEAは、年間の伸び率と比べやすくするためと説明しています。換算は単純に4倍するのではなく、複利で計算します。
| 前期比(四半期の伸び) | 前期比年率の計算 | 前期比年率 |
|---|---|---|
| +0.5% | 1.005×1.005×1.005×1.005 − 1 | 約+2.0% |
| +1.0% | 1.01×1.01×1.01×1.01 − 1 | 約+4.1% |
| -0.5% | 0.995×0.995×0.995×0.995 − 1 | 約-2.0% |
※編集部による計算例。
たとえば2026年4〜6月期は、前期比年率が2.2%、前期比では0.6%です(いずれもBEAの公表値で、四捨五入の関係で計算が一致しない場合があります)。「米GDP 2.2%」は1年間で2.2%伸びたという意味ではない点に注意しましょう。
出典:BEA「Why does BEA publish percent changes in quarterly series at annual rates?」
米GDPの速報値・改定値・確定値の違い
ここでは、1つの四半期のGDPが3回に分けて公表される仕組みを解説します。米GDPの公表が毎月のようにあるのは、この仕組みがあるためです。
1つの四半期について約1か月ごとに3回公表される
BEAは、四半期が終わって約1か月後に速報値(Advance Estimate)、約2か月後に改定値(Second Estimate)、約3か月後に確定値(Third Estimate、「3次推計」とも訳されます)を公表します。速報値は、その時点で集まっている不完全なデータをもとにした早めの推計で、改定値・確定値では後から入手できたデータを加えて精度を高めます。
| 公表の回 | 英語名 | 公表の時期の目安 | 2026年7〜9月期の予定 |
|---|---|---|---|
| 速報値 | Advance Estimate | 四半期の終了から約1か月後 | 2026年10月29日 |
| 改定値 | Second Estimate | 約2か月後 | 2026年11月25日 |
| 確定値 | Third Estimate | 約3か月後 | 2026年12月23日 |
※BEA「Vintage History」ReadMe・「Release Schedule」より(2026年10月17日時点)。
市場の注目は速報値に集まりやすいが確定値も見直される
速報値はその四半期の最初の数字のため、ニュースでも大きく取り上げられます。ただし前述の4〜6月期のように、確定値で0.7ポイント修正されることもあります。また「確定値」という呼び名でも、毎年9月ごろの年次改定や、約5年ごとの包括改定でさらに見直されます。
なお、GDIは速報値の段階では公表されず、改定値(10〜12月期は確定値)から公表されます。
出典:BEA「Vintage History」(ReadMeシート)/BEA「What to Know about GDP」
米GDPの発表日と日本時間
ここでは、今後の米GDPの発表日と日本時間を整理します。米国の夏時間(サマータイム)は2026年11月1日に終わるため、日本時間が1時間ずれる点に注意しましょう。
次回は2026年10月29日(木)21時30分に7〜9月期の速報値
BEAのGDPの発表時刻は、米国東部時間の午前8時30分です。次回は2026年10月29日(木)の日本時間21時30分に、2026年7〜9月期の速報値が公表される予定です。11月以降は米国が冬時間になるため、日本時間22時30分の発表になります。
| 公表日(米国) | 内容 | 日本時間 |
|---|---|---|
| 2026年10月29日(木) | 2026年7〜9月期 速報値 | 10月29日 21:30 |
| 2026年11月25日(水) | 2026年7〜9月期 改定値 | 11月25日 22:30 |
| 2026年12月23日(水) | 2026年7〜9月期 確定値 | 12月23日 22:30 |
※2026年10月17日時点・BEA「Release Schedule」より。米国東部時間8:30を日本時間に換算(夏時間は日本との時差13時間、冬時間は14時間)。日程は変更される場合があります。
10月29日は、個人所得・個人消費支出(9月分)も同じ時刻に公表される予定です。また同じ日の日本時間3時ごろにはFOMCの結果発表、10月29日・30日には日銀の金融政策決定会合も予定されています。FOMCの日程はFOMCとは、日銀会合は日銀会合(金融政策決定会合)とはで確認できます。
出典:BEA「Release Schedule」/BEA「GDP (Third Estimate)…2nd Quarter 2026」(次回公表日の記載)/BEA「Gross Domestic Product」
ほかの主な指標の発表日は、経済指標とはにまとめています。
米国のGDPと日本のGDPの見方の違い
日本のGDPも四半期ごとに公表されますが、報道で使われる数字の見せ方に違いがあります。ここでは、比べるときに気をつけたい点を解説します。
日本は「前期比」と「年率」の両方が報じられる
日本のGDP速報は内閣府が公表し、季節調整済みの前期比と、それを年率に換算した数字の両方が示されます。たとえば2026年4〜6月期の2次速報(9月8日公表)は、実質で前期比0.4%(年率1.4%)でした。
一方、米国のGDPは前期比年率が見出しの数字として使われます。米国の「2.2%」と日本の「0.4%」をそのまま比べると、米国の伸びを過大に見てしまいます。比べるときは、どちらも年率にそろえて見ましょう。
| 項目 | 米国 | 日本 |
|---|---|---|
| 公表元 | 米商務省 経済分析局(BEA) | 内閣府 経済社会総合研究所 |
| 見出しになりやすい数字 | 前期比年率 | 前期比と年率の両方 |
| 四半期ごとの公表回数 | 3回(速報値・改定値・確定値) | 2回(1次速報・2次速報) |
| 2026年4〜6月期(実質) | 前期比年率+2.2%(確定値) | 前期比+0.4%、年率+1.4%(2次速報) |
| 2026年7〜9月期の最初の公表 | 2026年10月29日 21:30(日本時間) | 2026年11月16日 8:50 |
※2026年10月17日時点・BEA、内閣府経済社会総合研究所の公表資料より。
出典:内閣府経済社会総合研究所「2026年4-6月期GDP速報(2次速報値)ポイント解説」(PDF)/内閣府経済社会総合研究所「公表予定」
米国の経済成長率と為替の関係(一般論)
ここでは、米国のGDPがなぜドル円のニュースで取り上げられるのかを、一般論として解説します。
景気→金利の見方→ドルという流れで注目される
金融先物取引業協会は、為替相場に影響する「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)」は、経済成長率、物価指数、国際収支、雇用統計などの経済指標から読み取れると説明しています。米国のGDPは、このうち経済成長率を示す代表的な指標です。
景気の強さはFRB(米国の中央銀行)の金融政策の判断材料の1つになり、金利の見通しを通じてドルの材料になると見られることがあります。同協会は、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上昇することが考えられるとも説明しています。金利と為替の関係は政策金利とはで詳しく解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」
GDPの結果だけでドル高・ドル安は決まらない
ただし、GDPの数字が強くても弱くても、それだけで為替の方向は決まりません。市場は事前の予想との差や、同じ日に出るほかの指標、雇用や物価の動きもあわせて見ているためです。GDPは過去の四半期の結果で、発表時点ではすでに雇用統計などで景気の様子がある程度分かっていることもあります。
当記事では、GDPの結果から将来の値動きを予想したり、売買を推奨したりはしていません。雇用や物価の指標は米雇用統計とは、米CPIとはもあわせて確認してみてください。
米GDPの発表前後の取引で注意したいこと
金融先物取引業協会は、重要経済指標の発表の前後は、スプレッド(売値と買値の差で、取引のコスト)が平時より広がっている場合があると説明しています。また相場が急変したときは、ロスカット(損失を抑えるための強制決済)が十分に働かず、預けた証拠金以上の損失が出ることがあるとしています。
| 確認しておきたいこと | 内容 |
|---|---|
| 発表時刻 | 10月29日は21:30、11月以降は22:30(日本時間) |
| 同じ週の予定 | FOMC(10月29日3時ごろ)・日銀会合(10月29日・30日) |
| 取引の量 | 慣れないうちは発表前後に新しく注文しない、取引量を小さくするといった選択肢も考える |
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #7 スプレッド、手数料について」/金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」
スプレッドの仕組みはスプレッドとは、強制決済の仕組みはロスカットとはで解説しています。
【まとめ】米国GDPの発表日と最新結果を確認しよう
当記事では、米国のGDPの最新結果と推移、前期比年率の見方、速報値・改定値・確定値の違い、発表日と日本時間、日本のGDPとの違い、為替との関係、発表前後の注意点をご紹介しました。2026年4〜6月期の実質GDPは前期比年率+2.2%(確定値)で、7〜9月期の速報値は10月29日(木)21時30分公表予定です。
数字の意味が分かると、米国の景気のニュースが読みやすくなります。これからFXを始める方はFXの始め方で全体の流れを確認し、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月17日時点のものです。

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