最終更新:2026年10月13日
米雇用統計とは、米労働統計局(BLS)が毎月発表するアメリカの雇用の統計で、FXでは「非農業部門雇用者数」と「失業率」が特に注目されます。当記事では、最新の結果、指標の意味、発表日と日本時間、FXで注目される理由を解説します。
雇用統計の発表時刻は、日本では夜の21時30分か22時30分です。ちょうど仕事が終わって取引する方が多い時間帯のため、何が発表されるのか、なぜ値動きが大きくなりやすいのかを先に知っておきましょう。市場ごとの時間帯の特徴はFXの時間帯とはで解説しています。
米雇用統計の最新結果【2026年10月2日発表・9月分】
9月の非農業部門雇用者数は+2.9万人・失業率は4.2%
2026年10月2日(日本時間21時30分)に発表された9月分の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+2.9万人(+29,000人)、失業率が4.2%でした。BLSは「雇用者数と失業率はいずれも9月にほとんど変化がなかった」と説明しています。失業者の数は710万人でした。
直近3か月の結果は次のとおりです。表は毎月の発表後に追記していきます。
| 発表日(日本時間) | 対象月 | 非農業部門雇用者数(前月比) | 失業率 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月2日(金)21:30 | 2026年9月 | +2.9万人 | 4.2% | — |
| 2026年9月4日(金)21:30 | 2026年8月 | +16.2万人 | 4.1% | 10月2日の発表で+13.3万人に下方改定 |
| 2026年8月7日(金)21:30 | 2026年7月 | -2.3万人 | 4.1% | 9月4日の発表で+2.1万人、10月2日の発表で-1.0万人に改定 |
※2026年10月13日時点。米労働統計局(BLS)「The Employment Situation」各月の発表より。雇用者数は季節調整済みの前月比、失業率は季節調整済み。
出典:U.S. Bureau of Labor Statistics「The Employment Situation」(最新の発表)
前の月の数字はあとから改定される
雇用者数は、翌月・翌々月の発表で数字が見直される(改定される)ことがあります。たとえば10月2日の発表では、7月分が+2.1万人から-1.0万人へ、8月分が+16.2万人から+13.3万人へ下方改定され、7月と8月の合計は従来より6万人少なくなりました。
ニュースでは「今月の数字」だけが大きく取り上げられがちですが、前の月の改定もあわせて発表されます。結果を見るときは、表の備考欄のような改定の有無も確認しておくと、数字の流れをつかみやすくなります。
次回(10月分)は2026年11月6日の予定
BLSによると、2026年10月分の米雇用統計は2026年11月6日(金)の米東部時間8時30分に発表される予定です。米国は11月1日から冬時間になるため、日本時間では11月6日の22時30分になります。
米雇用統計とは?2つの調査でアメリカの雇用を測る統計
ここでは、米雇用統計で発表される主な数字の意味を分かりやすく解説します。
正式名称は「The Employment Situation(雇用情勢)」
日本で「米雇用統計」と呼ばれているのは、米労働省の労働統計局(BLS)が毎月発表する「The Employment Situation(雇用情勢)」というニュースリリースです。BLSは、この発表が毎月の2つの調査の統計をまとめたものだと説明しています。
| 調査 | 測っているもの(BLSの説明) | 代表的な数字 |
|---|---|---|
| 事業所調査(establishment survey) | 産業別の非農業部門の雇用者数、労働時間、賃金 | 非農業部門雇用者数、平均時給 |
| 家計調査(household survey) | 失業を含む労働力の状態 | 失業率 |
※BLS「The Employment Situation」の説明(2026年10月2日発表分)より。
非農業部門雇用者数は「農業以外で働く人の数」の増減
非農業部門雇用者数は、農業以外の事業所で、毎月12日を含む給与期間に働いたか給与を受け取った雇用者の数です。BLSによると、農業で働く人、法人化していない事業の自営業者、無給の家族従業者、家事使用人は、この調査(事業所調査)の対象外です。1人が複数の仕事をしていれば、仕事ごとに数えられます。FXのニュースでは、前の月から何人増えたか(減ったか)という前月比の数字がよく使われます。英語の「Nonfarm Payrolls」から「NFP」と呼ばれることもあります。
9月分の発表では、民間の非農業部門の平均時給が前月比で5セント(0.1%)上がり37.81ドルになったことも公表されています。雇用の「人数」だけでなく「賃金」の動きも同じ日に分かるのが特徴です。
出典:BLS「Employment Situation Technical Note」
失業率は「労働力人口のうち、失業者の割合」
BLSは、失業率を「失業者の数が労働力人口に占める割合」と定義しています。労働力人口とは、16歳以上で、働いている人(就業者)と失業者の合計です。
失業者に数えられるのは、調査の対象週に仕事をしておらず、働ける状態で、直近4週間に仕事を探していた人などです。仕事を探していない人は労働力人口に含まれないため、「仕事をしていない人の割合」とは意味が異なる点に注意しましょう。
出典:BLS「Labor Force Statistics from the Current Population Survey: Concepts and Definitions」
米雇用統計の発表日と日本時間【2026年〜2027年1月】
BLSが公表している今後の発表日
BLSの発表スケジュールで確認できた今後の発表日は次のとおりです。発表時刻はいずれも米東部時間の8時30分で、日本時間は冬時間の22時30分になります。
| 対象月 | 発表日(米東部時間) | 日本時間 |
|---|---|---|
| 2026年10月 | 2026年11月6日(金)8:30 | 2026年11月6日(金)22:30 |
| 2026年11月 | 2026年12月4日(金)8:30 | 2026年12月4日(金)22:30 |
| 2026年12月 | 2027年1月8日(金)8:30 | 2027年1月8日(金)22:30 |
※2026年10月13日時点・BLS「Schedule of Releases for The Employment Situation」より。日程は変更される場合があります。それより先の日程は、BLSが公表したものから順に追記します。
出典:BLS「Schedule of Releases for The Employment Situation」
発表日は金曜日が多い
2026年の発表日を見ると、3月6日、4月3日、5月8日、6月5日、8月7日、9月4日、10月2日はいずれも金曜日でした。一方、6月分の発表日(2026年7月2日)は木曜日で、毎回決まった曜日とは限りません。「月初の金曜日」と思い込まず、BLSのスケジュールで確認しておきましょう。
日本時間は夏時間21時30分・冬時間22時30分
米国の夏時間(サマータイム)は、3月の第2日曜日に始まり、11月の第1日曜日に終わります。日本には夏時間がないため、米東部時間の8時30分を日本時間に直すと次のようになります。
| 期間(2026年) | 米東部時間 | 日本時間 |
|---|---|---|
| 夏時間(3月8日〜10月31日) | 8:30 | 21:30 |
| 冬時間(11月1日以降) | 8:30 | 22:30 |
※米国の夏時間のルールは米国立標準技術研究所(NIST)の説明による。日本時間は時差(夏時間13時間・冬時間14時間)から計算。
国内のFX会社の取引時間も、米国の冬時間入りに合わせて切り替わります(DMM FXは2026年11月2日(月)の取引開始から冬時間)。詳しくはFXの取引時間で解説しています。
FXで米雇用統計が注目される理由
金融先物取引業協会は、スプレッドが広がりやすい場面の説明で「米国雇用統計などの重要経済指標」と、重要な経済指標の例に米雇用統計を挙げています。ここでは、FXで米雇用統計が注目される理由を3つに分けて解説します。
理由1:経済の基礎的な状況を示す指標だから
注目される理由の1つ目は、雇用統計が、為替相場を動かす「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)」を読み取るデータだということです。金融先物取引業協会は、ファンダメンタルズは経済成長率・物価指数・国際収支・雇用統計などの経済指標から読み取れ、相場の動向に影響する基礎的なデータになると説明しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」
理由2:FRBの使命に「雇用の最大化」が含まれるから
注目される理由の2つ目は、米国の中央銀行(FRB)の使命(マンデート)が「雇用の最大化」と「物価の安定」であることです。FRBの金融政策を決めるFOMCは、個人消費支出(PCE)物価指数の前年比で測った長期的に2%のインフレ率が、この使命に最も合っていると判断しています。
雇用の状況は、FRBが政策金利をどう判断するかを考える材料の1つになります。政策金利の見通しが変わると、日米の金利差の見方が変わり、ドル円が動く場合があります。政策金利の仕組みは政策金利とは、FRBの会合はFOMCとはで解説しています。
理由3:市場の予想とのずれで相場が動くことがあるから
注目される理由の3つ目は、発表された数字が市場参加者の予想と大きく違うと、相場が動くことがあるということです。金融先物取引業協会も、市場参加者の予測や期待・不安といった「市場心理」が相場に影響すると説明しています。
ただし、同じような結果でも相場の反応は毎回異なり、「雇用者数が増えたらドル高になる」と決まっているわけではありません。当記事では将来の値動きの予想や売買の推奨はしていません。数字の意味を知ったうえで、ご自身で判断することが大切です。
米雇用統計の発表前後の取引で注意したいこと
スプレッドが広がりやすい
スプレッドとは、買値と売値の差で、取引のたびにかかる実質的なコストです。金融先物取引業協会は、米国雇用統計などの重要経済指標の発表の前後は、スプレッドが平時より広がっている場合があると説明しています。
国内のFX会社も、公式サイトで同じ趣旨の注記をしています(2026年10月13日時点)。
| 会社 | 経済指標の発表時に関する公式の注記(抜粋) |
|---|---|
| DMM FX | 「主要国の祝日や取引時間の終了前後、経済指標の発表時など、市場環境の変化や流動性の低下等により、拡大する可能性があります。」 |
| 松井証券 | 「外国為替相場の状況等により、拡大する場合があります(相場の急変時、経済指標の発表時、著しい流動性の低下時等)。」 |
| 楽天FX | 原則固定(例外あり)の例外として「主要経済指標の発表前後」を挙げている |
| みんなのFX | 原則固定の例外として「重要な経済指標の結果発表時に相場が急変した場合。」を挙げている |
※2026年10月13日時点・各社公式サイトより。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #7 スプレッド、手数料について」
レートの配信停止やスリッページが起きることがある
DMM FXは、経済指標の発表時など相場が急変するおそれがある場合に、その前後でレートの配信を停止し、注文を受け付けない場合があるとしています。また、スプレッドの拡大やスリッページ(注文したレートと実際に成立したレートのずれ)で、意図した取引が行えない可能性があると説明しています。DMM FXのサービスの特徴はDMM FXの評判でまとめています。
LIGHT FXも、経済指標の発表時などに提示価格が大きく変動した場合、逆指値注文が指定した価格から大きく離れて約定し、注文時の想定より損失が大幅に拡大したり、証拠金を上回る損失が発生したりすることがあると説明しています。
初心者の方は「発表をまたがない」選択肢も
値動きが急になる時間帯は、想定より大きな損失や、ロスカット(損失を抑えるための強制決済)につながる可能性があります。取引に慣れないうちは、発表の時刻を前もって確認し、発表の前後は新しく注文しない、取引量を小さくする、といった選択肢も考えておきましょう。
スプレッドの仕組みはスプレッドとは、強制決済の仕組みはロスカットとはで詳しく解説しています。
発表前後に備えて、注文や決済の操作はFXデモトレードができるアプリで実際の資金を使わずに確認しておくこともできます。取引量を小さくしたい場合は少額で始められるFX口座も参考になります。
【まとめ】米雇用統計の発表日と結果を確認しよう
当記事では、米雇用統計の最新の結果、非農業部門雇用者数と失業率の意味、発表日と日本時間、FXで注目される理由、発表前後の注意点をご紹介しました。2026年9月分は雇用者数+2.9万人・失業率4.2%で、次回の10月分は11月6日(日本時間22時30分)に発表される予定です。
経済指標を知ると、ニュースと為替の動きのつながりが見えやすくなります。これからFXを始める方は、まずFXの始め方で全体の流れをつかみ、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
ほかの主な指標は経済指標とは、物価の指標は米CPI(消費者物価指数)とはで解説しています。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
