ドットチャートとは?FOMCの政策金利見通しの見方と最新結果【2026年9月公表】

当ページのリンクには広告が含まれています。
ドットチャートとは?FOMCの政策金利見通しの見方と最新結果【2026年9月公表】

最終更新:2026年10月17日

ドットチャートとは、FOMC(連邦公開市場委員会)の参加者が考える「適切な政策金利の水準」を、1人1つの点で示した図です。当記事では、ドットチャートの意味と見方、公表日程と日本時間、2026年9月16日に公表された最新の見通しを中心に解説します。あわせて、為替との関係と見るときの注意点も整理します。

ドットチャートは、米国の金利の先行きを考える材料として、ドル円のニュースでもよく取り上げられます。数値はすべてFRB(米連邦準備制度理事会)の公表資料から確認しました。

目次

ドットチャートとは?FOMC参加者の政策金利の見通し

ここでは、ドットチャートが何を表した図なのか、どの資料に載っているのかを整理します。

参加者1人ずつの「年末の適切なFF金利」を点で並べた図

ドットチャートは、FOMCの参加者がそれぞれ各年の年末と長期(longer run)に適切と考えるFF金利の水準を、点(ドット)で示した図です。英語では「dot plot(ドットプロット)」と呼ばれます。

FF金利は米国の政策金利にあたる金利で、FRBは「3.75〜4.00%」のように幅で目標を決めています。ドットチャートの点は、この幅の真ん中の値(中間値)で、0.125%刻みに丸めて示されます。

長期の見通しは、新たなショックがない場合に最終的に落ち着くと考える水準です。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

SEP(経済見通しの要約)に含まれる図の1つ

ドットチャートは、FRBが公表するSEP(Summary of Economic Projections=経済見通しの要約)の中の図の1つです。SEPには、政策金利のほかに次の見通しがまとめられています。

項目内容
実質GDP物価の影響を除いた経済成長率(前年の第4四半期から当年の第4四半期までの伸び)
失業率当年の第4四半期の平均
PCEインフレPCE(個人消費支出)物価指数の伸び率。FOMCの2%の物価目標はこの指標で測る
コアPCEインフレ食品とエネルギーを除いたPCE物価指数の伸び率
FF金利各年末の適切な水準(ドットチャートの元になる数値)

米国の物価の指標は、CPI(消費者物価指数)とPCE物価指数の2つがよく使われます。CPIについては米CPIとはで解説しています。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)、FRB「Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy」

点の数は見通しを出した参加者の数(2026年9月は18人)

FOMCの参加者は、FRBの理事と12の地区連銀の総裁です。2026年9月の会合では18人が見通しを提出し、そのうち1人は2028年と2029年の見通しを出していません。

なお、ウォーシュ議長は自身の見通しを出していません(後述)。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

ドットチャートの公表日程(3・6・9・12月)と日本時間

ドットチャートは、FOMCのたびに出るわけではありません。公表される会合と日本時間の目安を確認しましょう。

年8回のFOMCのうち、3・6・9・12月の4回で公表される

FOMCは年8回開かれ、そのうち3月・6月・9月・12月の4回の会合でSEP(ドットチャートを含む)が公表されます。FRBの日程表では、SEPのある会合に「*」の印が付いています。

会合(米国時間)SEPの公表日(米国時間)日本時間の目安
3月17日・18日3月18日3月19日 午前3時ごろ
6月16日・17日6月17日6月18日 午前3時ごろ
9月15日・16日9月16日9月17日 午前3時ごろ
12月8日・9日(次回)12月9日12月10日 午前4時ごろ(冬時間)

※2026年10月17日時点・FRB「Meeting calendars and information」より。日本時間は、米国東部時間の午後2時に公表された場合の目安です。

出典:FRB「Meeting calendars and information」

声明と同じ米国東部時間の午後2時に公表される

2026年9月のSEPには「For release at 2:00 p.m., EDT」と書かれており、声明と同じ米国東部時間の午後2時に公表されました。日本時間では、米国の夏時間(3月第2日曜日〜11月第1日曜日)は午前3時、冬時間は午前4時です。

そのあと議長の記者会見があり、2026年6月・9月の会見でも冒頭でSEPの中央値が紹介されました。会合ごとの日程はFOMCとはにまとめています。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)、NIST「Daylight Saving Time (DST)」

ドットチャートの見方(中央値・ばらつき・年ごとの見通し)

ドットチャートは点が多く並んでいるため、最初は見方が分かりにくい図です。ここでは見る順番に沿って、3つのポイントを解説します。

まず中央値を見る:真ん中の参加者の見通し

ドットチャートで最も注目されるのが中央値です。中央値とは、全員の見通しを低い順に並べたときに真ん中に来る値で、人数が偶数のときは真ん中2人の平均になります。

ニュースで「FOMC参加者は年末の政策金利を4.1%と予想」と伝えられるのは、この中央値のことです。平均値ではないため、極端に高い(低い)点があっても中央値は動きにくい特徴があります。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

次に点のばらつきを見る:意見の割れ方が分かる

中央値が同じでも、点が1か所に集まっているか、上下に散らばっているかで意味が変わります。点が広く散らばっているほど、参加者の意見が割れているということです。

SEPの表には、中央値のほかに、最も高い3人と最も低い3人を除いた「中心傾向(Central Tendency)」と、全員の最低〜最高を示す「範囲(Range)」も載っています。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

最後に年ごとの点を比べる:現在の金利との差を数える

ドットチャートは、当年・翌年・翌々年……と長期の見通しが横に並んでいます。現在のFF金利の中間値と比べると、年末までに何回分の利上げ・利下げを見込んでいるかを計算できます。

2026年9月の利上げ幅は0.25%ポイント(0.25%分)でした。点と現在の中間値の差をこの幅で割ると、回数の目安になります。実際の数値での計算は後述の最新結果で紹介します。

最新のドットチャート(2026年9月16日公表)の結果

ここからは、2026年9月16日に公表されたSEPの数値を紹介します。この会合でFOMCは、FF金利の誘導目標を3.75〜4.00%に0.25%ポイント(0.25%分)引き上げました(中間値は3.875%)。

出典:FRB 声明(2026年9月16日)

2026年末のFF金利の中央値は4.1%

FF金利の見通しの中央値は、2026年末が4.1%、2027年末も4.1%でした。その後は2028年末3.9%、2029年末3.6%と下がり、長期は3.2%です。

時点中央値中心傾向範囲
2026年末4.1%4.1〜4.4%3.9〜4.4%
2027年末4.1%3.6〜4.4%3.1〜4.4%
2028年末3.9%3.1〜4.1%3.1〜4.1%
2029年末3.6%3.1〜3.6%2.9〜3.9%
長期3.2%3.0〜3.6%2.9〜3.9%

※2026年9月16日公表・FRB「Summary of Economic Projections」Table 1より

表の4.1%は、点の値(4.125%)を小数第1位に丸めた数値です。これは参加者の見通しで、FOMCが決めた予定ではありません。そのうえで、9月の利上げ後の中間値3.875%と比べると、中央値は計算上0.25%ポイント(利上げ1回分)高い水準です。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

2026年末は18人中16人が今の水準より高い点を出した

2026年末の点を見ると、4.125%に12人、4.375%に4人、3.875%(現在の水準)に2人でした。現在の水準より高い点を出したのは18人中16人です。

FF金利の点(中間値)2026年末2027年末
4.375%4人8人
4.125%12人6人
3.875%2人0人
3.625%0人3人
3.125%0人1人

※2026年9月16日公表・FRB「Summary of Economic Projections」Figure 2より。いずれも合計18人

2027年末は、4.375%の8人から3.125%の1人まで、2026年末より点が広がっています。翌年以降の見通しほど、参加者の意見が分かれやすいことが分かります。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

GDP・失業率・PCEインフレ見通しの中央値

経済見通しの中央値では、2026年のPCEインフレが3.7%と、FOMCの物価目標である2%を大きく上回っています。PCEインフレが2.0%まで下がる見通しは2029年です。

項目2026年2027年2028年2029年長期
実質GDP2.3%2.4%2.2%2.1%2.0%
失業率4.1%4.1%4.1%4.1%4.2%
PCEインフレ3.7%2.3%2.1%2.0%2.0%
コアPCEインフレ3.4%2.5%2.2%2.0%−

※2026年9月16日公表・FRB「Summary of Economic Projections」Table 1の中央値。コアPCEは長期の見通しを集めていません

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

ドットチャートの前回6月からの変化

前回のSEPは、2026年6月17日に公表されています。6月と9月の中央値を比べると、参加者の見方の変化が分かります。見通しが前回より高くなることを上方修正、低くなることを下方修正といいます。

政策金利の見通しはすべての年で上方修正された

FF金利の見通しの中央値は、2026年末が3.8%から4.1%へ、2027年末が3.6%から4.1%へ引き上げられました。2028年末と長期も上がっています。

FF金利の中央値6月公表9月公表変化
2026年末3.8%4.1%+0.3
2027年末3.6%4.1%+0.5
2028年末3.4%3.9%+0.5
2029年末−3.6%9月から追加
長期3.1%3.2%+0.1

※FRB「Summary of Economic Projections」(2026年6月17日・9月16日)Table 1より。変化は%ポイント

2026年末の点の分布も、6月は当時の中間値3.625%に8人が集まっていたのに対し、9月はすべての点が3.875%以上に移りました。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年6月17日)、FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

失業率は下方修正、2026年のインフレは3.7%に上方修正

経済見通しでは、失業率が2026年・2027年ともに4.3%から4.1%へ下方修正されました。一方で、2026年のPCEインフレは3.6%から3.7%へ上方修正されています。

中央値(2026年)6月公表9月公表
実質GDP2.2%2.3%
失業率4.3%4.1%
PCEインフレ3.6%3.7%
コアPCEインフレ3.3%3.4%

※FRB「Summary of Economic Projections」(2026年6月17日・9月16日)Table 1より

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年6月17日)、FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)

ウォーシュ議長は点を出さず、SEPの見直しにも触れている

2026年5月に就任したウォーシュ議長は、先の金融政策を前もって示す「フォワードガイダンス」に否定的です。ドットチャートについても、6月の会見で、自分は点を出しておらず、自分にとっては政策運営に役立つものではないと述べています。

“I did not submit a, a dot. For me, it’s not helpful in the conduct of policy.”(私は点を出していません。私にとって、政策運営に役立つものではありません。)

同じ会見では、会見・ドットチャート・議事要旨などのコミュニケーションの見直しを進めていることを説明し、年末までにSEPが変わる可能性にも触れました。ウォーシュ議長の考え方はウォーシュFRB議長とはで詳しく解説しています。

出典:FRB「Transcript of Chairman Warsh’s Press Conference」(2026年6月17日)

次回のドットチャート(12月8日・9日のFOMC)と日本時間

2026年のFOMCは、10月27日・28日と12月8日・9日の2回が残っています(2026年10月17日時点)。10月の会合はSEPのない回です。

次回は日本時間12月10日の午前4時ごろが目安

次のドットチャートは、12月8日・9日の会合で公表される予定で、日本時間12月10日(木)の午前4時ごろ(冬時間)が目安です。時刻が変わる場合もあるため、直前にFRBの公式カレンダーで確認しましょう。

出典:FRB「Meeting calendars and information」

12月は新しい点と9月の点を比べる

12月の会合は2026年最後の会合です。10月・12月の決定と12月の新しい点を、前述の9月の見通しと比べると、参加者の見方の変化が分かりやすくなります。

また、前述の通りウォーシュ議長はSEPの見直しに触れています。12月にどのような形で公表されるかも、FRBの発表で確認しておきましょう。

物価や雇用の結果も見通しに影響します。発表日程は米CPIとは、米雇用統計とはで確認できます。

ドットチャートと為替の関係

ここでは、ドットチャートが為替で注目される理由を一般論として解説します。相場の動きを予想するものではありません。

点の動きは米ドルの材料の1つにすぎない

金融先物取引業協会は、為替相場を動かす要因の1つとして金利を挙げています。ドットチャートの点が前回より上に動くと、米国の金利が高めに保たれるという見方につながることがあります。

ただし、同じ時刻には声明と議長の会見も出るうえ、為替は経済指標・政治・市場心理など多くの要因で動きます。点が上に動いてもドル高になるとは限りません。金利と為替の関係はFOMCとは、日米の金利差は政策金利とはで解説しています。

出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」

ドットチャートを見るときの注意点

最後に、ドットチャートを読むときと、公表前後に取引するときの注意点をまとめます。

ドットチャートは見通しであり、約束ではない

ドットチャートの点は、参加者それぞれが会合の時点で考えた見通しです。FOMCが将来の金利をこの通りにすると約束したものではありません。

SEPの説明文でも、見通しには「かなりの不確実性」が伴うとされています。SEPには、2006〜2025年に民間や政府機関が秋に出した予測がどれくらい外れたかの目安も載っています。短期金利の外れ幅の目安は、当年の見通しで±0.5%ポイント、翌年の見通しで±1.7%ポイントです。

ウォーシュ議長も6月の会見で、参加者は消しゴム付きの鉛筆で点を書いたようなもので、状況が変われば縛られないと表現しています。

出典:FRB「Summary of Economic Projections」(2026年9月16日)、FRB「Transcript of Chairman Warsh’s Press Conference」(2026年6月17日)

公表前後は相場が急に動くことがある

ドットチャートは日本の早朝に声明と同時に出るため、その前後は相場が急に動き、スプレッドが広がることがあります。金融先物取引業協会は、急変時にロスカットが十分に機能せず、預けた証拠金以上の損失が出る場合があると注意を促しています。

発表をまたいで取引するときの備えはFOMCとはの「FXで注意したいこと」、ロスカットの仕組みはロスカットとはで確認してみてください。

出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #2 為替相場とは」、金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」

【まとめ】ドットチャートの見方と最新の見通しを確認しよう

当記事では、ドットチャートの意味と見方、公表日程と日本時間、2026年9月の最新の見通しと6月からの変化をご紹介しました。

  • ドットチャートはSEPの中の図で、3・6・9・12月のFOMCで公表
  • 2026年9月の中央値は2026年末4.1%・2027年末4.1%で、6月から上方修正
  • 次回は12月8日・9日の会合で、日本時間12月10日の午前4時ごろが目安
  • 見通しは約束ではなく、ドットチャートだけで為替の方向は決まらない

点の動きと声明・会見をあわせて確認すると、米国の金融政策のニュースが理解しやすくなります。FXをこれから始める方はFXの始め方から確認し、アプリ選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。

FX取引のリスクについて

FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月17日時点のものです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社エウレカ編集部が運営するFX情報メディアの編集部です。

コメント

コメントする

目次