ジャクソンホール会議とは?日程・日本時間と2026年の議長講演の要点【2026年10月】

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ジャクソンホール会議とは?日程・日本時間と2026年の議長講演の要点【2026年10月】

最終更新:2026年10月18日

ジャクソンホール会議は、米カンザスシティ連銀が毎年8月に米ワイオミング州ジャクソンホールで開く経済シンポジウムです。2026年は8月27日〜29日に開かれ、28日(金)にウォーシュFRB議長が講演しました(2027年の日程は2026年10月18日時点で未公表)。当記事では、会議の仕組みと日本時間、議長講演の要点、過去の注目講演、為替との関係を解説します。

FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演は、毎年ドル円のニュースで取り上げられます。カンザスシティ連銀とFRBの公式ページをもとにまとめました。

目次

ジャクソンホール会議とは?カンザスシティ連銀の経済シンポジウム

世界の中央銀行関係者や経済学者が集まる会議

正式な名称は「Jackson Hole Economic Policy Symposium(ジャクソンホール経済政策シンポジウム)」です。主催のカンザスシティ連銀は、米国に12ある地区連銀(各地域の連邦準備銀行)の1つです。

会議の目的は、世界の中央銀行関係者や経済学者が集まり、重要な経済問題や長期的な政策課題を議論することです。毎年テーマが決められ、論文の発表やパネル討論が行われます。

参加は招待制で、例年の参加者は約120人

会議は招待制で、例年の参加者は約120人です。参加者は各年のテーマに合わせて選ばれ、中央銀行の代表、研究者、市場関係者、報道機関などが含まれます。

費用は参加者が支払う参加費でまかなわれています。発表された論文は発表時に公式ページに掲載され、議事の書き起こしはおおむね数か月以内に公開されます。

1978年に始まり、2020年からは議長講演をライブ配信

カンザスシティ連銀の年表によると、シンポジウムは1978年にミズーリ州カンザスシティで始まり、1982年からジャクソンホールで開かれるようになりました。1982年には、当時のカンザスシティ連銀総裁が当時のボルカーFRB議長を招いています。カンザスシティ連銀は、この会議を「世界で最も歴史のある中央銀行関係の会議の1つ」と説明しています。

会議は招待制ですが、FRB議長の講演は2020年からカンザスシティ連銀のYouTubeチャンネルでライブ配信されています。講演の全文は、FRBの公式サイトの講演ページにも掲載されます。

出典:カンザスシティ連銀「About the Jackson Hole Economic Policy Symposium」、同「Jackson Hole FAQs」、同「The Jackson Hole Economic Policy Symposium Through the Years」、FRB「Speeches」

FRBの仕組みや議長の役割はFRBとはで解説しています。

ジャクソンホール会議の日程と日本時間

2026年は8月27日〜29日に開かれた

2026年のジャクソンホール会議は、8月27日(木)〜29日(土)に開かれました(米国時間)。テーマは「Financial Innovation: Implications for Payments and Policy(金融イノベーション:決済と政策への影響)」です。カンザスシティ連銀の公式ページに掲載された日程は次のとおりです。

日付(米国時間)主な内容
8月27日(木)開会レセプション・夕食会(カンザスシティ連銀のシュミッド総裁が主催)
8月28日(金)ウォーシュFRB議長の開会講演/金融イノベーションと国際通貨システム/トークン化された金融のイノベーション/決済イノベーションの各国の経験(パネル。IMFのゲオルギエバ専務理事などが登壇)
8月29日(土)金融イノベーションと銀行の将来/イノベーションへの資金供給/中央銀行にとっての金融イノベーション(パネル)

※カンザスシティ連銀「2026 Jackson Hole Economic Policy Symposium」より・当サイト訳

トークン化された金融とは、株式や預金などをデジタルの記録に置き換える仕組みのことです。

2026年の議長講演は日本時間8月28日(金)23時から

2026年のウォーシュ議長の講演は、FRBの公式カレンダーで米東部時間8月28日(金)の午前10時(現地の山岳部時間では午前8時)に組まれていました。日本時間では8月28日(金)の23時です。

近年の議長講演も、米東部時間の午前10時ごろに始まることが多く、米国が夏時間の8月は日本時間の金曜日23時ごろにあたります。正確な開始時刻は、直前にカンザスシティ連銀やFRBの公式発表で確認しましょう。

出典:FRB「Calendar(2026年8月)」、FRB「In Our Time」(ウォーシュ議長講演・2026年8月28日)

FRB議長の講演は例年8月下旬の金曜日

FRBの講演一覧によると、近年のFRB議長の講演は8月下旬の金曜日に行われています。2022年以降の講演日は次のとおりです。

年講演日(米国時間)講演者
2026年8月28日(金)ウォーシュ議長
2025年8月22日(金)パウエル議長
2024年8月23日(金)パウエル議長
2023年8月25日(金)パウエル議長
2022年8月26日(金)パウエル議長

※FRB「Speeches」の各講演ページより

2027年の日程は2026年10月18日時点で未公表

2026年10月18日時点で、カンザスシティ連銀の公式ページに2027年の開催日程は掲載されていません。公表されしだい、当記事でも更新します。

出典:カンザスシティ連銀「Jackson Hole Economic Policy Symposium」

2026年のテーマとウォーシュ議長の講演の要点

ウォーシュ議長の講演「In Our Time」の要点を、原文とあわせて紹介します。( )内は当サイトによる日本語の要旨です。

先の金融政策を前もって示すことに否定的な考えを示した

ウォーシュ議長は2026年5月22日に就任し、講演の冒頭では、この週末のジャクソンホールを就任100日目の節目を迎える場だと述べています。講演では、フォワードガイダンスを減らす考えを詳しく説明しました。フォワードガイダンスとは、先の金融政策の方向を前もって言葉で示すことです。講演の流れを紹介した場面では、次のように述べています。

“You can call it an outline . . . you can call it a trail map . . . just don’t call it forward guidance.”(概要と呼んでも、登山道の地図と呼んでもいいですが、フォワードガイダンスとだけは呼ばないでください。)

フォワードガイダンスは、2008年の世界金融危機のときに定期的に使われるようになった手法です。ウォーシュ議長は、この手法は役目を終えたと考えていると述べています。

また、市場がFRBの示す見通しに頼り、FRBも市場の価格に頼ると、互いに新しい変化を見落としやすくなるとも指摘しました。FRBは市場の価格を幅広く見る必要があるとし、その例として挙げた市場の価格の中には、ドルの為替レートも含まれています。

金融政策の7つの原則を示した

講演の中盤では、ウォーシュ議長が考える金融政策の7つの原則を示しました。表の中のPCE価格指数は、米国の個人消費支出の物価指数で、FRBが物価目標に使う指標です。

原則要点(当サイト訳)
1古いデータや1つの数字に頼らず、流れ(トレンド)を最も重視する
2需要と供給のバランスの判断は不確かさを伴う
3PCE価格指数で測る2%の物価目標は固定された目標である
4最大雇用(働きたい人が働ける状態)にも責任を持ち、物価と雇用の2つの目標は対立しない
5短期金利が主な手段で、異例の政策は本当の危機以外では控える
6お金の量(マネー)も重要である
7発信を絞った「静かなFRB」のほうが目標を達成しやすい

※FRB「In Our Time」(2026年8月28日)より・当サイトによる要約

PCE価格指数の見方はPCE価格指数とはで解説しています。

雇用は安定しているとし、物価に重点を置くべきだと述べた

経済の見方については、雇用は安定している一方で、PCE価格指数の前年比が3.7%、直近6か月の変化が4.1%と、物価が目標を上回っていると説明しました。失業率は4.1%と紹介しています(いずれも講演時点の数値)。そのため、FRBはいま物価に最も重点を置くべきだと述べました。

そのうえで、行動するかどうかの基準を次のように示しました。基調的なインフレとは、一時的な値動きを除いた物価の流れのことです。

“Here is my standard: We must be confident that underlying inflation is moving to our objective, clearly and at sufficient speed.”(私の基準はこうです。基調的なインフレが、はっきりと十分な速さで目標に向かっていると確信できなければなりません。)

講演は、次の言葉で締めくくられています。

“I stand here today committed to a discipline, not to a decision.”(私は今日、特定の決定ではなく、規律を約束してここに立っています。)

出典:FRB「In Our Time」(ウォーシュ議長講演・2026年8月28日)

講演の後、9月のFOMCで利上げが決まった

講演から約3週間後の9月16日、FOMC(連邦公開市場委員会)は政策金利(FF金利の誘導目標)を3.75〜4.00%へ0.25%ポイント引き上げました。ウォーシュ議長は会見で、ジャクソンホールで示した基準を満たしていないと判断したことを理由に挙げています。ただし、講演で利上げを予告したわけではありません。この会合での議論の中身はFOMC議事要旨とはで整理しています。

出典:FRB 声明(2026年9月16日)、FRB「Transcript of Chairman Warsh’s Press Conference」(2026年9月16日)

ウォーシュ議長の経歴やその他の発言はウォーシュFRB議長とは、FOMCの決定と日程はFOMCとはでまとめています。

過去に注目されたジャクソンホール会議のFRB議長講演

FRBの講演ページで原文を確認できる講演から、金融政策の転換点として取り上げられることが多いものを紹介します。

年講演者・題名主な内容
2010年バーナンキ議長「The Economic Outlook and Monetary Policy」必要なら異例の手段で追加の金融緩和を行う用意を示した
2022年パウエル議長「Monetary Policy and Price Stability」インフレを抑えるため、家計や企業に痛みが伴っても利上げを続ける姿勢を示した
2024年パウエル議長「Review and Outlook」利下げに向けて政策を調整する時が来たと述べた
2025年パウエル議長「Monetary Policy and the Fed’s Framework Review」リスクのバランスの変化が政策の調整を正当化しうると述べた

※FRBの各講演ページより・当サイトによる要約

2010年:バーナンキ議長が追加の金融緩和の用意を示した

2010年8月27日の講演でバーナンキ議長は、景気の見通しが大きく悪化した場合などに、異例の手段で追加の金融緩和を行う用意があると述べました。異例の手段とは、長期の証券を買い入れて長期金利を下げる、いわゆる量的緩和などのことです。

出典:FRB「The Economic Outlook and Monetary Policy」(2010年8月27日)

2022年:パウエル議長が「痛み」を伴ってもインフレを抑えると述べた

2022年8月26日の講演は、高いインフレへの対応がテーマでした。パウエル議長は、金利の上昇や景気の減速は家計や企業に痛みをもたらすとしつつ、物価の安定を取り戻せなければもっと大きな痛みになると述べています。

“While higher interest rates, slower growth, and softer labor market conditions will bring down inflation, they will also bring some pain to households and businesses.”(金利の上昇、成長の減速、労働市場の軟化はインフレを下げますが、家計や企業にいくらかの痛みももたらします。)

出典:FRB「Monetary Policy and Price Stability」(2022年8月26日)

2024年:パウエル議長が「政策を調整する時が来た」と述べた

2024年8月23日の講演でパウエル議長は、利下げに向けて政策を調整する時が来たと述べました。

“The time has come for policy to adjust.”(政策を調整する時が来ました。)

FRBの政策金利の推移によると、FOMCはその翌月の2024年9月に利下げを決めています。

出典:FRB「Review and Outlook」(2024年8月23日)、FRB「Open Market Operations」

2025年:パウエル議長が政策の調整の可能性に触れた

2025年8月22日の講演は、パウエル議長として最後のジャクソンホール講演で、FRBの金融政策の枠組みの見直しの結果も説明しました。物価には上振れ、雇用には下振れのリスクがあるとしたうえで、政策金利が景気を抑える水準にあるなかで、見通しとリスクのバランスの変化が政策の調整を正当化しうると述べました。

FRBの政策金利の推移によると、FOMCは2025年9月に利下げを決めています。

出典:FRB「Monetary Policy and the Fed’s Framework Review」(2025年8月22日)、FRB「Open Market Operations」

このように、ジャクソンホールの講演は、その後の金融政策の方向を考える手がかりとして注目されてきました。ただし、ここで紹介したのは後から振り返って注目された講演で、講演の内容がそのまま次の決定になるとは限りません。決定はその後の経済指標などを見てFOMCで判断されます。

ジャクソンホール会議と為替の関係

ここでは一般論として解説します。相場の動きを予想するものではありません。

FRB議長の講演は米国の金利の見通しの材料になる

金融先物取引業協会は、為替相場を動かす要因の1つとして金利を挙げ、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上昇することが考えられると説明しています。FRB議長の講演は、米国の金利が今後どうなるかを考える材料として注目されます。

出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #3 為替相場を動かす要因」

ジャクソンホール会議は9月のFOMCの数週間前にあたるため、議長の講演はその時点の考え方を知る機会になります。

米国の金利と日本の金利の差は日米金利差とは、米国の長期金利の動きは米国債の長期金利とドル円の関係で解説しています。主な経済指標の日程は経済指標とは、1週間のニュースの流れは為替ニュースまとめで確認できます。

講演だけでドル円の方向が決まるわけではない

為替は、金利のほかにも経済指標・政治・市場心理・地政学など多くの要因で動きます。講演だけでドル円の方向は決まりません。

講演の言葉を深読みしすぎず、その後の経済指標やFOMCの声明もあわせて確認することが大切です。

ジャクソンホール会議の講演の前後にFXで注意したいこと

議長の講演は日本時間の金曜日23時ごろに始まり、内容によっては相場が短い時間で動くことがあります。金融先物取引業協会は、重要な発表の直後などでレートが急変するとスプレッド(買値と売値の差=実質的な取引コスト)が広がりやすくなること、ロスカットが十分に機能せず、預けた証拠金以上の損失が出る場合があることを注意点として挙げています。

場面確認したいこと
講演の前(金曜日の夜)週末をまたいで持つポジションの大きさと、必要な証拠金
講演の直後スプレッドの広がりと、逆指値注文(損失を限定するために、今より不利な値段を指定しておく注文)が不利なレートで約定する可能性

講演が金曜日の夜にあるため、反応が週明けの取引に持ち越されることも考えられます。

出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX #2 為替相場とは」、金融先物取引業協会「FX取引に係る主なリスク」

ロスカットの仕組みはロスカットとは、レバレッジの考え方はレバレッジとは、損切りの設定は損切りのやり方で解説しています。

次回のFOMCは10月27日・28日で、声明は日本時間10月29日(木)の午前3時ごろが目安です(2026年10月18日時点・FRBの公式カレンダーより)。詳しくはFOMCとはを確認してみてください。

出典:FRB「Meeting calendars and information」

【まとめ】ジャクソンホール会議はFRB議長の考え方を知る場

当記事では、ジャクソンホール会議の仕組みと日程・日本時間、2026年のウォーシュ議長の講演の要点、過去に注目された講演、為替との関係をご紹介しました。

  • カンザスシティ連銀が毎年8月下旬に開く招待制の会議(2026年は8月27日〜29日)
  • 議長講演は日本時間の金曜日23時ごろが目安(2026年は8月28日23時)
  • 2026年のテーマは金融イノベーションで、ウォーシュ議長は「規律」を約束し物価を重視する考えを示した
  • 2027年の日程は2026年10月18日時点で未公表

講演の意味が分かると、ドル円のニュースも読みやすくなります。FXをこれから始める方はFXの始め方から確認してみてください。

FX取引のリスクについて

FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月18日時点のものです。

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この記事を書いた人

株式会社エウレカ編集部が運営するFX情報メディアの編集部です。

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