最終更新:2026年10月18日
米国の小売売上高とは、米商務省センサス局が毎月公表する、米国の小売店と飲食店の売上高をまとめた統計です。当記事では、最新の結果と推移、指標の見方、GDPの個人消費との関係、発表日と日本時間を解説します。あわせて、ドル円との一般的な関係も整理します。
米国の経済は個人消費の比重が大きく、小売売上高はその動きを毎月いち早く示す統計の1つです。そのため、為替のニュースでもよく取り上げられます。まずは最新の数字から確認していきましょう。
米小売売上高の最新結果【2026年10月15日発表・9月分】
ここでは、2026年10月15日にセンサス局が公表した「Advance Monthly Sales for Retail and Food Services(小売・飲食サービス売上高の速報)」の、2026年9月分の結果を整理します。
9月の米小売売上高は前月比+0.8%・前年同月比+6.3%
2026年9月分の小売売上高(季節調整済み)は7,450億ドルで、前月比+0.8%、前年同月比+6.3%でした。発表時刻は米東部時間の8時30分で、日本時間では10月15日(木)の21時30分です。
なお、7〜9月の3か月の売上の合計は、前の年の同じ時期と比べて+5.5%でした。
季節調整とは、年末商戦のように毎年決まった時期に売上が増える動きをならす処理のことです。小売売上高では、あわせて曜日・祝日の並びの影響もならしています。
出典:センサス局「Advance Monthly Sales for Retail and Food Services, September 2026」(2026年10月15日)
自動車を除くと+0.9%、ガソリンスタンドも除くと+0.2%
ニュースでは、総合の数字とあわせて「自動車を除く」数字もよく報じられます。センサス局の公表表から、主な区分の結果をまとめると次のとおりです。
| 区分(2026年9月分) | 前月比 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 総合(小売と飲食サービスの合計) | +0.8% | +6.3% |
| 自動車・部品を除く | +0.9% | +7.2% |
| ガソリンスタンドを除く | +0.2% | +4.5% |
| 自動車・部品とガソリンスタンドを除く | +0.2% | +5.0% |
| (参考)ガソリンスタンド | +6.4% | +28.1% |
※2026年10月18日時点。センサス局「Advance Monthly Retail Trade」2026年9月分の表(Table 2)より。いずれも季節調整済みで、物価の変動は調整していない数字。
業種別に見ると、ガソリンスタンドの売上が前月比+6.4%と大きく伸びました。そのため、ガソリンスタンドを除いた前月比は+0.2%です。同じ9月分の米CPI(消費者物価指数)でも、ガソリンの指数が前月比9.1%上がっていました。総合の伸びには、ガソリンの値上がりによる売上の増加が含まれていると考えられます。
小売売上高と同じ月の物価の動きは、米CPI(消費者物価指数)とはで確認できます。
8月分は前月比+1.1%から+1.3%に上方修正
今回の発表では、前の月の数字も見直されています。2026年8月分の前月比は、+1.1%から+1.3%に上方修正されました。小売売上高は、最新月の速報値だけでなく、前月の修正もあわせて見ると全体の流れがつかみやすくなります。
なお、センサス局は2026年9月28日に、年次の調査結果などをもとに月次の売上高を過去にさかのぼって改定しています。そのため、改定前に報じられた過去の数字と、当記事の推移表の数字が違う月もあります。
出典:センサス局「Advance Monthly Retail Trade Report」(2026年10月15日・PDF)
米小売売上高の推移【2026年4月〜9月分】
2026年4月分からの推移は次のとおりです。表は毎月の公表後に追記していきます。
| 対象月 | 総合 前月比 | 総合 前年同月比 | 自動車除く 前月比 | 自動車・ガソリン除く 前月比 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年9月 | +0.8% | +6.3% | +0.9% | +0.2% |
| 2026年8月 | +1.3% | +5.6% | +1.4% | +1.1% |
| 2026年7月 | -0.4% | +4.5% | -0.1% | -0.1% |
| 2026年6月 | +0.2% | +5.9% | -0.3% | +0.4% |
| 2026年5月 | +1.0% | +6.7% | +1.0% | +0.8% |
| 2026年4月 | +0.6% | +4.1% | +0.9% | +0.4% |
※2026年10月18日時点。9月分は速報値、8月分は暫定値、7月分以前は改定値。9月分・8月分はセンサス局の速報の公表表(Table 2)の値。7月分以前は、センサス局「Retail and Food Services Sales」(2026年9月28日の改定後の季節調整済み売上高)から当サイトが計算し、小数第2位を四捨五入。各月の公表日は「発表日と日本時間」の見出しで紹介している公表スケジュールで確認できます。
4月分以降、総合の前月比は7月分を除いてプラスでした。前年同月比は+4%台〜+6%台で推移しています。ただし、前述の通り小売売上高は物価の変動を調整していない数字です。2026年6〜9月分の米CPIは前年同月比+3.4〜+3.7%で、売上の伸びには値上がりの分も含まれます。
出典:センサス局「Advance Monthly Retail Trade Report」/センサス局「Retail and Food Services Sales: Excel (1992-Present)」/センサス局「Release Schedule」
米国の小売売上高とは?
ここでは、小売売上高がどのような統計なのかを、センサス局の説明をもとに分かりやすく解説します。
小売店と飲食店の売上を毎月まとめた統計
センサス局は、この速報を米国の小売と飲食サービスの事業者の、業種別の月間売上高を早めに推計するものと説明しています。対象は自動車販売店、ガソリンスタンド、スーパー、百貨店、ネット通販などの無店舗小売、レストランなどの飲食店です。
速報値は、より大きな月次調査の対象から選んだ約4,800社への調査をもとに推計されます。その結果を、300万社を超える小売・飲食サービスの事業者全体を表すように集計しています。結果は毎月、前の月の分が公表され、2026年5月以降は月の中旬(14〜17日)に公表されています。
出典:センサス局「Advance Monthly Retail Trade Report」(Explanatory Notes)
物価の上昇分を除いていない「金額」の統計
センサス局の公表文には、売上高は季節や祝日・営業日の違いを調整しているものの、物価の変動は調整していないと書かれています。つまり、同じ量しか売れなくても、値上がりすれば売上高は増えます。
物価が大きく動いている時期は、小売売上高の伸びをそのまま「消費の量が増えた」と読むと、見誤るおそれがあります。物価の動きは米CPIやPCE価格指数とあわせて確認すると分かりやすいでしょう。
速報値は翌月以降に修正される
速報値は、限られた数の会社から早めに集めた回答をもとにしています。そのため、翌月に暫定値、さらにその翌月に改定値として見直されます。センサス局は、標本調査のため誤差があることも公表しています。
たとえば9月分の前月比+0.8%には「±0.4%」の誤差の幅が示されています。誤差の幅に0が含まれる場合、センサス局は「実際の変化が0と異なると判断できる十分な根拠はない」としています。9月分の+0.8%は、誤差の幅を考えても0を下回らない範囲(+0.4%〜+1.2%)に収まっています。
「自動車除く」は値動きの大きい品目を外して見るため
自動車は1台あたりの金額が大きく、販売の時期によって売上が大きく振れます。ガソリンスタンドの売上は、ガソリンの価格の上下に左右されます。そのため、市場ではこれらを除いた数字もあわせて見られています。
小売売上高とGDPの個人消費の関係
ここでは、小売売上高とGDP(国内総生産)の個人消費が、どのようにつながっているのかを解説します。
個人消費は米国の国内の最終支出の約3分の2
米商務省経済分析局(BEA)は、個人消費支出(PCE)を米国経済の消費を測る主な指標と位置づけています。そのうえで、個人消費は国内の最終支出のおよそ3分の2を占め、経済成長を動かす主なエンジンだと説明しています。
GDPの最新結果や成長率の推移は、米国のGDPとはで解説しています。
BEAは小売売上高の調査を個人消費の推計に使っている
BEAの手法の解説によると、月次と四半期の個人消費のうち、モノ(財)の多くの品目は、センサス局の月次小売売上高のデータを使って推計されます。GDPの速報値では、四半期の3か月目の分に、まだ月次調査の値がないため速報の小売売上高が使われます。
たとえば2026年7〜9月期のGDP速報値は、10月29日に公表される予定です。10月15日に公表された9月分の小売売上高は、その推計にも使われるデータという位置づけです。
出典:BEA「NIPA Handbook Chapter 5: Personal Consumption Expenditures」
サービスへの支出は別の統計で推計される
一方で、個人消費には家賃や医療などのサービスへの支出も多く含まれます。BEAによると、サービスの多くの品目は、センサス局の別の四半期調査(Quarterly Services Survey)などで推計されます。
小売売上高は飲食店を含むものの、サービスへの支出の多くはとらえていません。そのため、小売売上高だけでGDPの個人消費が決まるわけではない点に注意しましょう。
米小売売上高の発表日と日本時間【2026年11月・12月】
センサス局が公表している今後の発表日
センサス局が公表している今後の発表日は次のとおりです。発表時刻はいずれも米東部時間の8時30分です。
| 対象月 | 発表日(米東部時間) | 日本時間 |
|---|---|---|
| 2026年10月 | 11月17日(火)8:30 | 11月17日(火)22:30 |
| 2026年11月 | 12月16日(水)8:30 | 12月16日(水)22:30 |
※2026年10月18日時点・センサス局「Release Schedule」より。日本時間は時差(冬時間14時間)から計算。12月分以降の日程は未公表で、日程は変更される場合があります。
出典:センサス局「Monthly Retail Trade – Release Schedule」
11月からは冬時間で日本時間22時30分
米国の夏時間は2026年11月1日(日)に終わり、冬時間に切り替わります。そのため、10月15日の発表は日本時間21時30分でしたが、11月17日と12月16日の発表は日本時間22時30分です。センサス局の公表文でも、次回は「8:30 a.m. EST」(米東部の冬時間)と書かれています。
11月17日はFOMCの会合の間の発表
FRBの金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)の会合は、10月27日・28日と12月8日・9日に予定されています。11月17日に公表される10月分の小売売上高は、その間に出る消費の指標です。FOMCの日程や結果はFOMCとは、雇用の指標は米雇用統計とは、主な指標の一覧は経済指標とはで確認できます。
出典:FRB「Meeting calendars and information」
米小売売上高とドル円の関係(一般論)
ここでは、消費の指標がなぜドル円の材料になるのかを、公的な説明をもとに一般論として解説します。
景気の強さ→金利の見通し→ドルという見方がある
金融先物取引業協会は、国の経済の基礎的な状況(ファンダメンタルズ)は経済成長率や物価、雇用などの経済指標から読み取れると説明しています。また、金利が上がった通貨に買いが集まり、通貨の価値が上がることが考えられるとしています。
小売売上高は米国の消費の強さを示すため、結果がFRBの金利の判断に対する市場の見方に影響し、ドル円の材料として見られることがあります。日米の金利の水準は政策金利とはで解説しています。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX 為替相場を動かす要因」
小売売上高の結果だけでドル高・ドル安は決まらない
ただし、実際の為替は市場の予想との差や前月の修正、日本の金利、市場心理などでも動くため、小売売上高の結果だけで方向は決まりません。前述の通り、売上の伸びが値上がりによるものか、買う量が増えたことによるものかでも、受け止め方は変わりえます。
当記事では、小売売上高の結果から将来の値動きを予想したり、売買をすすめたりはしていません。円安・円高の仕組みは円安・円高とはもあわせて確認してみてください。
米小売売上高の発表前後の取引で注意したいこと
金融先物取引業協会は、重要な経済指標の発表の前後は、スプレッド(売値と買値の差)が平時より広がっている場合があると説明しています。また、相場が急に動くとロスカット(損失を抑えるための強制決済)が十分に働かず、預けた証拠金以上の損失が出ることがあるとしています。
小売売上高は、同じ時刻にほかの米国の指標と重なって公表される日もあります。取引に慣れないうちは、発表時刻を前もって確認し、発表の前後に新しく注文しない、取引量を小さくするといった選択肢も考えておきましょう。
出典:金融先物取引業協会「学ぼう!FX スプレッド、手数料について」/金融先物取引業協会「学ぼう!FX FX取引に係る主なリスク」
スプレッドの仕組みはスプレッドとは、FX会社ごとの米ドル/円のスプレッドはスプレッド比較、強制決済の仕組みはロスカットとは、レバレッジのリスクはレバレッジとはで解説しています。
【まとめ】米小売売上高の最新結果と発表日を確認しよう
当記事では、米国の小売売上高の最新結果と推移、指標の見方、GDPの個人消費との関係、発表日と日本時間、ドル円との関係、注意点をご紹介しました。2026年9月分は前月比+0.8%(前年同月比+6.3%)で、10月分は11月17日(日本時間22時30分)に公表予定です。
小売売上高は物価の変動を含む金額の統計のため、CPIやGDPとあわせて読むと米国の消費の姿がつかみやすくなります。これからFXを始める方はFXの始め方で全体の流れを確認し、口座選びに迷ったらFXおすすめアプリ・口座10社比較も参考にしてみてください。
※当記事は2026年10月18日時点の公表資料にもとづく情報の整理であり、特定の通貨の売買をすすめるものではありません。
FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証される商品ではありません。為替相場や金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。取引の際は各FX会社の契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報は2026年10月18日時点のものです。

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